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2月26日(土) 『全医労しんぶん』に掲載されたメッセージ [コメント]

〔以下のメッセージは『全医労しんぶん』第2843号、2月15日付、に掲載されたものです。〕

 国立病院の機能強化を求める国会請願書名に賛同します。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって生じた医療体制のひっ迫は、長年にわたる新自由主義的な自己責任政治がもたらした結果です。国民の生命と健康、生活を守るためにも、政治を変え、ケア優先で公的責任を果たせるまともな政府を実現しなければなりません。そのためにも医療の現場を支えておられる皆さんのご奮闘を期待しています。

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2月22日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月22日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「何が「出口戦略」だ 死者数急増に岸田政権は打つ手なし」

■国民にも広がる楽観バイアス

 WHO(世界保健機関)がオミクロン株を「懸念される変異株」(VOC)に指定すると、岸田は外国人の入国原則禁止を打ち出し、「G7で最も厳しい水準」とやたら胸を張っていたが、在日米軍が大穴となり、感染が急拡大。にもかかわらず、強化措置はダラダラ延長され、活動停滞に経済界はイラ立ち、事実上の留学生受け入れ拒否に国際的な非難を浴びていた。与党からも「国としての損失にもつながりかねない問題」(公明党の山口代表)と詰め寄られる始末。

 水際緩和の実態は「歩み」とは程遠い「居直り」。オミクロン死者急増に岸田政権は打つ手なし。「出口戦略」なんて寝言じゃないのか。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「焦るあまりに楽観論を振りまき、対応を誤り、『出口』が先送りになる。政府は同じ過ちを何度繰り返すつもりなのか。この国のコロナ対策の最も大きな問題は政府に真摯な姿勢が見えず、後手後手の泥縄が常態化し、逃げに終始していることです。非常時における決定的な局面において、トップリーダーがことごとくメッセージ発信を不得手としているのも、この国の不幸が続く要因でしょう。岸田首相が『出口』に言及する前から国民の意識は緩んでいるように見えますし、重点措置が31都道府県で適用中にもかかわらず、緊張感を欠いている。ワクチンの3回目接種が遅々として進まないのも、国民の楽観バイアスが強まっているからでしょう」

 実際、国内感染者の減少ペースは鈍い。参考になるのが、7日間平均の新規感染者数だ。8日にピークを迎えたとされる東京都はその後の7日間で18%減。一方、米ニューヨーク市のマンハッタン地区はピーク後7日間で52%減、南アフリカの最大都市ヨハネスブルクを抱えるハウテン州では7割も減少したという。激減を左右する要因のひとつとみられるのが、3回目のワクチン接種率だ。欧米と比べ、日本は致命的に遅れている。


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2月19日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月19日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「コロナ失政 岸田首相の正体は場当たりとゴマカシの自己保身」

 ハト波のふりして自助押しつける冷酷首相

 問題のブレーキ会見以降も、岸田政権は「原則8カ月」としていた接種間隔を対象者ごとに何度も見直し。やっと全体像が固まったのは今年1月半ばだ。優柔不断な政権の二転三転で、接種券の印刷や配送業務など自治体の対応は大混乱。おかげで接種は遅れ、高齢者の重症・死亡を増やす要因となっている。

 今さら政権は「高齢者施設の接種は接種券なしでも可能」と呼びかけているが、後の祭り。このワクチン行政の致命的ミスを認めず、岸田政権はゴマカシ策を連発だ。

 その最たるものが、濃厚接触者となった同居家族で症状があれば検査なし、医師の診断のみで「みなし陽性」とするデタラメ運用であり、検査も受診もしない「自主療養」まで推奨する棄民政策である。

 入院も治療も検査も拒否し、今や陽性反応が出ても、入院にこぎつけられるのは100人に3人程度という狭き門だ。会見で岸田は「感染者数は昨年夏の4倍だが、重症病床は十分に余力がある」と胸を張ったが、ここまで入院条件を引き締めればベッドが空くのも当然。まるで医療崩壊をごまかす「隠蔽」策で、自宅療養中の容体急変で死者が増えても知らんぷりだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。

 「高齢者の3回目接種が進まないのは、副反応や交互接種への不安があるのに、この問題でも岸田首相はまともな情報発信すらしない。会見自体が1カ月半ぶりで、事前に決められた代表社以外の質問を受けたのは実に2カ月ぶり。就任以来、ぶらさがり会見に60回以上応じていると強調しますが、『検討』ばかりで満足に答えない。コロナ対策の陣頭指揮にあたる当事者意識が希薄で、後手と場当たりの繰り返し。夏の参院選を前に『リスクを取らない』ことを優先させたあまり、陥ってしまった深刻な事態を矮小化し、逃げの姿勢ばかりが目立ちます」

 結局、岸田にはコロナに立ち向かい、国民の命と暮らしを守る気概などどこにもないのだ。

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2月17日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月17日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「一体、自宅死は何人なのか この国の出す数字は全て怪しい」

 警察庁の発表によれば、今年1月、新型コロナに感染し、医療機関以外の自宅などで体調が急に悪化して亡くなった人は151人に上ったという。昨年12月の3人から激増だ。

 死因はコロナ感染症と肺炎などによる病死が115人、事故などが30人で、6人は未確定。年代別では80代が51人と最も多いが、決して高齢者ばかりではない。40代(11人)、50代(13人)、60代(16人)も亡くなっている。

 「感染拡大で自宅療養者が増え、治療が間に合わずに亡くなる人がこれだけ多くいるとすれば、これが医療崩壊でなくて何なのでしょう。医療に適切にアクセスできれば救えた命があるのです。この国の政治は何度、同じ過ちを繰り返せば気が済むのか。オミクロン株は重症化率が低いからと、楽観論にのっとって対策を怠ってきた政府の責任は重大です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

■「救急搬送困難事案」も増加

 総務省消防庁は15日、患者の搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」が13日までの1週間に全国52の消防で計5740件あったと発表。前週から271件増え、5週連続で過去最多を更新している。

 コロナ新規感染者数はピークアウトの兆しがあるが、遅行指標の重症者数や死者数はこれからさらに増えるとみられる。自宅療養者はコロナの症状だけでなく、体調が急変しても、すぐに治療を受けられないかもしれないという不安と恐怖も背負わされるのである。

 「国民の命や健康を軽視する姿勢は、岸田政権になっても変わらないことがハッキリしました。首相の自慢は『聞く力』だと言いますが、話を聞くだけで、自助を強いるのです。政府が何をしていいのか分からず、投げやりになっているようにも見える。なるべく入院させないようにする政府方針の危うさは、自宅死の急増に表れているのに、大マスコミの反応は鈍い。国民の命を守らない不真面目な政治に対し、もっと怒りをぶつけて追及するべきです」(五十嵐仁氏=前出)

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2月13日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月13日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「大メディアでは片隅 経済安保室長更迭やテレ朝社長辞任劇」

■民主主義の根幹を揺るがす問題もスルー

 「安倍政権以降の大メディアは、政権のスキャンダルはなるべく報じないという忖度体質が骨の髄まで染み込んでいるように感じます。経済安保官僚のスキャンダルもそうだし、同じく10日発売の月刊『文芸春秋』では自民党京都府連の組織的な選挙買収も報じられた。広島の河井夫妻の事件と同じで、組織的にやっている方が悪質とも言えるのに、テレビメディアはまったくこの問題を騒ぎ立てず、五輪と首都圏の大雪情報に明け暮れていました。民主主義の根幹を揺るがす問題をスルーしてしまうのだから、感覚が麻痺しているとしか思えない。大メディアはもはやジャーナリズムとしての存在意義を失っています」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 10日の衆院予算委員会では、「文芸春秋」の記事が事実かどうか、かつて府連会長を務めていた二之湯国家公安委員長が質問される場面もあった。

 二之湯は「府連が国会議員から寄付を受け、府議と市議に政治活動資金として配布したのは事実」と認め、しかし「個々の議員の選挙活動に使ってくださいということではない」と、買収の意図は否定。カネは配ったが買収ではないというのだ。

 公共放送がデマを流せば影響は甚大だ。NHKの他のドキュメンタリー番組の信用性も毀損しかねない。放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は10日、「放送倫理違反の疑いがあり、放送に至った経緯などについて詳しく検証する必要がある」として審議入りを決定したが、総務省は動かないのか?

 NHKの言い分を垂れ流して「誤った字幕」と報じる新聞メディアもどうかしている。悪気はなかったというストーリーにみんなで加担して、波風立てないようにしているのなら、社会の公器たる矜持を投げ捨てたも同然だ。

 「テロップ捏造のNHK番組は、東京五輪に反対する人は悪だという偏見からスタートしている。コロナ感染拡大による国民の不安を無視して五輪を推し進めた政権と一体化しているとも言えます。他の大メディアもこぞって五輪スポンサーになっていましたから、東京五輪の批判などできないのでしょう」(五十嵐仁氏=前出)

 飼いならされたメディアは、政権の広報機関に成り下がって恥ずかしくないのか。社内の権力闘争にウツツを抜かしている場合ではないはずだ。


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2月11日(金) 『しんぶん赤旗』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『しんぶん赤旗』2月11日付に掲載されたものです。〕

 シリーズ維新の会 その実像は
 自公の悪政 右からけん引
 軍拡・改憲・歴史修正主義…

 「戦争する国」づくりの問題をめぐっては、自公政権以上に〝右翼的立場〟から悪政をけん引する役割を果たしています。

 敵基地攻撃

 特徴としてあらわれているのが軍拡です。維新は、基本政策に「領域内阻止能力(敵基地攻撃能力)の構築について、積極的な検討を進める」と明記。加えて「防衛費のGDP(国内総生産)1%枠を撤廃し、テロやサイバー・宇宙空間への防衛体制を更に強化する」と主張するなど際限ない軍拡路線をむき出しにしています。
 馬場氏は、国会やテレビ番組でも「もはや台湾有事は『いつ起きるか』という次元」(1月20日の衆院本会議)と危機感をあおり、「抑止力として反撃する能力をもつことは絶対に必要だ」(1月9日のNHK「日曜討論」)と公言。「台湾有事は日本有事、すなわち日米同盟の危機に直結する」などと安倍晋三元首相と同様のフレーズを振りかざしながら、相手を殲滅(せんめつ)する全面戦争に道を開こうとしています。
 五十嵐仁法政大学名誉教授は、「維新は『現状打破』『改革姿勢』をアピールすることで補完勢力としての本質を隠しています。その危険性は翼賛体制を引っ張り、誤った方向へ世論を誘導していく『けん引役』です」と指摘。「北朝鮮のミサイル実験や米朝対立を背景にした台湾有事の危険性などが指摘される中で、国民に安全保障への不安が広がっています。維新はこうした不安に乗ずる形でさらに危機感をあおり、戦争へ結びつく危険な道に国民を誘導しています」と強調しました。

 憲法審要求

 憲法審査会をめぐっては、自民党中心の「与党側」の幹事懇談会に、維新も参加し、憲法審の毎週開催を主張しています。本会議の代表質問では、「安倍元首相が在任中、2020年までの施行という期限を示して国民的な議論を促したように…」と言いながら、岸田首相に対し、「(改憲の)具体的スケジュールを明示し、憲法審での精力的な議論をリードしていくべきだ」(馬場氏、1月20日)と迫りました。ここでも安倍氏と同様の主張で早期改憲をあおっています。
 五十嵐氏は、「軍拡と連動した改憲を狙う『右側』からの支持を引き付けているのが維新です」と語ります。
 2日の衆院予算委員会では、山本剛正衆院議員が日教組の教育研究集会での憲法教育にかかわるリポートを取り上げ、「意図的に子どもたちに護憲を浸透させようと各地で授業を進めている」と名指しで攻撃。「総理はご自身の任期中に憲法改正の実現を目指しているが、間違った教育が(によって)、憲法を国民の手に取り戻すことができない、遠ざかってしまっているという認識はあるか」などと迫り、改憲という政治的意図をもって、教育内容に不当な圧力を加える異常な姿もあらわにしています。

 歴史を偽る

 歴史問題でも保守系団体の主張を代弁するかのような姿勢です。「佐渡(さど)島の金山」(新潟県)の世界文化遺産の推薦をめぐり、松井一郎代表は「夕刊フジ」の連載(3日)の中で、「一時は『推薦見送り方針を検討』と報じられたが、地元や自民党保守派の反発を受けて、岸田首相が『聞く力』を発揮した。これは当然のことだ」と発言。戦時に佐渡金山で朝鮮人の強制労働が行われていたことは、自治体の公的な歴史文書にも記されている歴史的事実にもかかわらず、松井氏は「『強制労働』とはいえない」と主張し、保守系団体と同じように政権をつきあげています。
 維新はこれまでも「慰安婦」問題への旧日本軍の関与を認めて謝罪した「河野談話」を「虚構まみれの作文だ」(馬場氏、21年12月9日、衆院本会議)などと否定し、被害者を侮辱する歴史修正主義発言を繰り返しています。
 五十嵐氏は、「自民党でも言わないような極端な発言を平気でできるのが維新です。そうした本質を丁寧に明らかにすることが必要」だと強調。「一方で、野党は、国民の不満や不安の原因を根本的に解決するための正しい出口を示すことが求められます」と語りました。


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2月10日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月10日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「コロナ経済無策の元凶 岸田首相はなぜ、官僚としか会わないのか」

■尾身会長ら専門家は2、3回

 WHO(世界保健機関)が新たな変異株を「オミクロン株」と命名し、「懸念される変異株」に指定したのは昨年11月26日だった。岸田政権が全世界からの外国人の新規入国を原則禁止した30日、国内で感染者が初めて確認された。それから2カ月あまり、新聞各紙の首相動静を見ると、面会相手は閣僚、事務方、自民党関係者などがズラリ。民間人となれば陳情が大半で、尾身会長ら政府お抱えの専門家ですら2、3回程度。

 オミクロン株の上陸前に感染再拡大に備えた取り組みの「全体像」を公表できたことで満足し、タカをくくっていたのか。「ワクチン-検査-治療薬」の流れで感染を抑えつつ、感染力が2倍のウイルスが出現して再拡大を招いても医療提供体制を整えるとしていたが、懸念通りの絵に描いた餅だった。

 爆発的な感染拡大で全国の新規感染者数は10万人超え。医療はみるみる逼迫し、重症化しづらい若者には受診控えを要請。検査キットも不足し、検査ナシで医師が診断する「みなし陽性」ばかりか、検査も受診もしない「自主療養」まで推奨され、国民皆保険制度はぶっ壊された。岸田が想定していた「最悪の事態」はエイヤの棄民政策だったのか。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「岸田首相は『聞くだけ』の人。政治的理念も信念もなく、ハッキリとした目標もない。自分の考えややりたいことがなければ、解決策を探って専門家に助言を求める必要もない。そりゃあ、閣僚や事務方からの報告に耳を傾けるだけになるでしょう。この非常事態にあって、首相恒例の年頭記者会見以来、1カ月以上も会見を開かないのもトップリーダーとしては考えられない。危機的状況を国民と共有し、乗り越えようという意思がまるでうかがえません。国民に説明したいこともなければ、質問に答える自信もなく、逃げているのでしょう」


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2月6日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月6日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「空しいテレビ局の盛り上げ報道 冬季五輪また札幌など「悪い冗談」」

 それにしても、昨年夏の2020東京五輪も異常な大会だったが、この北京五輪も異例ずくめだ。チケットの一般販売も見送ってしまった。東京五輪よりも厳格な“バブル方式”が採られ、選手と市民が接触する機会はゼロ。選手同士の親交の場であるはずの選手村でも、食事は天井から機械経由で届き、個食を強いられるという。

 しかも、大会に政府関係者を送らない「外交ボイコット」が相次ぐなど、欧米と中国の対立が持ち込まれ、中国もアメリカも、公然とオリンピックを“政治利用”する始末だ。現地に祝祭ムードは、ほとんどないという。いったい、どこが“平和の祭典”なのか。

 ところが、案の定、日本の大手メディアは、「特別な舞台 限界の先へ」などと、はやくも“お祭り騒ぎ”なのだから、どうしようもない。NHKも昨夜7時30分から「開会式直前スペシャル」を大々的に放送し、9時からスタートした開会式を完全生中継してみせた。この調子では、大手メディアが最終日まで「日本人選手、またメダル獲得です」と大騒ぎするのは目に見えている。大事なニュースも後回しにされてしまうのではないか。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「日本メディアの最大の問題は、もともとオリンピックに対して中立ではないということです。東京五輪の時は、スポンサーにまでなっていた。とくにテレビ局にとって五輪は、視聴率を稼げる重要なコンテンツなのでしょう。だから、少しでも盛り上げたい。
 でも、そろそろメディアは、オリンピックの在り方について議論すべきです。中国が国威発揚に使い、欧米が政治利用し、IOCがチャイナマネーを目当てにしている北京五輪は、五輪の在り方を考える格好のテキストになるはずです」

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2月5日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月5日付に掲載されたものです。〕

*記事「小池都政いきなり緊急事態宣言に“高いハードル”の悪知恵 裏に透ける「収束は自分の手柄」」

■たった3週間で基準変更、都民は何を信じれば?

 まさか、判断基準そのものを変更し、宣言要請を先送りするという悪知恵を働かせるとは……。この禁じ手は、都民の健康を守るリーダーの責任放棄にほかならない。

 「先月13日の基準提示から、たった3週間で改めれば都民は何を信じればいいのか。どうせ新基準を満たせば、また次の基準を示すに違いないとの不信を招くだけ。基準引き上げは、深刻化する事態を軽んじる空気を生みかねません。小池知事は社会経済活動の継続に頑張っているというポーズを優先させている印象で、都民の命は置き去りです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 3日の都のモニタリング会議で、専門家は「このままの水準で増加した場合、7日間平均は1週間後に2万4756人になる」と推計した。今回の新基準には、あえて宣言要請を後ろにずらし、結果的に発令のタイミングがピークに合えば、「収束は自分の手柄」とする小池知事の卑しい魂胆も垣間見える。

 2年前の都知事選直前にレインボーブリッジを真っ赤に染めたきり、ウヤムヤにした「東京アラート」以来、小池知事が打ち出す感染拡大基準はデタラメの連続だ。

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2月2日(水) 政治を変えよう!「市民と野党の共闘」で [挨拶]

〔以下の挨拶は、本来であれば本日の夕刻、中野ゼロホールで開催される予定だった「革新都政をつくる会呼びかけ人会議」の集会で行うはずだったものです。この集会では、小林節慶応義塾大学名誉教が講演され、野党共闘に加わる立憲民主党や共産党、社民党など各党代表が出席する予定で、私は呼びかけ人を代表して開会の挨拶をすることになっていました。しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大したため、残念ながら中止のやむなきに至りました。せっかく集会に向けて準備したのに無駄になってしまいましたので、「幻の開会挨拶」をここにアップさせていただきます。〕

 ただ今から「政治を変えよう!「市民と野党の共闘」で 2・2大集会」を開会いたします。集会の開会に当たり、ひとことご挨拶させていただきます。

 政治を変えるためには、野党の強化と共闘が欠かせません。しかし、昨年の総選挙の総括をめぐって、野党の弱体化と分断を狙う言説が繰り返されております。

 例えば、野党共闘は効果がなかったという批判です。しかし、甘利明自民党幹事長を落選させて辞任に追い込み、東京5区で現職大臣を落とし、東京8区で石原元幹事長を蹴落とすことができたのは、野党が共闘して統一候補を立てたからではありませんか。東京での野党共闘は小選挙区で4から8議席へ、比例代表を含めて10から15議席へと大きな効果を発揮しました。参院選でも共闘を維持することでしか勝利できないことは明らかです。

 野党共闘に対しては「野合」批判もあります。しかし、野党は6柱20項目の政策合意を明らかにして選挙を闘いました。これに対して、自公政権は一度としてこのような合意を明らかにしたことがありません。だからこそ、選挙が終わってから子供への一人10万円支給問題で大混乱したのです。大阪での維新と公明の住み分けは、政策合意がないどころか与党と野党によるもので、典型的な野合ではありませんか。維新と組んで政権が変わっても、新自由主義に基づくタカ派政権ですから後ろに退く「政権後退」にすぎません。

 「限定的な閣外協力」についても十分な理解が得られなかったという批判があります。しかし、このような協力はすでに始まっていました。岸田新政権発足に際して、野党4党は立憲の枝野代表の名前を書きました。もし総選挙で多数になっていれば、首班指名で枝野さんの名前を書き、合意した政策について法案成立のために協力したはずです。このような協力なしに、連合政権の樹立も存続も不可能です。先ほど発足したチリの左翼政権では閣僚の半数以上が女性で、官房長官になったのはチリ共産党の女性議員でした。

 選挙が終わってからも、「野党は批判ばかり」という悪口雑言が荒れ狂いました。実際には批判ばかりしているわけではありませんが、批判しなかったら野党ではありません。三権分立の行政府に対する立法府のチェックを実質的に担っているのは野党です。このような批判は野党の牙を抜いて「虎を猫に」変えようとする陰謀にほかなりません。寅年なのに猫になってどうするのですか。三権分立が形骸化し、議会制民主主義も崩壊してしまいます。

 今の国会で、岸田首相は日本防衛のために「あらゆる選択肢を排除しない」と繰り返し、敵基地攻撃能力の保有や改憲に積極的な姿勢を示しています。これも大きな間違いです。戦争に繋がり憲法に違反する選択肢は、きっぱりと排除しなければならないからです。

 他方で、北朝鮮のミサイル実験に対しては傍観するばかりで、緊張緩和に向けてお手上げの状態です。一時的な制裁緩和も視野に入れながら、米朝両国に対話を呼びかけるという選択肢が排除されているからです。外交と交渉によって問題を解決するという憲法9条の精神にそった働きかけこそが求められているのではないでしょうか。

 岸田首相は宏池会出身というハトの仮面をかぶったタカにほかなりません。この岸田首相の化けの皮をはがして改憲を阻止し、野党の弱体化と分断を図る「悪魔の囁き」に惑わされず、野党共闘を再建・強化して7月の参院選で勝利することが今年の課題です。本日の集会が、このような課題達成に向けての出発点になることを願って、開会の挨拶に代えたいと思います。最後までのご協力をお願いいたします。

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