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2月10日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月10日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「コロナ経済無策の元凶 岸田首相はなぜ、官僚としか会わないのか」

■尾身会長ら専門家は2、3回

 WHO(世界保健機関)が新たな変異株を「オミクロン株」と命名し、「懸念される変異株」に指定したのは昨年11月26日だった。岸田政権が全世界からの外国人の新規入国を原則禁止した30日、国内で感染者が初めて確認された。それから2カ月あまり、新聞各紙の首相動静を見ると、面会相手は閣僚、事務方、自民党関係者などがズラリ。民間人となれば陳情が大半で、尾身会長ら政府お抱えの専門家ですら2、3回程度。

 オミクロン株の上陸前に感染再拡大に備えた取り組みの「全体像」を公表できたことで満足し、タカをくくっていたのか。「ワクチン-検査-治療薬」の流れで感染を抑えつつ、感染力が2倍のウイルスが出現して再拡大を招いても医療提供体制を整えるとしていたが、懸念通りの絵に描いた餅だった。

 爆発的な感染拡大で全国の新規感染者数は10万人超え。医療はみるみる逼迫し、重症化しづらい若者には受診控えを要請。検査キットも不足し、検査ナシで医師が診断する「みなし陽性」ばかりか、検査も受診もしない「自主療養」まで推奨され、国民皆保険制度はぶっ壊された。岸田が想定していた「最悪の事態」はエイヤの棄民政策だったのか。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「岸田首相は『聞くだけ』の人。政治的理念も信念もなく、ハッキリとした目標もない。自分の考えややりたいことがなければ、解決策を探って専門家に助言を求める必要もない。そりゃあ、閣僚や事務方からの報告に耳を傾けるだけになるでしょう。この非常事態にあって、首相恒例の年頭記者会見以来、1カ月以上も会見を開かないのもトップリーダーとしては考えられない。危機的状況を国民と共有し、乗り越えようという意思がまるでうかがえません。国民に説明したいこともなければ、質問に答える自信もなく、逃げているのでしょう」


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