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2月17日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月17日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「一体、自宅死は何人なのか この国の出す数字は全て怪しい」

 警察庁の発表によれば、今年1月、新型コロナに感染し、医療機関以外の自宅などで体調が急に悪化して亡くなった人は151人に上ったという。昨年12月の3人から激増だ。

 死因はコロナ感染症と肺炎などによる病死が115人、事故などが30人で、6人は未確定。年代別では80代が51人と最も多いが、決して高齢者ばかりではない。40代(11人)、50代(13人)、60代(16人)も亡くなっている。

 「感染拡大で自宅療養者が増え、治療が間に合わずに亡くなる人がこれだけ多くいるとすれば、これが医療崩壊でなくて何なのでしょう。医療に適切にアクセスできれば救えた命があるのです。この国の政治は何度、同じ過ちを繰り返せば気が済むのか。オミクロン株は重症化率が低いからと、楽観論にのっとって対策を怠ってきた政府の責任は重大です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

■「救急搬送困難事案」も増加

 総務省消防庁は15日、患者の搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」が13日までの1週間に全国52の消防で計5740件あったと発表。前週から271件増え、5週連続で過去最多を更新している。

 コロナ新規感染者数はピークアウトの兆しがあるが、遅行指標の重症者数や死者数はこれからさらに増えるとみられる。自宅療養者はコロナの症状だけでなく、体調が急変しても、すぐに治療を受けられないかもしれないという不安と恐怖も背負わされるのである。

 「国民の命や健康を軽視する姿勢は、岸田政権になっても変わらないことがハッキリしました。首相の自慢は『聞く力』だと言いますが、話を聞くだけで、自助を強いるのです。政府が何をしていいのか分からず、投げやりになっているようにも見える。なるべく入院させないようにする政府方針の危うさは、自宅死の急増に表れているのに、大マスコミの反応は鈍い。国民の命を守らない不真面目な政治に対し、もっと怒りをぶつけて追及するべきです」(五十嵐仁氏=前出)

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