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2月22日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月22日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「何が「出口戦略」だ 死者数急増に岸田政権は打つ手なし」

■国民にも広がる楽観バイアス

 WHO(世界保健機関)がオミクロン株を「懸念される変異株」(VOC)に指定すると、岸田は外国人の入国原則禁止を打ち出し、「G7で最も厳しい水準」とやたら胸を張っていたが、在日米軍が大穴となり、感染が急拡大。にもかかわらず、強化措置はダラダラ延長され、活動停滞に経済界はイラ立ち、事実上の留学生受け入れ拒否に国際的な非難を浴びていた。与党からも「国としての損失にもつながりかねない問題」(公明党の山口代表)と詰め寄られる始末。

 水際緩和の実態は「歩み」とは程遠い「居直り」。オミクロン死者急増に岸田政権は打つ手なし。「出口戦略」なんて寝言じゃないのか。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「焦るあまりに楽観論を振りまき、対応を誤り、『出口』が先送りになる。政府は同じ過ちを何度繰り返すつもりなのか。この国のコロナ対策の最も大きな問題は政府に真摯な姿勢が見えず、後手後手の泥縄が常態化し、逃げに終始していることです。非常時における決定的な局面において、トップリーダーがことごとくメッセージ発信を不得手としているのも、この国の不幸が続く要因でしょう。岸田首相が『出口』に言及する前から国民の意識は緩んでいるように見えますし、重点措置が31都道府県で適用中にもかかわらず、緊張感を欠いている。ワクチンの3回目接種が遅々として進まないのも、国民の楽観バイアスが強まっているからでしょう」

 実際、国内感染者の減少ペースは鈍い。参考になるのが、7日間平均の新規感染者数だ。8日にピークを迎えたとされる東京都はその後の7日間で18%減。一方、米ニューヨーク市のマンハッタン地区はピーク後7日間で52%減、南アフリカの最大都市ヨハネスブルクを抱えるハウテン州では7割も減少したという。激減を左右する要因のひとつとみられるのが、3回目のワクチン接種率だ。欧米と比べ、日本は致命的に遅れている。


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