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3月19日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月19日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「戦争に便乗 この地震大国で原発再稼働という“恐怖と狂気”」

 ロシアによるウクライナ侵攻でも、原発の潜在的リスクが浮き彫りになっている。ロシア軍はチェルノブイリ原発を占拠。送電線が切断されて電力供給が止まったという報道には背筋が凍る思いがしたものだ。南東部にあるザポロジエ原発も占拠され、砲撃による火災も起きた。

 原子炉6基を擁するザポロジエ原発は、出力600万キロワットで欧州最大の規模だ。では、世界最大はどこかというと、日本にある。新潟県の柏崎市、刈羽村にまたがる東京電力柏崎刈羽原発は、7基の出力が計820万キロワットを超える世界最大の原発だ。

 「ロシアとウクライナの戦争の最中に、東北地方で大きな地震が発生し、日本は常に原発の危険と隣り合わせなのだという事実をあらためて突きつけられました。原発は、いざ戦争になれば攻撃対象にもなる。電源喪失の可能性もあり、二重、三重の危険性を抱えている。この地震大国で、海岸沿いにズラリと原発が並ぶことに恐怖を覚えるなら分かるが、何が何でも再稼働に突き進もうとする自民党政権は、とても正気とは思えません。それもウクライナ危機に便乗する形で、この機会に一気に再稼働を進めてしまおうとしているから悪質です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 すでに自民党だけではなく、日本維新の会や国民民主党もエネルギー価格高騰の対策として、再稼働を訴えている。

■防衛費倍増より再エネと食料自給自足

 「東日本大震災での福島原発事故を経験した直後から、再生可能エネルギーに大きく舵を切っていれば、まったく状況は違ったでしょう。エネルギーの地産地消で、脱炭素にもなる。戦争など他国の事情に左右されずに国内で電力を賄える体制が整っていれば、今のような苦境には陥っていなかった。ところが、原発を温存したい経産省は再エネの普及を邪魔してきたし、原子力ムラとズブズブの自民党もスキあらば再稼働を狙っている。しかし、ウクライナ危機で原発のリスクがはっきり分かった以上、エネルギー安全保障を考えれば、再エネによる自給自足は喫緊の課題です」(五十嵐仁氏=前出)


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