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6月10日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月10日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「全ての病根は自民党 野蛮な国のハレンチ政治とハレンチ議長」

■ルールを守らず反則ありの自民党政治

 衆院議長という重責の自覚が欠如しているのか、もともと国会議員としての資質がないのかはともかく、細田のセクハラ疑惑が示しているのは、落ちるところまで落ちた今の日本の政治の劣化、国会を愚弄している与党の姿勢、権力の横暴──の表れだということだ。

 第2次安倍政権誕生以降、国会審議は形骸化し、嘘とゴマカシのオンパレード。歴代内閣が積み上げてきた法解釈を何の議論もないまま反故にし、閣議決定を乱発してやりたい放題。少数政党の意見にはまるで耳を貸さず、審議時間だけを費やしたら強行採決してシャンシャンという独裁。

 憲法の規定に基づき、野党が臨時国会の召集を求めても無視し続け、あろうことか総理大臣が国会で118回も嘘をつく。「説明責任は私にある」「真摯に説明を尽くす姿勢が大事」とか言いながら口先だけで何もしない。そんな破廉恥政権をメディアはロクに批判もせず、提灯報道で嘘と詭弁を垂れ流す。

 ワイドショー番組の中には「野党は批判ばかりだから支持が集まらない」などと、エラソーに解説しているコメンテーターもいるが、野党が苦戦を強いられているのは批判ばかりではなく、今の与党がメチャクチャだから。国会をスポーツに例えれば、安倍政権以降の自民党は試合のルールすら守らず、勝つためなら反則も当たり前。その上、審判も抱き込んでいるのだから、ルールにのっとって戦う野党が太刀打ちできる状況ではないのだ。

 ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、国内では「無法者のプーチンを止めろ」といった声が出ているが、プーチンを止める前に、同じように無法者の政権、すべての病根である自民党を止める方が先だろう。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「安倍政権以降、加速している政権、与党の国会軽視の動きが、今の細田議長のセクハラ疑惑につながっていると言っても過言ではないでしょう。つまり、国会に対する権威や信頼など、どうでもいいという今の政権、与党の驕り高ぶりの表れ。全く冗談ではありません」

 ハレンチ政治とハレンチ議長。この国の政治情勢は悪化する一方だ。


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