7月4日(月) 日本共産党への「4つの期待」 [参院選]
6月28日付の『しんぶん赤旗』に「共産党ここに期待」として私の談話が掲載され、6月30日のこのブログにもアップさせていただきました。「今こそ〝ソフトパワー〟」という見出しでの談話でしたが、それは私が語った「期待」のほんの一部にすぎません。
インタビューされたときに述べた内容について、この場を借りて補足させていただきたいと思います。それは端的に言えば以下のような「4つの期待」というものです。
第1は、壊れ始めている日本を救い、立て直してほしいということです。今の日本はすでに様々な面で壊れてきているからです。
壊してきたのは歴代の自公政権ですが、それが急速に進んだのは第2次安倍政権のときからでした。いくつか例示すれば、消費税の8%から10%への引き上げによる家計の破壊、新型コロナウイルス感染への無策による健康の破壊、最近の急激な物価高による生活の破壊、そしてアベノミクスの下で進行した賃金停滞・年金削減による収入の破壊などがあり、安倍政権の下で次々に露呈したモラルの崩壊と政治・行政の私物化も目に余るものがありました。
これらにストップをかけ、立て直すことはもはや待ったなしの急務となっています。アベノミクスと新自由主義に対する追及の先頭に立ち、消費税の減税、最賃1500円、内部留保への課税など「やさしく強い経済」の実現に向けて具体的な政策を掲げている日本共産党に、大きな期待を寄せたいと思います。
第2は、大軍拡・改憲にストップをかけ、憲法9条と日本の安全を守ってほしいということです。ロシアによるウクライナ侵略という惨事に便乗した軍拡志向の大合唱に対して、防衛費の増額に反対し、東アジアにおける平和外交のビジョンを掲げているのは日本共産党だけになってしまったからです。
周辺諸国や国際社会から見れば、日本は戦争でも始める気なのかと疑われるようなキナ臭い好戦的雰囲気が高まっています。そのようなとき、軍拡と9条改憲に反対し、外交と対話による緊張の緩和を主張している共産党の存在は貴重です。
赤旗の取材でもソフトパワーの重要性について話しましたが、結成以来侵略戦争と植民地支配に命がけで反対し、100年の時を経た現在も反戦・平和を求めている日本共産党は、その存在自体が周辺諸国の敵意を減らし信頼を確保するためのソフトパワーの一つにほかなりません。日本に対する国際社会の懸念と疑念を和らげる役割を果たしている共産党の存在と役割は、これまで以上に大きなものになっているというべきでしょう。
第3は、時代錯誤の逆行を阻み、日本が世界と時代の流れに合流するようにしてほしいということです。この点でも植民地支配に反対して自由と民主的な権利を求め続けてきた共産党の歴史とその発言は大きな価値を持ち、一段と輝きを増すにちがいありません。
アメリカでの人種差別反対やBLM運動の展開などに触発され、世界的に奴隷貿易と侵略戦争、植民地支配という負の歴史を直視し、その汚点を拭い去るための見直しが進んでいます。ところが日本では、このような負の歴史から目を背けるばかりか、正当化するための「歴史戦」が叫ばれ、同じアメリカの同盟国である韓国とさえギクシャクした関係になっています。
このような近隣諸国との不正常な関係を正し、北朝鮮や中国を含めた不和の解消と緊張緩和、友好的な国際関係を確立することが必要ですが、そのような展望とビジョンを打ち出しているのも共産党だけです。環境危機の解決とジェンダー平等の実現、脱原発と再生可能エネルギーへの転換、国連の核兵器禁止条約の批准と締約国会議への参加などの国際的な流れに合流することを掲げている共産党こそ、歴史こそ古いものの時代の最先端を行く政党ではないでしょうか。
そして第4に、与党にすり寄る翼賛化ではなく野党としての本来の在り方を示し、野党共闘を立て直してほしいということです。「野党は批判ばかり」という批判を恐れて一部野党が与党に接近し翼賛化を強めているなかで、まともな野党の存在と共闘への誠意ある対応がますます重要になってきているからです。
昨年の総選挙以降、維新の会は自民党以上の極右・タカ派路線を強め、国民民主党は当初予算に賛成して不信任案に反対し、連合に揺さぶられて動揺した立憲民主党も提案路線を打ち出すなど野党としてのあり方が問われる事態が続出した結果、参院選に向けての野党共闘も一部にとどまりました。野党の翼賛化が強まったために政府に対する国会のチェック機能は弱まり、議会制民主主義の空洞化も進行しています。
このような状況を打開するためには、国民連合政権の提唱以降、野党共闘の要石・推進力としての役割を果たしてきた共産党が、野党内での発言力を強めるしかありません。安倍元首相の桜を見る会前夜祭の疑惑の解明など、その調査力と追及力は実証済みで、このような政党こそ本来の野党としての姿を示すことができるのではないでしょうか。
このままでは日本は滅びると、危機感を強めています。それを阻止するのが、今度の参院選の最大の意義です。まだ一週間近くの時間が残されていますから、有権者の皆さんが熟慮され誤りのない選択をされることを大いに期待したいと思います。
1998年の参院選では、選挙前に楽勝すると見らていた自民党が橋本首相の恒久減税をめぐる発言の揺れなどもあって大敗し、選挙後に橋本首相は辞任に追い込まれました。今回の参院選でも、自民党の茂木幹事長が「消費税減税なら年金は3割カットだ」という恫喝発言で怒りを買っており、同じような歴史が繰り返されないとも限りません。
オーストラリアやフランスの総選挙では、物価高騰への批判が高まり与党が敗北しています。この世界の流れに、ぜひ日本も加わってほしいと願っています。
インタビューされたときに述べた内容について、この場を借りて補足させていただきたいと思います。それは端的に言えば以下のような「4つの期待」というものです。
第1は、壊れ始めている日本を救い、立て直してほしいということです。今の日本はすでに様々な面で壊れてきているからです。
壊してきたのは歴代の自公政権ですが、それが急速に進んだのは第2次安倍政権のときからでした。いくつか例示すれば、消費税の8%から10%への引き上げによる家計の破壊、新型コロナウイルス感染への無策による健康の破壊、最近の急激な物価高による生活の破壊、そしてアベノミクスの下で進行した賃金停滞・年金削減による収入の破壊などがあり、安倍政権の下で次々に露呈したモラルの崩壊と政治・行政の私物化も目に余るものがありました。
これらにストップをかけ、立て直すことはもはや待ったなしの急務となっています。アベノミクスと新自由主義に対する追及の先頭に立ち、消費税の減税、最賃1500円、内部留保への課税など「やさしく強い経済」の実現に向けて具体的な政策を掲げている日本共産党に、大きな期待を寄せたいと思います。
第2は、大軍拡・改憲にストップをかけ、憲法9条と日本の安全を守ってほしいということです。ロシアによるウクライナ侵略という惨事に便乗した軍拡志向の大合唱に対して、防衛費の増額に反対し、東アジアにおける平和外交のビジョンを掲げているのは日本共産党だけになってしまったからです。
周辺諸国や国際社会から見れば、日本は戦争でも始める気なのかと疑われるようなキナ臭い好戦的雰囲気が高まっています。そのようなとき、軍拡と9条改憲に反対し、外交と対話による緊張の緩和を主張している共産党の存在は貴重です。
赤旗の取材でもソフトパワーの重要性について話しましたが、結成以来侵略戦争と植民地支配に命がけで反対し、100年の時を経た現在も反戦・平和を求めている日本共産党は、その存在自体が周辺諸国の敵意を減らし信頼を確保するためのソフトパワーの一つにほかなりません。日本に対する国際社会の懸念と疑念を和らげる役割を果たしている共産党の存在と役割は、これまで以上に大きなものになっているというべきでしょう。
第3は、時代錯誤の逆行を阻み、日本が世界と時代の流れに合流するようにしてほしいということです。この点でも植民地支配に反対して自由と民主的な権利を求め続けてきた共産党の歴史とその発言は大きな価値を持ち、一段と輝きを増すにちがいありません。
アメリカでの人種差別反対やBLM運動の展開などに触発され、世界的に奴隷貿易と侵略戦争、植民地支配という負の歴史を直視し、その汚点を拭い去るための見直しが進んでいます。ところが日本では、このような負の歴史から目を背けるばかりか、正当化するための「歴史戦」が叫ばれ、同じアメリカの同盟国である韓国とさえギクシャクした関係になっています。
このような近隣諸国との不正常な関係を正し、北朝鮮や中国を含めた不和の解消と緊張緩和、友好的な国際関係を確立することが必要ですが、そのような展望とビジョンを打ち出しているのも共産党だけです。環境危機の解決とジェンダー平等の実現、脱原発と再生可能エネルギーへの転換、国連の核兵器禁止条約の批准と締約国会議への参加などの国際的な流れに合流することを掲げている共産党こそ、歴史こそ古いものの時代の最先端を行く政党ではないでしょうか。
そして第4に、与党にすり寄る翼賛化ではなく野党としての本来の在り方を示し、野党共闘を立て直してほしいということです。「野党は批判ばかり」という批判を恐れて一部野党が与党に接近し翼賛化を強めているなかで、まともな野党の存在と共闘への誠意ある対応がますます重要になってきているからです。
昨年の総選挙以降、維新の会は自民党以上の極右・タカ派路線を強め、国民民主党は当初予算に賛成して不信任案に反対し、連合に揺さぶられて動揺した立憲民主党も提案路線を打ち出すなど野党としてのあり方が問われる事態が続出した結果、参院選に向けての野党共闘も一部にとどまりました。野党の翼賛化が強まったために政府に対する国会のチェック機能は弱まり、議会制民主主義の空洞化も進行しています。
このような状況を打開するためには、国民連合政権の提唱以降、野党共闘の要石・推進力としての役割を果たしてきた共産党が、野党内での発言力を強めるしかありません。安倍元首相の桜を見る会前夜祭の疑惑の解明など、その調査力と追及力は実証済みで、このような政党こそ本来の野党としての姿を示すことができるのではないでしょうか。
このままでは日本は滅びると、危機感を強めています。それを阻止するのが、今度の参院選の最大の意義です。まだ一週間近くの時間が残されていますから、有権者の皆さんが熟慮され誤りのない選択をされることを大いに期待したいと思います。
1998年の参院選では、選挙前に楽勝すると見らていた自民党が橋本首相の恒久減税をめぐる発言の揺れなどもあって大敗し、選挙後に橋本首相は辞任に追い込まれました。今回の参院選でも、自民党の茂木幹事長が「消費税減税なら年金は3割カットだ」という恫喝発言で怒りを買っており、同じような歴史が繰り返されないとも限りません。
オーストラリアやフランスの総選挙では、物価高騰への批判が高まり与党が敗北しています。この世界の流れに、ぜひ日本も加わってほしいと願っています。
2022-07-04 06:32
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