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7月24日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月24日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「ずさんな検証、繰り返される場当たり 人災コロナ第7波に国民の怒りと悲鳴」

■なぜこの2年間の失敗に学ばない

 日本がコロナに襲われてから2年も経つのに、岸田はこの間、何を学んできたのか。安倍政権も、菅政権も、感染の大波が起こるたびに慌てふためき、対策が後手に回っていたが、岸田も同じ失敗を繰り返している。

 最悪なのは、過去の失敗の検証さえしようとしないことだ。

 過去2年間のコロナ対策を検証した「新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議」は、いい加減の極みだった。わずか1カ月で報告書をまとめたため、中身はスカスカ。関係者へのヒアリングはたった2回しか行わなかった。キーマンである新型コロナ対策分科会の尾身会長への聴取はわずか7分間である。安倍元首相と菅前首相にも話を聞いていない。これでどうやって過去の失敗を検証するのか。

 この2年間で海外はコロナへの対応を大きく変えている。欧米諸国でも感染は拡大しているが、多くの国民がマスクをつけずに過ごしている。感染しても簡単に医療にアクセスできる安心感が背景にあるという。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「欧米各国はこの2年間から学び、対策を充実させてきたのでしょう。ところが、日本は過去の教訓に学ばず医療体制の整備を怠ってきたわけです。日本にも欧米に劣らない質の高い医療がある。にもかかわらず、また医療逼迫を招いているのは、行政のマネジメントができていない証拠です。岸田政権は何もしていないのも同然でしょう」

 結局、岸田がやっているコロナ対策はただの“神頼み”に過ぎない。第7波が落ち着いても、また同じ過ちを犯すに違いない。ご自慢の「岸田ノート」には、何も書いてこなかったのではないか。


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