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9月7日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』9月7日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「それでも国葬は強行するのか 薄汚い五輪招致も安倍氏の大罪」

 薄汚れた五輪の中心にいたのが、安倍元首相だったのは間違いない。そもそも、原発汚染水が漏れ続けていたのに「アンダーコントロール」と世界中に嘘をついて招致したのが安倍だった。マリオの扮装までして大ハシャギし、さながら東京五輪は「アベノオリンピック」だった。

 安倍本人が五輪利権に手を染めていたのかどうかは不明だが、東京五輪が“汚職の祭典”になることは分かっていたはずだ。なにしろ、大会の運営には末端の警備やアルバイトまで含めて莫大な経費がかかり、カネが動く。当然、そこに利権が生まれることを、知らなかったはずがない。

 「安倍さんが五輪を招致したのは、延命と政権維持、レガシーづくりと、いくつも思惑があったはずです。あわよくば五輪開催に乗じて改憲までやろうとしていた。思惑は別にしても、東京五輪が利権の巣窟になることは承知していたはずです。疑問なのは、利権に群がる連中の動きに本当に気づかなかったのか、ということです。ひょっとして黙認し、自分が目を光らせている限り、東京地検も手を出せないと考えていたのではないか。実際、もし安倍さんが生きていたら、東京地検は手を出せなかった可能性があります」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 生前、安倍は高橋と面識があり、贈賄で逮捕されたAOKIの創業者、青木拡憲容疑者(83)とも親しかったという。一緒にゴルフをし、公邸にも招き、13~17年の5年間に8回も会っていた。

 政権トップに就いていた8年間、安倍はバレなければ何をやってもいい、バレてもごまかし、開き直り、嘘をつけばいいという態度だった。とうとう、官僚は公文書まで改ざんするようになってしまった。

 ここまでモラルが失われれば、東京五輪がカネにまみれ、五輪フィクサーが跋扈するのも、当然の帰結だったのではないか。

 「安倍政権の大きな問題は、権力の私物化、行政の私物化だったと思う。“モリカケ桜”も、根っこにあったのは権力の私物化です。安倍夫人が名誉校長をつとめる森友学園に国有地をダンピングして売却し、“腹心の友”である加計学園のトップを優遇し、税金で運営されていた“桜を見る会”に地元の後援者を大勢、招いていた。安倍政権以前、ここまで権力を私物化した政権はなかった。さらに、法的な根拠がなくても閣議決定で決めてしまい、野党から国会開会を要求されても無視し続けた。まさに、やりたい放題、やったもの勝ちという態度だった。こうなると、安倍さんの周囲にいた人たちも、モラルを失い、同じように振る舞うようになっておかしくない。安倍さんの責任は大きいですよ。それでも岸田首相は“安倍国葬”を強行するのでしょうか」(五十嵐仁氏=前出)

 安倍と統一教会との関係が明らかになり、「国葬反対」の声はどんどん大きくなっている。東京五輪の実態が明らかになれば、さらに反対が強まるのは間違いない。岸田はどうするつもりなのか。

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