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11月5日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』11月5日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「大メディアも全面協力か 迷走岸田政権、敵基地攻撃だけは着々」

 3日午前7時39分ごろに北朝鮮からミサイルが発射されたとして、政府は7時50分に「Jアラート」を出したが、午前8時になって「7時48分ごろ、宮城県、山形県、新潟県の上空を飛翔し、通過したとみられる」と発表。ミサイルが通過した2分後にアラートを発出していたわけだ。

 さらにその後、午前9時ごろには浜田防衛相が「ミサイルは日本列島を越えず、日本海上空で消失したことが確認された」として、情報を訂正。実際には日本の上空を通過してはいなかった。いやはや、ミサイルが「消えた」ってどういうことなのか。

 韓国軍の分析によれば、最初のミサイルは新型ICBM「火星17」で、2段目を分離した後、正常に飛行できず、日本海に落下したと推定されるという。日本政府はいつ独自の分析結果を発表するのだろうか。

 今回のミサイル発射で日本国内の被害情報は確認されていないが、東北・上越・北陸新幹線の一部区間のほか、宮城、山形、新潟各県の在来線が一時運転を見合わせた。漁業関係者にも影響が出た。

 「ハッキリしたのは、捕捉もマトモにできない日本の防空システムでは、ミサイルを撃たれたら防ぎようがないということです。日本列島を越えるかどうかも分からない体制で、迎撃などできるわけがない。自民党議員の間では、先方がミサイルを撃つ前に叩くという勇ましい声が大きくなっていますが、荒唐無稽ですよ。

 攻撃着手をどう察知するのか。どこへ向かって撃つかも分からないまま先制攻撃すれば、国際法違反だし、戦争になってしまう。発射させない努力こそが必要なのです。具体的には政治や外交の力であり、米朝会談や南北会談の時には北朝鮮も挑発行為を自重していた。そういう場をつくり、対話に引っ張り出すことが重要なのに、政府や大メディアがことさら危機をあおって、日本が敵基地攻撃能力を保有する方向に進んでいることが心配です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)


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11月2日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ11月2日付に掲載されたものです。〕

*記事「岸田首相には致命的…内閣不支持理由「指導力がない」増加で短命だった菅政権に酷似」

「何がしたいのかわからない」

 国会で118回もの虚偽答弁をするなど「人柄が信頼できない」安倍元首相だったが、憲法改正や安保法制、アベノミクスなど、その是非は別として「これをやりたい」という明確な方向性はあった。菅前首相は、就任直後にトップダウンで「携帯電話料金引き下げ」を決断するなどしたが、新型コロナ対応が後手に回り、世論に「指導力なし」と判断された。

 「岸田首相の場合は、何をやりたいのか、何を目指しているのかよくわからない、ということでしょう。『新しい資本主義』で新自由主義から転換するのかと思ったが、結局、これまでの経済政策を続けている。安倍氏がいなくなっても、自らの目指す方向性を出さない。平時ならまだしも、円安物価高など大変な時に不適任です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 岸田首相について「何がしたいのかわからない」という声は、自民党議員を含む永田町のあちらこちらからも聞こえてくる。

 「そのくせ国葬や 内閣改造前倒しなど決断力を見せると、ことごとく裏目に出る。どうせなら、『統一教会問題で徹底的に膿を出す』『アベノミクスと決別する』など、最大派閥の安倍派を敵に回すくらいのことをして指導力を発揮した方が、支持率が上がると思いますけど」(野党議員)

 指導力のないリーダー。外交・経済・内政と危機の時代に、一国の首相としては致命的だ。


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