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11月8日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』11月8日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「とことん国民を舐めている自民党 山際の「形だけ謝罪」「復権」が象徴だ」

■瀬戸際めぐる狂気の三拍子

 責任政党を名乗るのであれば、山際を閣外に追い出すと同時に議員辞職を迫るのが筋だろう。ところが、いまだ国会に対しても、国民に対しても説明の任を果たさない山際を要職にあてがうのが岸田自民だ。事実上の更迭からわずか4日で、党の新型コロナウイルス等感染症対策本部長に抜擢。岸田は国会で「経歴や経験を踏まえ、総合的に判断した」と答弁していたが、岸田政権発足以降は党高政低だ。不祥事を起こした事業会社の役員が持ち株会社の役員にスライドしたようなものである。資料を1年で廃棄し、記憶障害を頻発する男に国民の命と暮らしに直結する問題を任せる感覚はマトモじゃない。支持率はダダ下がりだ。政権寄りの読売新聞の世論調査(4~6日実施)でも、内閣発足以降最低の36%に下落。前回10月調査から9ポイントも落ち込み、不支持率は4ポイント上昇して50%に達した。

 そうした中、厚顔無恥の山際は5日、地元の川崎市高津区で支援組織の役員を集めて一連の不祥事について謝罪。約2時間、非公開で行われた説明会では統一教会との関係について「当時は教団の人とは分からなかったが、名簿を精査したらいた。きっぱり縁を切らせてもらった」などと釈明し、「社会にも党にも迷惑をかけた。初心に返って一生懸命やる」と詫びたという。バッジを外し、「一から出直す」と言わないあたり、往生際の悪さは当代随一と言っていい。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「岸田首相も、自民党も、山際議員も狂っている。山際議員の処遇は政府・自民党が民意とかけ離れていることを象徴しています。議員辞職してしかるべき人物が形式的な謝罪で居座り、党はそれをいさめないどころか、重要ポストに就けるのだから呆れます。本来、教団によって人生を狂わせられた人たちに罪滅ぼしに励まなくてはならないところでしょう。岸田首相は〈丁寧に説明する〉と言って頭を低くしている間に、批判の矢が頭上を通り過ぎるとタカをくくっているのでしょう」


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