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1月11日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』1月11日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「「お願い」だけで賃上げが実現するのか 岸田首相の口から出まかせ」

 賃金が上がらない理由もハッキリしている。賃金が低い水準にある非正規雇用の増加だ。

 85年に約2割だった非正規労働者の割合は、直近の21年では4割近くまで上昇している。国税庁の「民間給与実態統計調査」によれば、21年の正社員の年間平均給与508万円に対し、正社員以外は198万円。正社員の約39%の水準に過ぎない。

 最大の転換点は05年の小泉政権による規制の大幅緩和だ。それまで禁じられてきた製造業での非正規雇用を全面解禁。企業は正社員の採用を大幅に抑え、非正規雇用を増やしていったのだ。労働法制に詳しい法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「この間、雇用政策は全般にわたって使用者への便宜に終始し、働く人の立場は無視された。日銀のインフレ政策を放置し、金融緩和のせいで預貯金に利息もつかない。国内市場の購買力低下は当然で、500兆円超の企業の内部留保という“死に金”が積み上がっただけ。このカネを市場に吐き出させて景気を刺激しなければ賃金は上がりません。年頭会見で『新自由主義的発想から脱却』と口にした以上、岸田首相は過去30年間の政策と決別し、減税など真逆の方針を掲げるしかない」

 それなのに、亡国首相は防衛費拡大や異次元の少子化対策の財源を巡り、増税をにおわせる。賃上げムードに水を浴びせながら、賃上げを迫る支離滅裂だ。口から出まかせも、いい加減にして欲しい。

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