SSブログ

2月1日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月1日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「子どもをダシに票集め とことん信用できない口先・場当たり自民党」

■「子育ては家庭でなされるべき」

 2010年当時、子ども手当を批判する自民党は、こんな政策を掲げていた。

 <民主党政権には「自助」の考えが欠如しています>

 <自民党の進める政策は、「自ら努力する人を、国が応援する」ことが基本であり、子育ても、一義的には家庭でなされるべきものです>

 <民主党は「子どもを社会全体で育てる」ことを第一義とし、家庭における子育てを軽視しており、私たちと考え方が大きく違います>

 つまり、社会全体で子どもを育てるという民主党政権の理念は間違っている、子育ては各家庭の自助で行うべきだと主張していたのだ。

 「世の中の価値観は変わっているのに、女性は家庭に入って子育てをするべきだという伝統的な家族観を重視して、女性の権利を抑圧してきたのが歴代自民党政権です。女性が子育てをしながら働きやすい社会制度を整備することも、社会全体で子育てを分かち合うことも拒否して、家庭の問題に押し込めてきた。その結果、取り返しのつかない事態になってしまったのではないですか。口先だけの反省ではなく、自民党的な考え方を根本的に考え直さなければ、少子化問題は解決しないでしょう」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 岸田政権は少子化対策の一環と言って4月から「出産育児一時金」を増額することを決めたが、それで出産費用を引き上げるクリニックが続出では家庭には何の恩恵もない。児童手当の所得制限撤廃も、塾などの教育産業が価格をつり上げるインセンティブになるだけではないのか。結局、自民党の政策は利権がらみでしかない。

 「そもそも、具体策は今の通常国会が終わる6月にまとめると言っている時点で、この政権が少子化対策に本気ではないことが分かります。バラマキをにおわせて、春の統一地方選を優位に進めようという計算でしょう。子育て政策が有権者にウケると思って、支持率アップ狙いで言っているだけなのです。待ったなしの最優先課題と言うのなら、今国会で進めるべきではないですか」(五十嵐仁氏=前出)

 防衛費倍増もそうだが、子どもをダシにすれば増税も受け入れられるという計算もあるのだろう。

 育児休暇中のリスキリングとかとんちんかんなことを言って子育ての苦労と無縁なことがバレた岸田首相と、とことん人望がない幹事長。打算で動く連中が言う「異次元の少子化対策」は、とことん信用ならない。


nice!(0)