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2月11日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月11日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「統一教会、日本会議とズブズブ 自民党保守派の正体と家族観」

 伝統的家族観を堅持しようとしているのは、右派組織「日本会議」も同様だ。200人近い自民党議員が議員連盟に名を連ねている。あの森友学園の幼稚園児が「教育勅語」を暗唱していたが、籠池泰典理事長は日本会議のメンバーだった。

 さらには、自民党の全国会議員の7割弱が議連に参加する「神道政治連盟」の存在。昨夏の参院選直前に「同性愛は精神の障害、または依存症」などと差別的な記載のある冊子を議員に配っていたことが分かっている。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「もともと自民党は、統一教会や日本会議と『反共』『改憲』『マイノリティー蔑視』などの考え方で共通している。自民党の強固な支持基盤であり、それを一層強めようとしたのが第2次安倍政権時代です。中でも統一教会とは、岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と3代にわたる付き合いがあり、信頼関係の下、結びつきが強まった。そうした中、自民党内で保守派の存在感が、どんどん大きくなっていったのです」

■世界から完全に置いてけぼり

 民主党政権下で一時的に業界団体が自民党から離れた際、自民党は選挙で宗教団体を頼みの綱とし、右傾化が加速した側面もある。そして、安倍政権でますます宗教団体との関係が深まり、党内のリベラル派は苦い顔をしつつも、安倍に服従。アナクロ家族観が自民党の“主流”になってしまったのだ。

 その間、世界は多様性と人権を重視して、さまざまな法整備が進んだ。いまやG7各国に限らず、33の国・地域で同性婚が認められている。女性を家制度に閉じ込め、ジェンダー平等から目を背ける自民党の価値観の古さは際立っている。

 立憲民主党がいま、安倍政権時代の「失われた10年」を検証しているが、少子化を悪化させ、経済成長を阻み、賃金を上昇させられなかったのは、教育勅語を礼賛し、家族主義を標榜するような政治を続けてきた末路なのではないか。この10年で、日本は完全に、世界から置いてけぼりにされてしまった。

 「失われた10年ではなく、『ぶっ壊された10年』ですよ。日本はいまはGDPで世界3位ですが、今年中にも人口8000万人のドイツに逆転されそうです。岸田首相もいつまで古い安倍路線を続けるんですか」(五十嵐仁氏=前出)

 ちょっとだけ「寄り添うふり」は国民愚弄政党の常套手段だ。リベラルな宏池会の領袖のくせに、自らの保身と政権維持のために党内保守派の顔色ばかりうかがい続ける岸田は、亡国の首相と言わずして、何と言う。

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