3月14日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]
〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月14日付に掲載されたものです。〕
*巻頭特集「次から次へとデタラメ発覚 側近のチンピラを重用、国民を舐めていた安倍政治」
■アベ政治にからめとられた自民党では絶望的
つまるところ、親分がチンピラだから子分にも同類が集まる。安倍政権で官房副長官だった世耕弘成参院幹事長のアベノミクスをめぐる最近の発言もチンピラ同然だ。
日銀の黒田東彦総裁が推し進めた「異次元緩和」について、日銀前総裁の白川方明氏が「壮大な金融実験」と批判したことに噛みつき、「まずご自身の時代をしっかり総括していただきたい」とドーカツした一件のことである。
その世耕と安倍派の跡目争いをしている萩生田光一政調会長も安倍政権時代の官房副長官であり、党の役職でも総裁特別補佐を務めた。思い返せば萩生田こそ、選挙報道で政治的公平を事細かに求めるペーパーを出して放送局に圧力をかけた張本人である。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「『類は友を呼ぶ』という格言通りの政権でした。社会を分断して、敵をつくって攻撃。丁寧な手続きを軽視して、強権的に政策を遂行。そして、嘘もつき続ければ、真実になると考えている。そんな手法のとんでもない政権でした。ハト派の宏池会の岸田首相は、本来、安倍氏とは異なる方向性が出せるはずなのに、安倍氏なきアベ政治にからめとられた自民党には、もはや振り子の論理が働かない。安倍氏に乗っ取られた自民党は、多様性や柔軟性を失い、硬直化してしまいました」
安倍がいなくなったことで、安倍政権のデタラメの数々が改めて暴かれる。よくもまあこんな政権が8年も続いたものだ。
アベ政治と決別できない自民党政権では、この国は決して良くならない。
*巻頭特集「次から次へとデタラメ発覚 側近のチンピラを重用、国民を舐めていた安倍政治」
■アベ政治にからめとられた自民党では絶望的
つまるところ、親分がチンピラだから子分にも同類が集まる。安倍政権で官房副長官だった世耕弘成参院幹事長のアベノミクスをめぐる最近の発言もチンピラ同然だ。
日銀の黒田東彦総裁が推し進めた「異次元緩和」について、日銀前総裁の白川方明氏が「壮大な金融実験」と批判したことに噛みつき、「まずご自身の時代をしっかり総括していただきたい」とドーカツした一件のことである。
その世耕と安倍派の跡目争いをしている萩生田光一政調会長も安倍政権時代の官房副長官であり、党の役職でも総裁特別補佐を務めた。思い返せば萩生田こそ、選挙報道で政治的公平を事細かに求めるペーパーを出して放送局に圧力をかけた張本人である。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「『類は友を呼ぶ』という格言通りの政権でした。社会を分断して、敵をつくって攻撃。丁寧な手続きを軽視して、強権的に政策を遂行。そして、嘘もつき続ければ、真実になると考えている。そんな手法のとんでもない政権でした。ハト派の宏池会の岸田首相は、本来、安倍氏とは異なる方向性が出せるはずなのに、安倍氏なきアベ政治にからめとられた自民党には、もはや振り子の論理が働かない。安倍氏に乗っ取られた自民党は、多様性や柔軟性を失い、硬直化してしまいました」
安倍がいなくなったことで、安倍政権のデタラメの数々が改めて暴かれる。よくもまあこんな政権が8年も続いたものだ。
アベ政治と決別できない自民党政権では、この国は決して良くならない。
2023-03-14 10:48
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3月12日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]
〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月12日付に掲載されたものです。〕
*巻頭特集「物価対策も一時しのぎ 自民党政権ではいつまでたってもゼロ成長」
まさに、出口ナシの八方ふさがりだ。今年1月の実質賃金は前年同月比4.1%減。1月としては過去最大の減少幅で、賃金の伸びが歴史的な物価上昇にちっとも追いつきそうにない庶民にすれば、踏んだり蹴ったりだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。
「この10年で日本は『賃金の上がらない国』に成り果てただけではありません。国際人材競争力ランキングは世界39位、昨年の貿易赤字は19.9兆円と過去最大。H3ロケット打ち上げは失敗続きと技術開発力にも暗雲が垂れ込めています。アベノミクスの大罪を数え上げればキリがないのに、岸田政権は金融緩和を継続。安倍政権を支えた保守の岩盤支持層や、最大派閥・安倍派の離反を恐れ、安倍路線の呪縛から抜け出せない。防衛・安保や原発政策などは、むしろ安倍路線を強化しています。かつての『振り子の理論』による政策の揺り戻しは、もはや自民党には期待できません。この国の閉塞感は強まるいっぽうです」
自民党政権に任せていたら、いつまでたってもゼロ成長が続くだけだ。
*巻頭特集「物価対策も一時しのぎ 自民党政権ではいつまでたってもゼロ成長」
まさに、出口ナシの八方ふさがりだ。今年1月の実質賃金は前年同月比4.1%減。1月としては過去最大の減少幅で、賃金の伸びが歴史的な物価上昇にちっとも追いつきそうにない庶民にすれば、踏んだり蹴ったりだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。
「この10年で日本は『賃金の上がらない国』に成り果てただけではありません。国際人材競争力ランキングは世界39位、昨年の貿易赤字は19.9兆円と過去最大。H3ロケット打ち上げは失敗続きと技術開発力にも暗雲が垂れ込めています。アベノミクスの大罪を数え上げればキリがないのに、岸田政権は金融緩和を継続。安倍政権を支えた保守の岩盤支持層や、最大派閥・安倍派の離反を恐れ、安倍路線の呪縛から抜け出せない。防衛・安保や原発政策などは、むしろ安倍路線を強化しています。かつての『振り子の理論』による政策の揺り戻しは、もはや自民党には期待できません。この国の閉塞感は強まるいっぽうです」
自民党政権に任せていたら、いつまでたってもゼロ成長が続くだけだ。
2023-03-12 06:23
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3月10日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]
〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月10付に掲載されたものです。〕
*巻頭特集「高市大臣をクビにできない岸田首相も同じムジナ 当事者の証人喚問以外なし」
従来、総務省は、放送法に基づく「政治的公平」について「一つの番組でなく、放送事業者の番組全体を見て判断する」との見解を示していた。ところが、16年公表の政府見解で「一つ一つの番組を見て全体を判断するのは当然」とガラッと変わってしまった。この解釈変更でテレビ局が萎縮したのは間違いない。
そもそも、TBSの「サンデーモーニング」など、気に入らない番組を取り締まることが目的だったのだから、言論弾圧もいいところだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「公文書を見れば、安倍官邸が特定の番組を敵視し、潰しにかかろうともくろんでいたのは明らかです。そんな官邸の思惑に乗っかって、当時の高市総務相は『電波停止』にまで言及し、その結果、テレビ局は萎縮してしまった。政権に批判的なコメンテーターは続々と降板し、逆に政府の意向を垂れ流すだけのコメンテーターばかりが出演するようになっています」
かつては「消えた年金問題」など、野党議員が政府の失政を追及する番組がいくつもあった。ところが、いつの間にかそんな番組は消え、いまや与党議員だけが出演する番組だらけになっている。
高市大臣や、当時、総務省にしつこく働きかけていた礒崎陽輔元首相補佐官、さらに「公文書」に記載のある総務官僚を一人残らず、ウソをつけば偽証罪に問われる可能性がある証人喚問すべきだ。
この10年間、安倍官邸の圧力に屈して忖度報道を続けてきた大メディアも、今回ばかりはスルーは許されない。
「安倍政権発足前は、骨のあるコメンテーターがテレビで活躍し、大新聞も政府の失政を厳しく追及していました。ところが、この10年ですっかり大メディアは骨抜きにされてしまった。今回の“捏造”問題はジャーナリズムの真価が問われる重大局面です。ある意味、健全なジャーナリズムを取り戻す大きなチャンスです。ここで引いたら、危機的な状況になってしまいますよ」(五十嵐仁氏=前出)
今こそ、アベ政治の膿を出し切る時だ。
*巻頭特集「高市大臣をクビにできない岸田首相も同じムジナ 当事者の証人喚問以外なし」
従来、総務省は、放送法に基づく「政治的公平」について「一つの番組でなく、放送事業者の番組全体を見て判断する」との見解を示していた。ところが、16年公表の政府見解で「一つ一つの番組を見て全体を判断するのは当然」とガラッと変わってしまった。この解釈変更でテレビ局が萎縮したのは間違いない。
そもそも、TBSの「サンデーモーニング」など、気に入らない番組を取り締まることが目的だったのだから、言論弾圧もいいところだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「公文書を見れば、安倍官邸が特定の番組を敵視し、潰しにかかろうともくろんでいたのは明らかです。そんな官邸の思惑に乗っかって、当時の高市総務相は『電波停止』にまで言及し、その結果、テレビ局は萎縮してしまった。政権に批判的なコメンテーターは続々と降板し、逆に政府の意向を垂れ流すだけのコメンテーターばかりが出演するようになっています」
かつては「消えた年金問題」など、野党議員が政府の失政を追及する番組がいくつもあった。ところが、いつの間にかそんな番組は消え、いまや与党議員だけが出演する番組だらけになっている。
高市大臣や、当時、総務省にしつこく働きかけていた礒崎陽輔元首相補佐官、さらに「公文書」に記載のある総務官僚を一人残らず、ウソをつけば偽証罪に問われる可能性がある証人喚問すべきだ。
この10年間、安倍官邸の圧力に屈して忖度報道を続けてきた大メディアも、今回ばかりはスルーは許されない。
「安倍政権発足前は、骨のあるコメンテーターがテレビで活躍し、大新聞も政府の失政を厳しく追及していました。ところが、この10年ですっかり大メディアは骨抜きにされてしまった。今回の“捏造”問題はジャーナリズムの真価が問われる重大局面です。ある意味、健全なジャーナリズムを取り戻す大きなチャンスです。ここで引いたら、危機的な状況になってしまいますよ」(五十嵐仁氏=前出)
今こそ、アベ政治の膿を出し切る時だ。
2023-03-10 06:39
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3月5日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]
〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月5日付に掲載されたものです。〕
*巻頭特集「メディア恫喝政権の釈明も怪しい 放送法めぐる内部文書大騒動」
野党議員が、政府が最大400発購入する米国製巡航ミサイル「トマホーク」の“ポンコツ”ぶりを暴き、中小零細企業の息の根を止めかねない「インボイス制度」の問題点を指摘しても、ほとんど報じようとしない。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「安倍政権の10年間で、大メディアはすっかり牙を抜かれてしまった。最悪なのは、『ムチ』を打たれる一方、幹部が総理と共に会食するなど『アメ』を与えられ、いいようにコントロールされていることです。岸田政権でも、防衛費倍増のための有識者会議のメンバーに大新聞の幹部が名を連ねていた。欧米メディアでは考えられないことです」
立憲民主党の小西議員が入手した総務省の「内部文書」は、政権が倒れてもおかしくない超ド級の文書だ。松本総務相は「総務省作成の資料であるかどうかの回答は控える」などと、文書の真贋について、回答を避けているが、大手メディアは絶対にこの「内部文書」の真贋をウヤムヤにしてはいけない。
「大メディアにとって、この『内部文書』の真贋は、自らの報道姿勢に関わる問題なのだから、徹底的に検証すべきです。このまま『内部文書』の真贋がウヤムヤになれば、いずれこの問題は立ち消えになってしまうでしょう。そうなれば、得するのは岸田自民です」(五十嵐仁氏=前出)
小西議員は過去、鋭い質問で大臣を立ち往生させてきた論客だ。しかも、総務省の出身である。総務省の文書は見慣れているはずだ。「内部文書」が本物かどうか、かつての同僚官僚にも確認しているに違いない。礒崎元首相補佐官は共同通信の取材に「(担当局長らとの間で)政治的公平の解釈について意見交換したのは事実だ」と認めている。ウヤムヤのまま終わらせることは許されない。
*巻頭特集「メディア恫喝政権の釈明も怪しい 放送法めぐる内部文書大騒動」
野党議員が、政府が最大400発購入する米国製巡航ミサイル「トマホーク」の“ポンコツ”ぶりを暴き、中小零細企業の息の根を止めかねない「インボイス制度」の問題点を指摘しても、ほとんど報じようとしない。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「安倍政権の10年間で、大メディアはすっかり牙を抜かれてしまった。最悪なのは、『ムチ』を打たれる一方、幹部が総理と共に会食するなど『アメ』を与えられ、いいようにコントロールされていることです。岸田政権でも、防衛費倍増のための有識者会議のメンバーに大新聞の幹部が名を連ねていた。欧米メディアでは考えられないことです」
立憲民主党の小西議員が入手した総務省の「内部文書」は、政権が倒れてもおかしくない超ド級の文書だ。松本総務相は「総務省作成の資料であるかどうかの回答は控える」などと、文書の真贋について、回答を避けているが、大手メディアは絶対にこの「内部文書」の真贋をウヤムヤにしてはいけない。
「大メディアにとって、この『内部文書』の真贋は、自らの報道姿勢に関わる問題なのだから、徹底的に検証すべきです。このまま『内部文書』の真贋がウヤムヤになれば、いずれこの問題は立ち消えになってしまうでしょう。そうなれば、得するのは岸田自民です」(五十嵐仁氏=前出)
小西議員は過去、鋭い質問で大臣を立ち往生させてきた論客だ。しかも、総務省の出身である。総務省の文書は見慣れているはずだ。「内部文書」が本物かどうか、かつての同僚官僚にも確認しているに違いない。礒崎元首相補佐官は共同通信の取材に「(担当局長らとの間で)政治的公平の解釈について意見交換したのは事実だ」と認めている。ウヤムヤのまま終わらせることは許されない。
2023-03-05 06:49
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