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3月30日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月29日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「戦争回避よりも準備に加速 見えてきた岸田首相の危険な正体」

 日経新聞とテレビ東京の世論調査(24~26日実施)では支持率は48%。前回2月調査と比べ、5ポイント上昇した。不支持率は5ポイント減の44%で、7カ月ぶりに支持が不支持を上回った。日経は〈首相のウクライナ訪問や日韓首脳会談などが支持率を押し上げた〉と解説しているが、ホンマかいな、である。

 停戦に向けた知恵を出すでもなく、汗をかいたわけでもない。持ち回りのG7議長国にめぐり合わせたのをいいことに、地元・広島にサミットを引っ張ったものの、1人だけキーウ入りしていないのは格好がつかないからと、泡を食って押しかけたのが真相だ。

 日露戦争とゆかりのある広島の名産「必勝しゃもじ」を贈呈されたゼレンスキー大統領はその話題に一切言及せず、ロシア人にとって屈辱の歴史を蒸し返されたプーチン大統領は怒り狂っている。「Youは何しにウクライナへ?」とにじり寄らなければおかしい。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「日本は戦争放棄をうたう憲法9条を掲げているのですから、戦地入りしない選択肢はありますし、国際社会の理解も得られたでしょう。岸田首相がキーウ訪問を断行したことで、平和国家としての日本のあり方をアピールする絶好の機会をフイにした。そればかりでなく、世界最大の軍事同盟のNATO(北大西洋条約機構)と同じ立場に立つことを鮮明にしてしまったと言っていい」

 ハト派のふりをした「安倍晋三」。「岸田文雄」の食えない正体が見えてきた。米国の意向を丸のみした安保3文書を手土産に訪米した岸田は、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際関係大学院(SAIS)で高揚感たっぷりに講演し、「吉田茂元首相による日米安保条約の締結、岸信介元首相による安保条約の改定、安倍晋三元首相による平和安全法制の策定に続き、歴史上最も重要な決定のひとつであると確信している」と自画自賛していたものだ。

 「安倍路線の深掘りは紛争にコミットするリスクを増大させ、平和国家として歩んできた日本のありようを変えてしまう」

(五十嵐仁氏=前出)

 第2次安倍政権で放送法の政治的公平をめぐる解釈が変更され、言論統制が強まった。結果、テレビ局などの大手メディアは骨抜きにされ、岸田の危険な本質は国民になかなか伝わらない。

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3月29日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月28日付に掲載されたものです。〕

*記事「自民・茂木幹事長が街頭演説で「少子化対策」ズラリ…ミエミエ選挙対策もショボさ異次元」

 政府のたたき台には、児童手当の所得制限撤廃などとともに、子どもの医療費を助成する自治体独自の取り組みを後押しする方針も盛り込まれる方向。実は、小学生以上を対象に医療費を無償化する自治体が増えているが、現状、国はそうした自治体に対し、医療費抑制などを理由に補助金を減額している。そこで、今後は補助金を減額せず、自治体を後押しする、ということらしい。

 これには、先進的な子育て政策で名を上げた泉房穂明石市長がこうツイート。

 <地方への“嫌がらせ”をやめるだけで何の後押しでもない。「子ども医療費の18歳までの所得制限なしでの完全無料化」ぐらい、国が全国一律ですぐやればいいのに…>

■理念なく並べ、財源は後回し

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「少子化対策は自治体や収入などの区別なく、誰もが享受できるユニバーサルなものであるべきです。小出しにエサをばらまくような選挙対策は、一番やってはいけないこと。国民が甘く見られています」

 ショボい対策を、あれやこれやと理念なく並べるだけ。それでいて財源は後回し。

 無責任ぶりも異次元だ。



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3月26日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月26日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「選挙前に税金私物化 抜本策ではなくバラマキの姑息と無責任」

 もちろん、「少子化対策」も「物価高対策」も必要だろう。しかし、“選挙目当て”の弥縫策に、どこまで効果があるのか。

 「少子化対策も物価高対策も、抜本策が必要なのに、自民党が打ち出しているのは一時的な対症療法ばかりです。はたして、低所得者が5万円をもらったからといって、もう一人、子どもを産もうと考えるでしょうか」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

■「予備費」を使ってやりたい放題

 しかも、2兆円の財源は、国会に諮ることなく、閣議決定だけで支出できる「予備費」を使うというのだから度し難い。

 もし、本気で「少子化対策」と「物価高対策」を必要だと考えているなら、正々堂々、補正予算を組んで国会で成立させればいいではないか。日本国憲法も、政府が税金の使い方を勝手に決められないように、予算については、国会での事前の審議と決議を求めている。なぜ「予備費」を使うのか。

 本来「予備費」は、災害対策費など、緊急に支出が必要になった時に使うものだ。新型コロナ前は、規模も年3000億~5000億円程度だった。ところが、使い勝手のよさに味をしめた自民党政権は、額を膨らませ、22年度は9兆8600億円も計上している。どうせ最初から、税金を私物化し、統一地方選前にバラまくつもりだったのだろう。

 いったい、岸田首相は、なにがやりたくて総理になったのか。やっていることは、どれもこれも目先の“選挙対策”ばかりではないか。

 「岸田首相は1週間前の17日、唐突に記者会見を開き“子育て政策”を語っています。あれも、一種の選挙対策だったのでしょう。その一方、選挙に悪影響が出るからと、“LGBT理解増進法案”の党内議論を統一地方選後に先送りしている。性的少数者の利益よりも、選挙を優先してしまった。一事が万事、岸田自民党は、この調子です」(五十嵐仁氏=前出)

 岸田自民党が「予備費」を財布にして、税金をバラまこうとしていることは、大新聞テレビも分かっているはずだ。なのに<統一地方選 子育て支援と物価高支援 争点>などと報じているのだから、どうしようもない。いまごろ自民党はニンマリしているのではないか。

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3月24日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [民進党]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月24日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「証人喚問でケリをつけよ 絶体絶命の高市大臣をめぐる国会審議の珍風景」

■今回の外遊だけで約10兆円

 「第2次安倍政権で外相を5年近く務めた岸田首相は外交が得意だと自負しているそうですが、当時の外交は安倍官邸が仕切り、岸田外相は“お飾り”のような存在だった。今やっていることも、安倍元首相を真似て米国追従と海外バラマキを加速させているだけです」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 ウクライナ入りの目くらましに訪問したインドでは、「自由で開かれたインド太平洋」の新たな推進計画として、グローバルサウスと呼ばれる途上国のインフラ支援に官民で750億ドル(約9兆8000億円)以上の資金を投じると表明。昨年、首相就任後初の2国間外交としてインドを訪れた際も、向こう5年間でインドに5兆円を投資すると約束している。インドのモディ首相をG7広島サミットに招待することも決まったが、それが総額15兆円も投じた成果だというのか。

 ウクライナにも追加支援を約束してきた。先月、55億ドル(約7200億円)の財政支援を発表したばかりだが、さらに殺傷能力のない装備支援として3000万ドル(約40億円)を新たに拠出するとゼレンスキー大統領に伝えた。エネルギー分野などで4.7億ドル(約600億円)の追加支援も表明した。

 「今回の外遊だけで10兆円近くもバラまいてきたわけです。それ以外にも、外遊のたびに気前よく大盤振る舞いしてきた。あれだけバラマキ批判された安倍元首相だって、8年間で約60兆円とされるのに、岸田首相の海外バラマキはすでに30兆円に届こうとしている。その原資は税金ですよ。国民生活がこれだけ疲弊しているのに、常軌を逸しています。

 いい人そうな外面にだまされそうになりますが、その内実は安倍元首相より冷酷で悪辣で、国民のことなんて何も考えていない。自分の保身と延命、G7でスポットライトを浴びることしか考えていないのです。高市氏の問題に終始し、いずれ国民に負担を押し付ける海外バラマキや防衛費増額について、今国会の予算委で議論が深まらなかったことは非常に残念です」(五十嵐仁氏=前出)

 意図してのことではないとしても、高市の立ち回りは結果として岸田政権を大いにアシストした。その先に待っているのが増税では、国民は本当にやりきれない。

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3月21日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月21日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「財源も示さず選挙用の打ち上げ花火 増税・防衛費倍増 少子化対策 どっちが本気かは歴然だ」

「ラストチャンス」の大半を防衛費倍増に注力

 「岸田首相は『異次元の少子化対策』だか『次元の異なる少子化対策』だかを華々しく打ち上げたものの、その具体策がサッパリ見えてこないことへの不満が有権者にはある。それで慌てて記者会見してみせたのでしょう。4月の補選や統一地方選を意識したパフォーマンスですよ。だから、児童手当拡充などのバラマキもにおわせた。しかし、子ども・子育て政策の大枠は6月の『骨太の方針』で明らかにするという見切り発車で、具体策や財源は先送りです。本当にやる気があるのかどうか。ありとあらゆる財源をかき集めて強行する防衛費倍増と比べると、本気度の違いは明らかです。岸田政権の子ども・子育て対策はまったく中身がないゴマカシだということをメディアがきちんと伝えないから、“やってる感”だけで支持率が上がるのです」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 岸田政権は今後5年間で総額43兆円を防衛費に投じることを決めた。現行水準からの増額分となる約17兆円の財源には、23年度予算案で4兆6000億~5兆円程度の税外収入を確保。具体的には、外国為替資金特別会計と財政投融資特別会計からの繰入金(約3兆7000億円)、東京・大手町の国有ビル売却収入(約4000億円)、新型コロナウイルス関連予算の返納金(約750億円)などだ。これを複数年度にわたって防衛費に充てる枠組みとして、「防衛力強化資金」を創設する。

 だが、税外収入は本来、一般会計全体で使えるカネのはずだ。それを防衛費に特化することで、他の政策経費に使える財源が減る。当然、子ども・子育て政策にも使えなくなる。

 第2次安倍政権以降、「我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しうんぬん……」が常套句になり、岸田もそう言って防衛費倍増が時代の要請みたいな言い方をするのだが日本の防衛費をNATO並みのGDP比2%にすることに明確な根拠があるわけではない。岸田が勝手に米国のバイデン大統領に約束してきただけのことで、“国際公約”でも何でもないのだ。我が国が直面する少子化対策よりも優先する必要があるのかどうか。

 「日本の国土を狙ってミサイルが飛んで来る可能性がどれだけあるかは分かりませんが、少子化は確実な危機です。岸田首相は、防衛費を倍増、子ども予算も倍増と気前のいいことを言っていますが、どこにそんなカネがあるのか。どのみち増税しか道はなく、ますます国民生活は疲弊する。防衛費倍増に注力することによってミサイル攻撃を受ける前に内側から社会が崩壊してしまいます」(五十嵐仁氏=前出)

 岸田は17日の会見で、「2030年代に入るまでのこれから6年から7年が、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス」と言っていた。だが、今後5年間の防衛費倍増計画にリソースを取られれば、ラストチャンスをフイにしてしまいかねない。ま、岸田の異次元少子化対策なんて、その程度のもの。口先だけということだ。

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3月14日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月14日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「次から次へとデタラメ発覚 側近のチンピラを重用、国民を舐めていた安倍政治」

■アベ政治にからめとられた自民党では絶望的

 つまるところ、親分がチンピラだから子分にも同類が集まる。安倍政権で官房副長官だった世耕弘成参院幹事長のアベノミクスをめぐる最近の発言もチンピラ同然だ。

 日銀の黒田東彦総裁が推し進めた「異次元緩和」について、日銀前総裁の白川方明氏が「壮大な金融実験」と批判したことに噛みつき、「まずご自身の時代をしっかり総括していただきたい」とドーカツした一件のことである。

 その世耕と安倍派の跡目争いをしている萩生田光一政調会長も安倍政権時代の官房副長官であり、党の役職でも総裁特別補佐を務めた。思い返せば萩生田こそ、選挙報道で政治的公平を事細かに求めるペーパーを出して放送局に圧力をかけた張本人である。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「『類は友を呼ぶ』という格言通りの政権でした。社会を分断して、敵をつくって攻撃。丁寧な手続きを軽視して、強権的に政策を遂行。そして、嘘もつき続ければ、真実になると考えている。そんな手法のとんでもない政権でした。ハト派の宏池会の岸田首相は、本来、安倍氏とは異なる方向性が出せるはずなのに、安倍氏なきアベ政治にからめとられた自民党には、もはや振り子の論理が働かない。安倍氏に乗っ取られた自民党は、多様性や柔軟性を失い、硬直化してしまいました」

 安倍がいなくなったことで、安倍政権のデタラメの数々が改めて暴かれる。よくもまあこんな政権が8年も続いたものだ。

 アベ政治と決別できない自民党政権では、この国は決して良くならない。

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3月12日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月12日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「物価対策も一時しのぎ 自民党政権ではいつまでたってもゼロ成長」

 まさに、出口ナシの八方ふさがりだ。今年1月の実質賃金は前年同月比4.1%減。1月としては過去最大の減少幅で、賃金の伸びが歴史的な物価上昇にちっとも追いつきそうにない庶民にすれば、踏んだり蹴ったりだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。

 「この10年で日本は『賃金の上がらない国』に成り果てただけではありません。国際人材競争力ランキングは世界39位、昨年の貿易赤字は19.9兆円と過去最大。H3ロケット打ち上げは失敗続きと技術開発力にも暗雲が垂れ込めています。アベノミクスの大罪を数え上げればキリがないのに、岸田政権は金融緩和を継続。安倍政権を支えた保守の岩盤支持層や、最大派閥・安倍派の離反を恐れ、安倍路線の呪縛から抜け出せない。防衛・安保や原発政策などは、むしろ安倍路線を強化しています。かつての『振り子の理論』による政策の揺り戻しは、もはや自民党には期待できません。この国の閉塞感は強まるいっぽうです」

 自民党政権に任せていたら、いつまでたってもゼロ成長が続くだけだ。


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3月10日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月10付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「高市大臣をクビにできない岸田首相も同じムジナ 当事者の証人喚問以外なし」

 従来、総務省は、放送法に基づく「政治的公平」について「一つの番組でなく、放送事業者の番組全体を見て判断する」との見解を示していた。ところが、16年公表の政府見解で「一つ一つの番組を見て全体を判断するのは当然」とガラッと変わってしまった。この解釈変更でテレビ局が萎縮したのは間違いない。

 そもそも、TBSの「サンデーモーニング」など、気に入らない番組を取り締まることが目的だったのだから、言論弾圧もいいところだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「公文書を見れば、安倍官邸が特定の番組を敵視し、潰しにかかろうともくろんでいたのは明らかです。そんな官邸の思惑に乗っかって、当時の高市総務相は『電波停止』にまで言及し、その結果、テレビ局は萎縮してしまった。政権に批判的なコメンテーターは続々と降板し、逆に政府の意向を垂れ流すだけのコメンテーターばかりが出演するようになっています」

 かつては「消えた年金問題」など、野党議員が政府の失政を追及する番組がいくつもあった。ところが、いつの間にかそんな番組は消え、いまや与党議員だけが出演する番組だらけになっている。

 高市大臣や、当時、総務省にしつこく働きかけていた礒崎陽輔元首相補佐官、さらに「公文書」に記載のある総務官僚を一人残らず、ウソをつけば偽証罪に問われる可能性がある証人喚問すべきだ。

 この10年間、安倍官邸の圧力に屈して忖度報道を続けてきた大メディアも、今回ばかりはスルーは許されない。

 「安倍政権発足前は、骨のあるコメンテーターがテレビで活躍し、大新聞も政府の失政を厳しく追及していました。ところが、この10年ですっかり大メディアは骨抜きにされてしまった。今回の“捏造”問題はジャーナリズムの真価が問われる重大局面です。ある意味、健全なジャーナリズムを取り戻す大きなチャンスです。ここで引いたら、危機的な状況になってしまいますよ」(五十嵐仁氏=前出)

 今こそ、アベ政治の膿を出し切る時だ。


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3月5日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月5日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「メディア恫喝政権の釈明も怪しい 放送法めぐる内部文書大騒動」

 野党議員が、政府が最大400発購入する米国製巡航ミサイル「トマホーク」の“ポンコツ”ぶりを暴き、中小零細企業の息の根を止めかねない「インボイス制度」の問題点を指摘しても、ほとんど報じようとしない。 

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「安倍政権の10年間で、大メディアはすっかり牙を抜かれてしまった。最悪なのは、『ムチ』を打たれる一方、幹部が総理と共に会食するなど『アメ』を与えられ、いいようにコントロールされていることです。岸田政権でも、防衛費倍増のための有識者会議のメンバーに大新聞の幹部が名を連ねていた。欧米メディアでは考えられないことです」

 立憲民主党の小西議員が入手した総務省の「内部文書」は、政権が倒れてもおかしくない超ド級の文書だ。松本総務相は「総務省作成の資料であるかどうかの回答は控える」などと、文書の真贋について、回答を避けているが、大手メディアは絶対にこの「内部文書」の真贋をウヤムヤにしてはいけない。

 「大メディアにとって、この『内部文書』の真贋は、自らの報道姿勢に関わる問題なのだから、徹底的に検証すべきです。このまま『内部文書』の真贋がウヤムヤになれば、いずれこの問題は立ち消えになってしまうでしょう。そうなれば、得するのは岸田自民です」(五十嵐仁氏=前出)

 小西議員は過去、鋭い質問で大臣を立ち往生させてきた論客だ。しかも、総務省の出身である。総務省の文書は見慣れているはずだ。「内部文書」が本物かどうか、かつての同僚官僚にも確認しているに違いない。礒崎元首相補佐官は共同通信の取材に「(担当局長らとの間で)政治的公平の解釈について意見交換したのは事実だ」と認めている。ウヤムヤのまま終わらせることは許されない。


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