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4月4日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月4日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「たたき台のメニューも総花的 少子化放置の自民党が「ラストチャンス」と力む大笑い」

 児童手当の所得制限撤廃や高校卒業までの支給期間延長、多子世帯への支給増額、育児休業給付率の引き上げ、出産費用の保険適用、学校給食の無償化、高等教育費の授業料後払い制度、保育サービスの利用拡大……。あれもこれもと列記してはいるが、果たしてこれのどこが“異次元”なのだろうか。

 「所得制限の撤廃や給食費無償化など、ほとんど野党が訴えてきた政策ばかりです。それを今ごろ出してくるなんて、民主党政権を潰してから自民党政権が少子化対策を10年間も停滞させてきたと言える。そもそも少子化問題は30年前から指摘されていました。それを放置してきたのが歴代自民党政権です。その結果、少子化問題はどうにもならない崖っぷちまで追い込まれてしまった。今回の『たたき台』で示されたような小手先の対症療法では、もはや回避することはできません」(法政大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

■意識改革が最も必要なのが自民党

 子どもを社会全体で育てるとは、どういうことなのか。真剣に考える必要があるが、社会を変える政策の総動員が必要なのだが、家父長制や男尊女卑の枠組みで政策を考えてきた自民党には、時代の変化に応じたドラスチックな少子化対策など期待のしようがない。

 「古くさい家族観、ジェンダー観、差別主義、そして利権まみれの自民党政権では、少子化問題は解決できないでしょう。女性活躍だってお題目で、統一地方選での女性候補擁立は自民党が際立って低く、10%にも満たない。1日に発足した『こども家庭庁』にしても、当初は『こども庁』になるはずだったのに、旧統一教会など宗教右派の影響なのか、後から“家庭”の文字が入った。子どもの問題は家庭に委ねるということで、女性に負担を押し付けることになりかねない。岸田政権の少子化対策は異次元でも何でもないし、従来策に少し色をつけただけの“やってるフリ”です。統一地方選向けのバラマキでしかない。国難の少子化より、目先の選挙が大事なのです。こんな自民党政権に任せていたら、少子化はますます進んで徴税が厳しくなり、国が滅んでしまいますよ。意識変革が最も必要なのが自民党議員なのです。統一地方選では、少しでも痛い目を見せなければなりません」(五十嵐仁氏=前出)

 岸田政権は少子化対策の「たたき台」で2024年度から3年間を「集中取り組み期間」と位置づけたが、詳細な制度設計は先送り。優先事項として現金給付の強化を掲げた。笑ってしまうほど、ロコツな選挙向けのバラマキ政策なのである。

 そんなまき餌に騙されて、統一地方選で自民党を勝たせたら、岸田自民も財務省も調子に乗るだけだ。国民はさらなる負担を押し付けられ、少子化が加速することは目に見えている。それでも自民党に投票するのか? 有権者にとって、この統一地方選は「ラストチャンス」かもしれないということを肝に銘じるべきだ。


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