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5月10日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』5月10日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「能登地震で改めて痛感 地震大国で原発60年超稼働の狂気」

 脱炭素をお題目に、原発の60年超運転などを可能にする「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法案」が連休直前の4月27日の衆院本会議で与野党の賛成多数で可決された。

 「どういう場合に60年を超えて運転できるのか、使用済み核燃料の問題はどうするのかなど、経産委員会で野党が質問しても、『状況に応じて検討する』『具体的な運用は、法改正後に決める』など政府の答弁は曖昧で、国会での議論が深まらないまま拙速に原発再稼働が進められています。原子力政策の大転換なのに、岸田政権はGXに関係する5本の法律をまとめた“束ね法案”で国会に提出してきた。5本の中には賛成できる法律もあります。安保法制の時もそうでしたが、野党が反対しづらい束ね法案の形で出してくるのが実に姑息です。ウクライナ危機や物価高騰で電気料金が高騰している今なら、原発再稼働に国民の賛意を得られるという計算もあるのでしょう。しかし、使用済み核燃料や事故処理を考えたら、原発ほど割高な発電はない。日本人は忘れっぽいといわれますが、電力不足も電気料金高騰も原発を動かしたい原子力ムラの思惑が背景にあることを忘れてはいけません」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 ウクライナ危機と物価高騰で、国民世論は原発稼働容認に傾いている。電力会社と政府にとっては絶好のタイミングなのだろうが、国民にとってはどうなのだろうか。いま一度立ち止まって考える必要があるのではないか。

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