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10月16日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』10月16日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:エセ政権交代では何も変わらない 有権者は10.27衆院選の歴史的な審判に手ぐすね

自民党はすでに全身に毒が回っている

 もっとも、有権者が今度の選挙に手ぐすね引いているのは、石破の人間性に呆れたからだけではない。ピンチになると、シャッポをすげ替え、国民をケムに巻いて生き延びてきた自民党政治の姑息と、そうせざるを得ない自民党という組織の「構造腐敗」を今度ばかりはまざまざと見せつけられたからだ。最後の役者が薄っぺらだったからだけではなく、有権者は「正体見たり、自民党」なのである。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「今度の選挙の争点は言うまでもなく、政治とカネですが、自民党が“政治改革”と言って何年になりますか? 小選挙区制の議論から数えれば、30年以上です。それなのに、何も変わらず、同じことの繰り返し。なぜかというと、自民党には持病があって、それが治るどころか、全身に毒が回っているからなんですよ。その毒とは金権・利権政治であり、世襲政治であり、憲法を無視する右傾化など、複数ある。そもそもパーティー券を買ってくれる財界の方を向いて、自らの利権を温存、世襲する政治を続けているから、毒を断ち切る気などないのです。だから、総裁を代えても一時的な目くらましにしかならず、気が付くと、元に戻っている。岸田前首相も就任の時にはアベノミクスを否定し、分配重視の新しい資本主義や金融所得課税にも踏み込んだが、潰された。石破さんも同じです。自民党という組織に属する限り、その宿痾から逃れられない。それが国民の前にもハッキリしたのが、裏金問題への後ろ向きな対応なのです」

国民は野党乱立を嘆く前に戦略的投票を

 そのうえで、有権者はどんな選択をするべきなのか。前出の五十嵐仁氏はこう言った。

 「今度の選挙で有権者が自民党政権にNOを突きつけなければ、有権者の資格が問われる事態だと思います。そのために選挙があり、野党の存在意義があるのですから。もちろん、野党にも有権者の選択肢を真正面から受け止める覚悟と義務があります。今、野党は乱立していて、それを大メディアは批判していますが、これぞ、自民党が早期解散を仕掛けた動機です。共闘できないうちにやれば自民有利という党利党略以外のなにものでもない。ここで票が分散すれば、自民党が漁夫の利を得る。彼らの思うツボになってしまいます」

 五十嵐氏は「戦略的投票」を呼びかけている。比例は好きな政党に入れて、小選挙区は勝てそうな野党候補に票を集中させる戦略だ。今後、本紙や週刊誌などで盛んに流れるであろう、情勢報道を見れば、誰と誰が競っているのかがわかる。それを参考にした投票行動の呼びかけだ。

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