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12月21日(月) 拙著『日本を変える―「新しい政治」への展望』が刊行された [日常]

 拙著『日本を変える―「新しい政治」への展望』が刊行されました。出版社は学習の友社です。
 表題は大きなものですが、本そのものは124頁で本体1000円+税というコンパクトな仕上がりになっています。気軽に手に取っていただけるのではないでしょうか。

 この本は、総選挙での野党共闘を後押しし、市民と野党との連携によって連合政権を樹立することを目指したものです。そうすることで「日本を変える」ための「新しい政治」を実現することを展望しています。
 本を書き始めた頃は菅新政権に対する内閣支持率が高く、自民党内に早期解散論がありました。もし解散されれば、本を出した途端に古くなってしまいます。
 しかし、内閣の顔ぶれを見て、菅新首相は実務型の堅実な政権を目指しているのではないかと思い、早期解散はないと判断しました。世論へのアピールよりも、着実に実績を積むことで支持を安定させようとしたのだと思います。

 菅首相には、それが自分には可能だという自負も自信もあったにちがいありません。だからこそ、携帯電話の料金引き下げや不妊治療の保険適用拡大、デジタル庁の新設などの実利政策に力を入れてきたのです。
 それから3ヵ月が経ち、ようやく本が形になり出版されました。「行き詰まった前政権を『継承』すれば、同じように行き詰まることになる」と本書で警告したように、菅内閣は数々の失政によって支持率を急落させ、新型コロナウイルスの感染も広がり続け、とてもすぐに解散できるような状況ではなくなりました。
 解散・総選挙は来年4月以降に延び、9月になる可能性が最も高いと見られています。そうなると、本書の「賞味期限」もずっと先に延びることになり、内閣支持率の動向次第では、菅政権の「賞味期限」の方が先に切れてしまうかもしれません。

 いずれにせよ、来るべき解散・総選挙は「日本を変える」ための「天下分け目の決戦」となるにちがいありません。その総選挙で市民と野党の共闘が功を奏し、野党連立政権が樹立されること、そのために本書が役立つことを願っています。
 そうすることでしか、「日本を変える」ことはできません。「新しい政治」への展望もそこにあります。
 本書を手にとって、「時代の転換点にさしかかった日本の政治を本格的に変える必要性と可能性、あるべき政治と社会の姿、市民と野党の共闘による連合政権樹立に向けての展望」をじっくりと味わっていただければ幸いです。ということで、以下に本書の「はしがき」をアップさせていただきます。

 はしがき

 新型コロナウイルスの感染が拡大し、人々の命とくらしが脅かされる深刻な事態が生じました。この未曽有の危機に対して、安倍首相は効果的な対策を講ずることができず、経済再建の展望も失って辞任に追い込まれました。直接の理由は潰瘍性大腸炎という持病の再発だとされていますが、その背景には政権の迷走と行き詰まりがあります。
 この安倍政権を官房長官として支えてきたのが、後を継いだ菅義偉新首相です。「安倍政治」に対して共同責任を負うべき菅首相は「安倍政権の継承」を掲げ、その主要な自民党役員と閣僚を留任・再任させて骨格を維持しました。行き詰まった前政権を「継承」すれば、同じように行き詰まることになるでしょう。
 菅新政権の前途を見通し、それに代わる「新しい政治」を展望するためにも、コロナ禍によって明らかにされた現代社会の脆弱性、安倍暴走政治の問題点とそれが残した「負の遺産」を検証することが必要です。そうすることでしか、希望ある未来の扉を開くことができない時代になってきているのですから。
 本書を通じて、「安倍政治」に代わるべき「新しい政治」の姿を明らかにし、日本国憲法の理念と条文が政治と生活に活かされる「活憲の政治」に向けての道すじを示したいと思います。本書によって、時代の転換点にさしかかった日本の政治を本格的に変える必要性と可能性、あるべき政治と社会の姿、市民と野党の共闘による連合政権樹立に向けての展望をつかんでいただければ幸いです。
 「新しい酒」は「新しい革袋」に。「新しい政治」は「新しい政権」によって担われなければなりません。そこにこそ、希望が生まれます。生きるに値する政治と社会を生み出すために、共に一歩を踏み出そうではありませんか。「日本を変える」ために。
 注目されていた大阪都構想についての住民投票では反対が多数になり、アメリカの大統領選挙ではトランプ大統領の再選が阻止されました。歴史の大きな転換点を目撃しているような気がします。民主主義の勝利です。
 歴史を変える瞬間に我が身を投ずることによって、これからの歴史を新たに紡ぐことができるのではないでしょうか。そのために歩み出そうではありませんか。これまでにはなかったような「新しい政治」を作るために。


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10月1日(木) 本を書いています [日常]

 今日から10月です。すっかり秋めいてきました。
 我が家の近くの南浅川の土手に赤いヒガンバナが、列をなして咲いています。小さなオレンジの花や藤色の可憐な花も咲いていますが、散歩もままならない状況になっています。
 今、本を書いているからです。2冊、同時並行で書いています。

 一冊は、以前書いたものの改定版で、以前から依頼されていたものです。法律文化社から2010年に出版した政治学のテキスト『18歳から考える日本の政治』の第3版になります。
 2018年3月に第2版第3刷りを出しましたが、それからでも2年経ちました。内容的に古くなった部分がありますので、追加の記述が必要です。
 しかもこの間、安倍政権が幕を閉じ、新たに菅政権が発足するという大きな動きがありました。野党の側でも、立憲民主党と国民民主党が解党し、それぞれ新たな政党として発足しています。
 改定版の執筆を依頼されたときは、このような大きな変化が生ずると予想していたわけではありません。たまたま時期が重なったわけですが、タイミングとしては上手くはまったということになるでしょう。

 もう一冊は新著で、学習の友社から出版することになります。この間「安倍政治」について書いてきた論攷に、新たな書下ろしを加えてできるだけ早く出す予定です。
 学習の友社からは、これまで『対決安倍政権―暴走阻止のために』(2015年)、『活路は共闘にあり―社会運動の力と「勝利の方程式」』(2017年)、『打倒安倍政権―9条改憲阻止のために』(2018年)という3冊を刊行していただきました。今度の4冊目を加えれば4部作ということになります。
 こちらの方は、政権交代を踏まえて急きょ出すことになったものです。「野党連合政権樹立のために」という副題をつけるつもりですので、解散・総選挙に間に合えば良いのですが。

 ということで、このブログに書いている時間がありません。連日のようにあった『日刊ゲンダイ』からの取材もひと段落したようです。
 ブログの更新が途絶えるかもしれませんが、執筆に専念しているのだとご理解いただければ幸いです。この2冊の執筆が、おそらく私の人生最後の本ということになるでしょうから。

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2月24日(月) 69歳の誕生日を迎えた [日常]

 今日は私の誕生日です。69歳になりました。
 元気でこの歳を迎えられたことに感謝したいと思います。この機会に、日ごろお世話になっている全ての方にお礼を申し上げます。

 「天皇誕生日」ということで、今年から2月23日が祝日になりました。昨日が日曜日であったために、今日は「振り替え休日」で休みになっています。
 これから毎年、私の誕生日の前日が休みになります。天皇制をなくして天皇一家を普通の家族に戻すべきだと考えている私としては複雑な気持ちです。
 象徴天皇の制度を定めた第1条を含む現行憲法を尊重するということであれば、あまり問題にする必要はないかもしれません。しかし、「人の上に人を作」り、天皇制の維持を生身の人間に押し付けるような政治制度は非民主的であるだけでなく非人間的で許されないと言うべきでしょう。

 例年であれば、厳しい寒さの中で誕生日を迎えます。しかし、今年は異常な暖冬で、すでに近所の梅は満開になっています。
 故郷の新潟は「雪不足」で、例年なら真っ白な根雪に覆われている実家の周りにも、ほとんど雪は積もっていないそうです。地球環境の異変はこのような形でも現れているのかもしれません。
 このまま春を迎えて夏になったらどうなるのか心配しています。猛暑の中でのオリンピック・パラリンピックになるのでしょうか。

 おまけに新型コロナウイルスの脅威が広がり、私を含めて、誰が、いつ、どこで、どのような形で発症するか、全く予断を許さない状況になっています。安倍政権の対応はずさんで、後手後手に回り、水際対策にも失敗し、お手上げ状態になってしまいました。
 「桜を見る会」疑惑では政治・行政だけでなく検察や司法まで私物化しようとしている安倍首相ですが、新型コロナウイルス対策は「やっているフリ」のポーズだけで、危機対応能力も統治能力もありません。ただオロオロしているだけではありませんか。
 こんな政権では、私たちの健康も命も守ることはできません。一日も早く、統治能力があり公正で公平な政治を取り戻すことのできるまともな政権を実現しなければなりません。

 ということで、これからも安倍政権を倒すために力を尽くしていきたいと思っています。できる範囲でという条件付きですが。
 おかげさまで色々な所から声をかけていただき、この歳になっても世の中とのつながりは健在で、それなりにお役に立つことができています。講演などで各地に出かける機会も少なくありません。
 引き続き、新たな出会いを求めて出歩く所存です。69歳になったこれからも、よろしくお願いいたします。


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1月1日(水) 今年こそ安倍政権に引導を渡し野党連合政権の樹立を [日常]

 明けまして、おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 希望に満ちた新年の幕開けです。積年の思いをようやく実現できるチャンスが生まれてきた中で、新しい年を迎えました。
 今年こそ、安倍政権の正体を暴露して広く国民に知らせ、安倍首相に引導を渡して野党連合政権を実現しようではありませんか。政権交代の可能性が生まれてきているのですから。

 昨年12月15日の立憲民主党の枝野幸男代表と共産党の志位和夫委員長との会談では、①「桜を見る会」問題を結束して追及する、②安倍内閣を総辞職に追い込む、③早期の衆院解散へ準備を加速する、④安倍政権を倒し政権を代え、立憲主義を取り戻すという4点で合意しました。このような合意がなされたのは初めてです。
 このうち、最も重要なのは4番目です。両党で「安倍政権を倒す」意思が確認されたのですから。
 「立憲主義を取り戻す」ということも重要です。2015年9月に成立した平和安全保障法制(戦争法)を廃止することですから。

 現在進行中の立憲民主党と国民民主党の合流が実現し、これに社民党や無所属議員が加われば、野党は立憲民主党と共産党の2党が主軸となります。これに「れいわ新選組」が連携するという構図ができるでしょう。
 通常国会では、「桜ゲート事件」、かんぽ生命をめぐる総務次官の情報漏えい、統合型リゾート(IR)での秋元司衆院議員らの贈収賄事件などの「3点セット」で政府・与党が徹底追及を受けるのは確実です。野党は追及本部を立ち上げて着々と準備を進め、新たな事実も浮かび上がってきています。
 安倍政権が追い込まれ、総辞職するか解散するしかなくなるかもしれません。内閣支持率が下がり続ける中での解散・総選挙となれば、野党政権の樹立も夢ではなくなります。

 このような情勢のもと、私が住む八王子でも市長選挙で市民と野党の共同候補の擁立が具体化しました。昨日のブログでも紹介したように、八王子合同法律事務所の白神優理子(しらがゆりこ)弁護士が、立候補することを表明したからです。
 年末年始という事情もあって記者会見はまだですが、すでに走り始めています。白神さんのホームページ(http://sirayuri.waterblue.net/)も開設されました。ぜひ訪問して素晴らしい「ごあいさつ」を読み、多くの人に拡散していただきたいと思います。

 八王子市政でも国政でも、新たな希望が生まれつつあります。それをどう具体化し、新しい市民が主人公の市政、国民が主人公の国政を実現していくかが、今年の大きな課題になります。
 その課題の達成のために、市民と立憲野党が手を結んで力を合わせなければなりません。そこにこそ、「勝利の方程式」があるのですから。



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12月30日(月) 2019年の仕事 [日常]

 曜日の関係で、今年は例年より早く27日が仕事納めでした。私の仕事納めは今日です。
 今年も忙しい一年でした。2月に県民投票の応援のために沖縄に行き、7月の参院選では東京選挙区での吉良よし子候補の当選のために共産党の志位委員長や小池書記局長と一緒に宣伝カーの上で演説をするなど、選挙に取り組んだ一年でした。7月の参院選では東京選挙区で吉良さんが当選し、全国的にも1人区で野党候補が10勝して市民と野党の共闘を大きく前進させた年でもあります。
 11月には「オール埼玉総行動」に招かれ、7000人が集まった大宮駅前で、立憲民主党の初鹿明博衆院議員、国民民主党の津村啓介副代表、共産党の穀田恵二国対委員長、社会民主党の福島瑞穂副党首と共に、ゲストスピーカーとしてスピーチさせていただきました。初鹿さんと福島さんには八王子市長選挙の時に応援演説をしていただいたことがあり、穀田さんとは10月の全国革新懇交流会での分科会「『市民と野党の共闘』で政治を変えよう」でもご一緒しています。
 その後、初鹿さんは強制わいせつの疑いで書類送検され、立憲民主党を離党してしまいました。誠に残念としか言いようがありません。
 その2019年も、間もなく幕を閉じようとしています。

 さて、 例年のように、1年間の仕事をまとめさせていただきたいと思います。今年は共編で1冊、論攷・インタビュー・談話・コメント・書評などが33本、講演・報告などが42回、街頭演説・あいさつなどは15回で、夕刊紙『日刊ゲンダイ』の記事内でのコメント掲載は83回に上りました。
 『日刊ゲンダイ』でのコメントを除く、具体的な内容は以下の通りです。
 
(1) 編著書
・五十嵐仁・木下真志編/法政大学大原社会問題研究所編『日本社会党・総評の軌跡と内実―20人のオーラル・ヒストリー』旬報社

(2) 論攷・インタビュー・談話・コメント・書評など(33本)
・「本気の共闘で改憲阻止・安倍政権打倒をめざそう―2019年の政治展望と革新懇」『全国革新懇ニュース』第405号、2018年12月・2019年1月合併号
・メッセージ『非核の政府を求める会ニュース』第335号、2018年12月15日・2019年1月15日合併号
・「『平成』時代の総括とこれからの日本」東京土建一般労働組合『けんせつ』第2268号、1月1日付
・「勝利への活路 共闘にあり」『全国商工新聞』1月7日付
・「改憲を阻止し安倍首相に引導を渡す年に」『学習の友』No.785、1月号
・「政治考 参院選向け〝決戦〟」『しんぶん赤旗』2019年2月4日付
・「『希望の政治』」をめざし参院選に向けて『本気の共闘』を」『東京革新懇ニュース』第442号、5月5日付
・「書評:飯田洋子著『九条の会―新しいネットワークの形成と蘇生する社会運動』」『大原社会問題研究所雑誌』第727号、5月号
・「清潔な政治実現して」『しんぶん赤旗』5月21日
・「米国の本音むき出し 『TPPに縛られない』トランプ氏〝戦闘宣言〟」農協協会『農業協同組合新聞』5月30日号
・「労働資料館の役割を考える」日本鉄道福祉事業協会・労働資料館『労働資料館ニュース』No.2、6月号
・談話「本当の受け皿への一歩」『しんぶん赤旗』6月12日付
・記事「市民と野党の共闘進化」でのコメント『しんぶん赤旗』6月12日付
・「統一地方選後の情勢と参院選の展望─『市民と野党の共闘』と憲法闘争の前進にむけて」勤労者通信大学・通信『活かそう憲法②』
・「決戦・参院選―安倍改憲に終止符を」社会主義協会が発行する『研究資料』No.43、7月号
・談話「自民党〝地金〟天皇の政治利用」『しんぶん赤旗』7月17日付
・記事「謎多き国鉄三大ミステリー、時の政府は『共産党の仕業』」でのコメント『朝日新聞』デジタル版7月31日付
・「共闘の力、政権に『黄信号』」『東京民報』第2096号、8月4日付
・「野党共闘の威力が示された参院選 改憲勢力は3分の2を割る」『東京革新懇ニュース』第444号、8月5日号
・「改憲3分の2議席阻止に確信を持ち、総選挙で革新共闘の勝利を」日本科学者会議『東京支部つうしん』No.622、8月10日号
・「自民敗北 原動力は共闘」『しんぶん赤旗日曜版』8月11日・18日合併号
・「シリーズ 共闘の力 『信頼の発展』に結実」でのコメント『しんぶん赤旗』8月16日付
・「シリーズ 共闘の力 政権合意『覚悟問われる』」でのコメント『しんぶん赤旗』8月25日付
・「日本社会覆う〝韓国バッシング〟 あおる政治の責任重大」『しんぶん赤旗』9月10日付
・「第4次安倍改造内閣をどう見るか」『全国商工新聞』第3379号、9月30日付
・「参議院選挙後の情勢と課題」東京土建『建設労働のひろば』No.112、10月号
・「自民党の重鎮が訴える 『9条の改正だけは許さない』」日本ジャーナリスト会議(JCJ)の機関紙『ジャーナリスト』第740号、11月25日付
・「軍事大国化の流れを変える起点に―憲法、政治情勢、軍事費」全国労働組合総連合・労働者教育協会合同編集『学習の友 2020春闘別冊』
・「全体会閉会あいさつ」全国革新懇『地域・職場・青年革新懇全国交流会in兵庫記録集』
・「『共闘』分科会開会あいさつ 研究の対象から実践の課題となった統一戦線」全国革新懇『地域・職場・青年革新懇全国交流会in兵庫記録集』
・「まとめ 『市民と野党の共闘』の進化・発展」全国革新懇『地域・職場・青年革新懇全国交流会in兵庫記録集』
・「『安倍一強』政権の正体と『退陣戦略』」『月刊 全労連』N0.275、2020年1月号

(3)講演・報告など(42回)
・1月12日:埼玉9区野党共闘市民連絡会「市民と野党の共闘で未来を拓く」
・1月18日:三鷹事件から70年―無実・竹内景助の冤罪を晴らそう! 三鷹事件当時の社会情勢と今日的意味」
・1月26日:神奈川16区市民連合「暴走政治 どうしたら安倍政権を倒せるか」             
・2月2日:かわぐち9条の会「改憲に突き進む安倍独裁政権よ、さようなら」
・2月9日:川崎市幸区革新懇準備会「国政の焦点と2019年の展望」
・2月11日:山形治維法同盟211集会「安倍異常政権はなぜ続くのか―打倒のチャンスがやって来た」
・2月17日:はすだ9条の会「安倍政権を終わらせるときがきた―沖縄からの報告」
・2月24日:東久留米革新懇「統一地方選・参院選の勝利で改憲ストップ 消費税増税やめ くらしと平和を守ろう」
・3月2日:富山市革新懇「市民と野党の共闘の現状と革新懇活動の役割について」             
・3月16日:あいち連続憲法講座「安倍9条改憲をめぐる情勢と阻止闘争の課題」                       
・3月17日:国民救援会小金井支部「三鷹事件の真相解明を求める今日的意味」
・3月19日:年金者組合北陸信越ブロック「平和で長生きできる政治と社会をめざして
安倍暴走政治にストップを!高齢者の果たす役割」
・4月27日:健康友の会長房支部「健康で長生きできる社会と身体をめざして」
・5月2日:平和憲法をまもる秋田県民集会「9条改憲阻止のために何が必要か」
・5月3日:栃木革新懇「9条改憲を阻止し、安倍よアバヨ!」
・5月8日:日野革新懇「統一地方選挙の結果と参院選の展望」
・5月11日:和歌山革新懇「参院選に向けての情勢と野党共闘、革新懇の役割」
・5月17日:三多摩革新懇学習会「統一地方選後の情勢をどうとらえるか―参院選を見据えて」
・5月31日:三多摩高齢期運動連絡会「平和で長生きできる政治と社会をめざして」
・6月15日:安倍改憲NO! 憲法を生かす葛飾のつどい「参院選で安倍9条改憲を阻止しよう」
・6月18日:教え子を再び戦場に送らない退職教職員のつどい「野党共闘の前進で安倍9条改憲を阻止しよう」
・6月21日:戦争させない江戸川の会「野党共闘と草の根からの闘いでストップ安倍政治」
・6月22日:湘南学習会議市民講座「安倍政権のファッショ化と参院選」
・7月27日:福島県革新懇「参院選の結果と革新懇運動の課題」
・7月29日:三多摩革新懇7月度世話人会「参院選の結果をどうとらえるか」
・8月11日:三重県革新懇「参院選の結果と革新懇の役割」
・8月27日:日本科学者会議八王子科学フォーラム「私たちが政治を変える―参議院選挙の結果と課題」
・8月31日:基礎経済研究所「参院選の結果と日本政治の行方」
・9月1日:京建労活動者会議「参議院選挙後の日本の政治情勢」
・9月14日:憲法九条を守る上尾共同センター「参院選の結果と9条改憲の行方」
・9月20日:杉並革新塾「安倍政権は参院選で「国民の信任を得た」のか」
・9月21日:千葉県革新懇「参院選の結果と政治革新の展望」
・10月5日:香取革新懇「安倍政権で国民の生活を守れるのか―憲法・民主主義破壊の政治を転換するために」
・10月7日:板橋革新懇「改憲阻止!市民と野党の共闘で衆院選勝利を」
・10月12日:東北ブロック学習交流集会「参院選の結果と野党共闘の展望」
・10月14日:コミュニティユニオン東京「参院選の結果と労働組合運動の課題」
・10月17日:三多摩革新懇世話人会「今の情勢をどうとらえるか―臨時国会をめぐる情勢と課題」
・10月24日:川崎市幸区革新懇「参議院選挙を踏まえ、野党と市民の共闘で明るい未来を」
・11月14日:日本印刷技術研究所「安倍政権の悪政にどう立ち向かうか」
・11月24日:新潟から野党連合政権をめざす集い「野党連合政権の展望と課題」
・11月29日:埼玉県オール7区連絡会「市民と野党の共同で 安倍政治にサヨナラを! 」
・12月15日:自治労連関東甲越ブロック「財界戦略に立ち向かう!20春闘をどうたたかうか」

(4)発言・街頭演説・あいさつなど(15回)
・1月5日:八王子市共産党新春のつどいであいさつ                    
・1月27日:鈴木ゆうじ八王子市議の新春のつどいであいさつ    
・3月24日:市川かつひろ八王子市議と語る会であいさつ
・3月28日:鳥取県議選の市谷とも子候補出発式で応援演説
・4月14日;八王子市議選の市川かつひろ候補出発式で応援演説
・5月18日:志位和夫共産党委員長と共に吉良よし子参院議員予定候補の応援演説
・6月7日:新宿駅西口での憲法共同センターの宣伝でスピーチ
・6月8日:労働者教育協会の総会で発言
・7月14日:小池晃共産党書記局長と共に吉良よし子参院議員候補の応援演説
・8月3日:労働者教育協会の代表者会議で発言
・9月18日:革新都政をつくる会「都政を考える夕べ」の呼びかけ人として発言                   
・10月19日:全国革新懇交流会in兵庫「安倍政治を終わらせ希望ある政治へ」全体会で笠井貴美代新婦人会長と共に司会、閉会のあいさつ
・10月20日:全国革新懇交流会の「市民と野党の共闘」分科会で冒頭発言、まとめの発言         
・10月27日:松田さんを支える会50周年記念のつどいであいさつ
・11月26日:大宮駅西口でのオール埼玉総行動でゲストスピーチ

 ということで、皆様、良いお年をお迎えください。来る2020年が、希望に満ちた飛躍の年となりますように。

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10月28日(月) 松田さんの半世紀を支え続けてきた友情の素晴らしさ [日常]

 世の中には、かくも素晴らしい友情があるのかと感心しました。それは「情」のみならず生活支援のための定期カンパなどの金銭、居住する高知への訪問や掃除などの行動も伴ったものですから、なおさら価値のあるものだと言えるでしょう。
 昨日、法政大学近くのアルカディア(私学会館)で「松田恒彦さんを支える会50周年の集い」がありました。集いにはご本人の松田さんを始め、松田さんの友人や先輩・後輩など約80人が出席され、私も特別スピーチを頼まれて話をしてきました。

 法政大学で起きた暴力事件と松田さんを支える会については、10年前の40周年の時にも顔を出して話をしています。その時、「暴力に抗した友情の絆―松田さんと「支える会」の40年に寄せて」という文章を書きました。その一部を、以下に再掲させていただきます。

 <法政大学には、悲しい負の歴史があります。一部の暴力学生が、他の学生に暴力を振るい、キャンパスから追い出したり、一生癒えることのない傷を負わせたりしたのです。
 松田さんの事件は、1970年1月21日に起きました。当時、法政大学文学部に在籍していた松田恒彦さんは、全共闘を名乗る暴力学生の襲撃によって瀕死の重傷を負い、今に至るも後遺症に悩まされています。この松田さんの裁判闘争や生活を支えるために「会」が作られました。それが、「松田さんを支える会」です。
 私は、ずっと以前から、この「会」に協力してきました。私も、都立大学在学中、暴力学生によって右目を失明させられた被害者だからです。この事件は1971年9月10日に起きましたが、そのときの様子は、拙著『概説・現代政治』(法律文化社)の「あとがき」に書きました。また、松田さんを支える会・1.21事件30年誌編集委員会編『法政大学70年1月21日-松田恒彦さんと「支える会」の30年』(こうち書房、2000年)にも、「『9.10事件』の被害者として」という一文を書いています。
 事件が起きてからは40年という長さですが、この本を出してからでも、もう10年経ってしまいました。この本は、事件を次のように描写しています。

 844番教室へは廊下の二つの入り口から、ベランダからは窓ガラスを鉄パイプで打ち壊して全共闘暴力集団は乱入した。松田恒彦君をはじめ、自治会役員、学生委員を飯島博は指さし「あいつは民青だ、やれ、殺してしまえ!」と叫び、命令に従って全共闘暴力集団は、鉄パイプ、角材、竹竿、チェーンを振り回し、無防備の学生に殺意を持って襲いかかり多数の負傷者をつくり出した。
 とくに、松田恒彦君に対しては、言語に絶する蛮行で、4階廊下に引きずり出し、頭部を中心に、顔面、大腿部をメッタうちにし、さらに凶器で乱打した。松田君はその場で血だらけの意識不明に陥らされてしまった。
 全共闘暴力集団は55年館、及び58年館の各教室、廊下で凶暴きわまる蛮行をはたらいた上、同校舎の各入り口、構内各所に完全武装の集団を立哨させ、威圧的に検閲し、「民青はいないか」と見回り、血だらけになった学生や自治会に結集する学生を見るや、鉄パイプで暴力を加え、無防備の自由な言動を圧殺した。
 彼ら暴力集団の恐るべき蛮行はとどまるところを知らなかった。大学の診療所に乱入し、頭頂部の裂傷を縫合中の法学部2年生……にたいして、看護婦の制止を振り切ってさらに鉄パイプで殴りつけた。
(中略)
 メッタ打ちにされた松田君は、救急車で代々木病院に搬送されたが、あまりの傷のひどさに処置できず、御茶の水の医科歯科大学病院に転院し、手術を受けた。松田君は頭部陥没兼亀裂骨折、頭蓋内出血、右脛骨骨折、顔面挫傷、右上肢打撲傷等で危篤に陥り、その後何度も頭部の切開手術を繰り返さなければならないことになってしまった。
 その他に自治会の学生委員をはじめ50数名の学生が重軽傷を負う大きな暴力事件となった。事件の3日後、Ⅱ部四学部各自治会は記者会見を行い、彼らの暴力の実態を訴えるとともに、彼らの犯罪を断罪すべく「告訴・告発」に踏み切った(14~16頁)。

 松田さんは、幸いなことに、一命を取り留めました。しかし、その後40年経つ今も後遺症は残り、不自由なままです。1970年1月21日に発生した暴力事件は、松田さんの人生を変えてしまいました。それから40年、松田さんはどのような思いで、生きてこられたのでしょうか。
 松田さんの悔しさ、辛さは、同じような暴力の被害を被った私にはよく分かります。事件のことはあまり思い出したくありませんが、しかし、あのときに味わった身を震わせるような強い憤りだけは、忘れることができません。>

 60年代後半から70年代初めにかけての学生運動については、全共闘運動を美化する捉え方が強く残っています。しかし、どのような立場のどのような評価であっても、上記に記されたような暴力を是とするようなものである限り、絶対に是認できません。
 この時代、暴力学生に抗して学園の自由と民主主義を守るために、身の危険を顧みず、徒手空拳で闘った学生たちも少なからず存在していました。そのことを歴史の真実として記録しておかなければなりません。
 松田さんも、そのような学生の一人でした。そして、脳に下された一撃で、人生を狂わされてしまったのです。

 私も、都立大学での一瞬のたった一突きで、右目を失ってしまいました。そのような暴力は、いかなる理由があろうとも許されず、正当化されないものです。
 しかも、そのような暴力によって政治を変えることはできず、かえって大きな阻害要因となることは、それからの半世紀を通じて明確に証明されました。全共闘や新左翼などの暴力学生は完全に過っていたのです。
 しかし、その過ちが明らかになったからと言って、そのために強いられた犠牲や後遺症がなくなるわけではありません。私は左目しか見えず、松田さんは身体の自由が利かず車いす生活を余儀なくされています。

 暴力のない世の中を実現することでしか、このような犠牲は報われません。元気で長生きすることによっても、暴力に屈しなかったことを示したいと思います。
 それこそが、「殺せ」と叫びながら存在を抹殺しようとした彼らに対する抵抗の証だと思うからです。発言し続けることもまた、口を封じようとしたことに対する反撃にほかなりません。
 このような意味で、暴力に対する松田さんと私の闘いは続いているのです。生き続け発言し続けることこそ、私たちにとっての闘いなのですから。

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7月5日(金) ブログ「五十嵐仁の転成仁語」へのアクセス数が1000万を突破した [日常]

 このブログへのアクセス数が1000万を越えました。昨日、何気なくアクセス数を見たら、すでに1000万2795アクセスになっています。現時点では、1000万4722です。
 気がつきませんでした。1000万を突破したのは一昨日だったのかもしれません。
 この機会に、日頃のご愛顧にお礼申し上げます。皆さんに読んでいただかなければ、何の意味もないのですから。

 今は「情報戦」の時代です。この闘いに打ち勝つためには、正しい情報が発信されなければなりません。
 「ポスト真実の時代」と言われ、「フェイクニュース(虚偽情報)」が飛び交っています。事実はどうなっているのか、何が本当のことかが、見えにくく分かりにくくなっています。
 しかも、安倍首相という権力者が、その権力を利用して意識的に事実を隠し、嘘を言い、ごまかすことに腐心しています。私のブログでの言説の発信はささやかなものではありますが、このような情報戦に打ち勝つための重要な武器なのです。

 日本国憲法12条には「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」と書かれています。国民が黙れば民主主義は滅んでしまいますから、声を上げ続けることが求められているのです。
 国民は誰でも、可能な限り声を上げることが憲法の要請なのです。そうしなければ、「自由及び権利」は失われてしまうという警告を発しているのです。
 このような憲法12条の要請と警告に応える「不断の努力」の一環が、私にとってはこのブログの発信にほかなりません。できるだけ多くの方が、選挙での投票をはじめ、それぞれの方法で、可能な範囲で「不断の努力」を行うようにしていただきたいものです。

 とはいえ、ブログを書き続けるのは、そう容易なことではありません。できるだけ正確に、意を尽くして書こうとすれば長くなってしまいますし、書く時間も確保しなければなりません。
 適宜・的確な素早い発信と正確で長い記述とは矛盾する場合があります。どこかで妥協し、折り合いをつけなければなりません。
 しかし、読むことを楽しみにし、新しいブログのアップを待っている読者もおられます。講演などで「ブログを読んでいます」と声をかけてくださる方にお会いすることもあります。

 このように言われれば、やめるわけにはいきません。読者の皆さんの声が励みであり、やりがいでもあります。
 その声にできるだけお応えしたい。書き続けるのは大変ですが、ここまで来たら可能な限り続けたいと思っています。
 ただし、時々は休ませてもらいたいものです。気ままに気楽に書くことが長続きする秘訣だと思いますので。

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5月16日(木) 街頭演説で日本共産党の志位委員長と吉良参院議員の前座を務めることになった [日常]

 突然ですが、街頭演説で日本共産党の志位和夫委員長と吉良よし子参院議員の前座を務めることになりました。明後日の18日(土)午後2時からで、場所はJR八王子駅北口です。
 志位さんと吉良さんの前ですので、いささか緊張します。でも、私の演説などはそれほど期待されているとは思えませんので、気楽に楽しくやらせていただこうと思っています。

 この日は、午前中から全国革新懇の総会が開かれます。全国から革新懇運動に関わっておられる方が集まってこられます。
 私も代表世話人の1人として、朝からこの総会に出席しています。各地で講演などに呼んでいただいた関係者と顔を合わせ、お世話になったことへの感謝を伝える絶好の機会ですから。
 しかし、午後2時から八王子駅頭で演説してもらえないかとの要請です。どうしようかと思ったのですが、革新懇の事務室に連絡していただいて「中抜け」することになりました。

 この日の午前中の会議では、志位共産党委員長も「特別報告」をすることになっています。志位さんも全国革新懇の総会から八王子での街頭演説へと直行するわけで、私もまた顔を合わせることになります。
 私の場合はそのまま自宅に帰るというわけにはいかず、自宅のある八王子から再び全国革新懇の総会に戻らなければなりません。懇親会での「中締め」をやることになっているからです。
 18日の土曜日は、自宅のある八王子と全国革新懇の総会が開かれる神保町との間を行ったり来たりすることになります。頼まれれば嫌とは言えない性格ですので、それもやむを得ません。

 街頭演説は18日(土)午後2時からで、場所はJR八王子駅北口です。マルベリーブリッジの工事中ですので、いつもとは少し場所が違うようです。
 めったにない機会になります。多くの方に足を運んでいただければ幸いです。

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4月12日(金) 五十嵐仁・木下真志/法政大学大原社会問題研究所編『日本社会党・総評の軌跡と内実―20人のオーラル・ヒストリー』(旬報社)が刊行された [日常]

 五十嵐仁・木下真志/法政大学大原社会問題研究所編『日本社会党・総評の軌跡と内実―20人のオーラル・ヒストリー』が旬報社から刊行されました。社会党と総評の関係者20人からの聴き取りの記録です。
 660頁という大部のもので、本体の価格6300円、税込みですと6804円になります。私を通じて注文していただければ多少安くなると思いますので、ご希望の方は連絡していただければ幸いです。
 すでに3月中に出ていたのですが、このブログに書くべきことが多く、今まで紹介する余裕がありませんでした。以下に、私の書いた「はしがき」をアップさせていただきます。 

 はしがき

 本書は、大原社会問題研究所のプロジェクトとして行われた日本社会党(社会党)と日本労働組合総評議会(総評)関係者からの聴き取りの記録である。当初、社会党関係者だけを対象としていたが、「社会党―総評ブロック」と言われたように総評とも深いかかわりがあるため、その両者の関係者からの聴き取りを行うようになった。
 この聴き取りの中心になったプロジェクトの前身は、大原社会問題研究所の研究プロジェクトである戦後社会運動史研究会であった。この研究会は大原社会問題研究所叢書として、『「戦後革新勢力」の源流』(大月書店、2007年)と『「戦後革新勢力」の奔流―占領後期政治・社会運動史論1948-1950』(大月書店、2011年)という2冊の成果をまとめて解散している。
 その後、この研究会の一員であった木下真志氏の提起によって、新たな研究会を立ち上げることになった。大原社会問題研究所にはオーラル・ヒストリーを中心とする研究プロジェクトが活動してきた歴史があった。これらの研究の系譜を受け継ぎ、戦後の社会党に焦点を当てたプロジェクトを立ち上げることには大きな意義があると考えたからである。
 このようなオーラル・ヒストリー関連の成果としては、『証言 産別会議の誕生』(総合労働研究所、1996年)、『証言 産別会議の運動』(御茶の水書房、2000年)、『証言 占領期の左翼メディア』(柏書房、2005年)、『人文・社会科学研究とオーラル・ヒストリー』(御茶の水書房、2009年)などがある。本書も、これらの研究の流れを受け継いでいる。
 私や木下氏とともにこの聞き取りに参加されたのは、雨宮昭一、有村克敏、岡田一郎、鈴木玲、芹澤壽良、園田原三、浜谷惇、兵藤淳史、細川正、中根康裕、南雲和夫、山口希望らの方で、事務局として活動を支えたのは大原社会問題研究所の枡田大知彦兼任研究員(当時、前半)と米山忠寛兼任研究員(後半)であった。このプロジェクトがこのような成果に結実することになったのは望外の喜びであり、聴き取りに応じ協力して下さった関係者はもとより、プロジェクトに参加された皆さんにも感謝したい。

 社会党は終戦の年である1945年11月2日に結成された。委員長は空席で片山哲が書記長に選出されている。以降、半世紀に及ぶ活動を積み重ね、1996年1月14日の第64回定期大会で党名を社会民主党に改め、苦難と波乱に満ちた歴史を閉じた。この時の党首は村山富市、幹事長は佐藤観樹であった。
 他方、総評は1950年7月11日に結成大会を開催した。議長に選出されたのは武藤武雄で、島上善五郎が事務局長になっている。以後、労働組合運動のナショナルセンターとして「昔陸軍、今総評」と言われるほどの影響力を発揮する時期もあった。しかし、次第に力を弱めて1989年11月21日に解散し、この日に結成された日本労働組合総連合会(連合)に合流した。このときの会長は山岸章で、事務局長は山田精吾である。
 社会党が社会民主党に党名を変えてから、すでに20年以上が経過した。総評が解散して連合に合流してからでも30年近くになる。社会党も総評も「歴史」となった。その組織と活動を支えた幹部の多くは鬼籍に入り、その足跡を証言できる方も日々減少している。本書に収録されている証言者も三分の一ほどの方が亡くなり、本書での証言は「遺言」とも言えるものになっている。
 聴き取りの対象は国会議員や幹部として活躍された「ライン」よりも、裏方として実際上の活動を担った「スタッフ」を重視して選定した。これらの人々こそが社会党や総評の軌跡や内実をよく知っており、実際の姿を浮き彫りにするうえで貴重な証言が得られるのではないかと考えたからである。それは現場で苦闘した「内なる声」として貴重であるだけでなく、その時々の選択の背景を知ることができる「歴史の声」としても大きな価値がある。
 その狙いが裏付けられているかどうかは本文の証言によって確かめていただきたい。少なくとも、このような証言者の協力を得ることができたところに本書の特徴があり、一定の価値も生まれているのではないだろうか。表舞台ではない舞台裏で活躍した人々の証言は、マスコミで報道されることのない秘められた実像を浮かび上がらせているからである。

 民主党中心の連立政権の失敗に対する反動から、自民党はその支持基盤を再び強化し安倍晋三政権の樹立に成功した。他方で、野党陣営は分裂と再編を繰り返し、日本の政界は〝一強多弱〟の状態に陥った。総評に代わって日本の労働組合のナショナルセンターとなった日本労働組合総連合会(連合)も労働環境の悪化に対して「物わかりの良い」対応に終始し、労働者を守る組織としての役割を充分に果たしているとは言い難い。
 このような状況を打破するためには、先人の言動に学び、そこからの教訓を引き出し、野党や労働組合が何をなすべきかというヒントを得る努力をする必要があるのではないか。本書はそのような思いから編まれた。
 本書の対象である「社会党―総評ブロック」は自民党とともに「55年体制」を支えた柱であり、戦後政治を担った屋台骨の一つでもあった。しかし、ほんの一時期を除いて政権に参画することはなく、結果としてみれば「万年野党」の地位に甘んずることになった。
 その原因は、どこにあったのか。本書に収録された証言の中からその答えのヒントを探ることができるに違いない。そのためにも、社会党・総評の軌跡と内実を振り返り、その活動に青春をかけ人生を費やした人々の声に耳を傾けていただければ幸いである。                                      

 なお、本書に収録した証言は『大原社会問題研究所雑誌』に連載されており、本書はそのエッセンスである。それぞれの証言者が政治や社会に関心を持ち、社会党や総評の活動に加わるようになった経緯や背景についての回顧は基本的に削除した。省略部分についての証言も知りたいと思われる方は、各証言の末尾に記されている『大原社会問題研究所雑誌』の掲載号を参照していただきたい(ウェッブ上のURLにもアップされている)。
 また、収録されている証言には質疑が付随していないものもある。これは雑誌編集上の方針の変化を反映したものであり、特別の意味があるわけではない。

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1月1日(火) 新年のごあいさつ [日常]

 明けまして、おめでとうございます

 昨年は、『打倒 安倍政権―9条改憲阻止のために』を学習の友社から出版しました。本年は、聴き取りをまとめた『日本社会党・総評の軌跡と内実』(仮題)を共編で大原社会問題研究所叢書として刊行する予定です。
 この間、ダイエットに挑戦して15キロの減量に成功しました。これからはスリムになった姿でお目にかかれると思います。
 今年も、統一地方選挙と参議院選挙が続きます。市民と野党の共闘の前進と政治革新のために引き続き力を尽くす所存です。本年も忙しい1年になりそうですが、よろしくお願いいたします。

 2019年元旦

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