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4月23日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月23日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:少子化詐欺、年金、保険証でも総スカン 錯乱? 悪あがき? 岸田首相が島根入りとはいい度胸

 これはブラックジョークか、白日夢か。果たして、法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。

 「3補選は島根しか戦えない。ここを落とせば大変なことになる。そういう危機感からの行動なのでしょうが、それが逆効果になるかもしれないという判断力がない。鈍感ですね。裏金問題は安倍派の問題で、自分は関係ないと思っているのだとしたら、とんでもない話です。大臣規範にあるパーティーの自粛や派閥離脱のルールを守らず、政治改革に後ろ向きだったのは岸田首相自身です。宏池会の元会計責任者が立件されているのに、自分は何の責任も取っていないし、党の処分も下らなかった。どのツラ下げて来るんだという自民党支持者も多いでしょう。結局、岸田首相は聞くふりをしても聞き流して理解しようとしない。リーダーとしての資質の欠落を思い知らされました」

 共同通信の世論調査では岸田が自分に処分を下さなかったことに78.4%が「納得できない」と答えている。

 こうした数字を見せられれば、「応援に入ってくれ」と頼まれても遠慮する。それがまともな人間の判断だ。まして、地元は「来るな」と拒絶していたというではないか。

 そういえば、茂木幹事長が島根に告示日にも入らなかったのは「補選3連敗すれば、岸田首相が退陣に追い込まれ、自分にお鉢が回ってくるとの読みだろう。サボリだ」なんて“解説”もあった。茂木は週明けに入るらしいが、そのやる気のなさや東京15区の推薦を巡る混乱で更迭論が渦巻いている。

 一方、20日に島根の応援に入った小泉進次郎元環境相は「悪いのは自民党だ」「候補には関係ない」などという“珍演説”で失笑を買った。

 それやこれやを見せつけられると、もはや、自民党が完全にぶっ壊れたのがよくわかる。ここは有権者がきっちり、引導を渡し、政界から引きずり降ろさなければ駄目だ。

 「この期に及んで、この政権に緊張感がないことに驚かされました。国民の声に謙虚に耳を傾け、敏感に対処する。そうして信頼を回復する。それしか方法はないのに首相を筆頭に弛緩している。何十人もの議員が処分されて人材も払底したうえに、有権者に真摯に向き合う緊張感もなければ、どんどん、国民とは乖離した政治になっていく。ここは自民党再生のためにも有権者の手で下野させることが一種の親切というものです。この3補選をその皮切りにし、今後、あらゆる選挙で自民党に引導を渡していくことが必要です」(五十嵐仁氏=前出)

 前評判では激戦などと言われている島根1区だが、大差で思い知らせるしかない。

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4月22日(月) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月21日付に掲載されたものです。〕

*記事:マイナ保険証“洗脳計画”GWに政府ゴリ押し 厚労相「利用率にかかわらず廃止」発言は大炎上

■湯水のごとく税金を使っても「死に金」に

 また、厚労省は集中取組月間中にマイナ保険証の利用者数を増やした診療所には最大で10万円、病院には最大で20万円の一時金を用意する。

 昨年度の補正予算で計上した「医療機関への利用促進支援」事業費217億円を利用するロコツなニンジン作戦である。

 「マイナ保険証が真に国民の利便性を高める制度なら税金を使わずとも、利用率は自然と増えるはず。現状9割以上の国民が『不要』と感じているのに、ムリに押し付けようと湯水のごとく税金を使ってもムダ。完全な死に金となり、国民生活には一銭の足しにもなりません。国民の利便性よりも政権のメンツを優先させているだけ。カネの力で異論を押し潰すのは、まさに独裁政権さながらです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 マイナ洗脳計画に支配されるほど、日本の民意は廃れていないと信じたい。


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4月14日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月14日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:小池“女帝”も絶体絶命だろう この際、政界から悪人の一掃が必要

 5人衆といった幹部だけでなく、裏金をつくっていた安倍派の中堅若手まで「派閥の指示に従っただけだ」などと、子どもじみた言い訳を平然としていた。

 もう、既成政治家に期待しても無駄なのではないか。いま必要なことは、亡国外交でいい気になっている岸田首相を含めて、この国の政界に巣くっている連中を一掃することだ。

 「メディアに引きずられ、一方に流れる国民も、考えを改めるべきです。たとえば、麻生副総裁が『ポスト岸田候補』として、上川外相の名前をあげると、メディアが大きく取り上げ、その途端、世論調査でも上川外相が『ポスト岸田候補』の上位に名を連ねるようになっています。でも、麻生副総裁が名前をあげる前と後で、上川外相に変化があったわけではないでしょう。小池知事が総理候補と持ち上げられたのも、同じ理由でしょう。いま日本は、平和か戦争か、貧困か繁栄か、分かれ道に立たされている。その意味でも、どんな政治家を選び、誰を排除するのか、非常に重要な局面です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 国民も覚悟が問われている。

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4月13日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月13日付に掲載されたものです。〕

*記事:永田町にまた吹き始めた「6月解散風」の舞台裏…内閣支持率最低更新なのにナゼ?

 野党も「信を問うのは当然だ」(立憲民主党・泉代表)などと早期解散機運に沸くが、そこには野党なりの事情がある。

 「情勢調査の数字がすこぶる良く、政権交代並みだった。こちらとしては岸田首相のままで選挙をしたい。早期に解散してほしい」(立憲関係者)

 一方、早期解散を絶対阻止したいのは公明党。自民と一蓮托生で大幅議席減が避けられない。

 「ここまで自民党が乱れてしまったら、国民の審判を受けるのが憲政の常道。早く解散して信を問うべきです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 破れかぶれ解散、大歓迎である。

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4月12日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月12日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:台湾と能登の差は歴然 岸田首相よ、武器よりも命を守る防災だろう

 本気で国民の命を守るというのなら、優先すべきは大軍拡ではない。喫緊の課題である災害対策を充実させるべきだ。元日に最大震度7の能登半島地震が発生してから、10日で100日の節目が過ぎても、今なお6000人以上が避難所生活を強いられている。

 この間にも日本列島は揺れ続けている。先月15日には福島県沖、21日は茨城県南部を震源とする震度5弱の地震が発生。今月に入っても、2日には岩手県沿岸北部、8日は宮崎県の大隅半島東方沖を震源とする震度5弱の地震が起きている。石川県では今なお余震が頻発している状況だ。

 大軍拡に血道を上げる前に、いち早く防災に取り組むべきではないか。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「武器は使えば戦争につながり、使わなければ無用の長物です。米国のための大軍拡より、防災を優先すべきなのは言うまでもありません。ところが、岸田首相は米国にいい顔をしたいと考えているのでしょう。加えて、訪米によって『外交の岸田』をアピールし、裏金事件で低迷する支持率を回復させたい思惑がミエミエです。国民はこうした謀略にだまされてはいけません」

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4月10日(水) 自民党の裏金疑惑と岸田政権の行き詰まり [論攷]

〔以下の論攷は『八王子学術・文化日本共産党後援会ニュース』No.27、2024年4月5日付に掲載されたものです。〕

 「赤旗」の追及に「白旗」を上げた自民党、というところでしょうか。自民党の政治資金パーティ―をめぐる裏金疑惑です。政治倫理審査会(政倫審)に岸田首相や安倍派の事務総長経験者などの幹部9人が出席して釈明しましたが、誰がいつどのようにして始め、何に使ったのかなど肝心なことは何一つ解明されませんでした。
 裏金についての疑惑が晴れたというより、一層深まったというしかありません。ハッキリしたことは、政倫審ではハッキリしないということです。嘘をついたら罰せられる証人喚問が必要です。
 岸田首相は「火の玉」になって取り組むと言っていましたが、「火だるま」になってしまいました。「解党的出直し」とも言っています。でも「解党」だけで結構、「出直す」必要なし、というのが国民の「回答」でしょう。
 安倍派の事務総長経験者などの処分が検討されていますが、誰が何をやりどのような責任があるのかが不明なまま幕引きを図ろうとしているように見えます。そもそも、各自の「罪」がはっきりないのに、どのような「罰」を与えようというのでしょうか。
 今回の裏金疑惑は、個々の政治家と個別企業との間ではなく、自民党という政党全体と企業総体の献金という組織的犯罪です。その根は深く、再発を防止するためには献金自体を禁止するしかありません。そもそも30年前の政治改革で政党助成金が導入されたとき、企業・団体献金は禁止されるはずだったのですから。
 それにしても、自民党はここまで腐ってしまったのか、と暗澹たる思いでいっぱいです。 岸田首相も総理就任祝いのパーティ―や統一協会との癒着についての疑惑があり、女性局がパリで研修名目の観光をしていたころ青年局は和歌山で女性ダンサーを招いてのふしだらなパーティ―にうつつを抜かしていたのですから。
 このようなスキャンダルの背後で、大軍拡に向けての動きだけは着々と進行し、政府は殺傷兵器の最たるものである戦闘機を輸出する閣議決定を行いました。「歯止め」に実効性はなく、国会は関与できません。1976年の国会答弁で宮沢喜一外相は「わが国は武器の輸出をして金を稼ぐほど落ちぶれていない。もう少し高い理想を持った国であり続けるべきだ」と述べていました。
 平和国家としての「高い理想」を忘れて「落ちぶれて」しまったのが、今の日本です。「9条の経済効果」を失って国力を弱め、長期停滞で実質賃金は増えず、国内総生産(GDP)でドイツに抜かれて世界第4位になりました。1人当たりGDPでは27位、国際競争力では35位です。
 昨年の出生数は過去最低で、死者数から出生数を引いた減少数は過去最大になっています。日本の政治・経済・社会はどれも危機に瀕し、がけっぷちにさしかかっています。そこから抜け出すには、自民党政治を終わらせるしかありません。
 裏金疑惑で窮地に陥っている岸田首相に引導を渡す唯一可能で必要な道は、市民と野党の共闘です。非共産の壁を取り除いて野党が大同団結すれば、政権交代は可能だという発言が相次いでいることも注目されます。
 大島理森元衆院議長は「野党各党が覚悟を決めて大同団結し、無党派層も流れていったら、野党が強くなる可能性はある」(『朝日新聞』2月23日付け)と指摘し、細川護熙元首相は「細川政権の8党派の時は非自民・非共産だったが、今度は共産党だって一緒にやった方がいい。そのくらいまでも抱合するような政治改革政権を目指すのがいいのではないか」(同2月27日付け)と述べています。
 裏金疑惑の発端は共産党の『しんぶん赤旗』日曜版によるスクープでした。政党助成金を受け取らず最もクリーンな政党は共産党です。市民と野党の共闘でも大きな役割を担っていただきたいと思います。岸田政権打倒に向けての追撃戦の先頭に立って共産党が共闘をリードし、今度こそ自民党政治の息の根を止めてもらいたいと大いに期待しています。


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4月3日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月3日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:論調査も政権交代へ 形式 的な大甘処分に国民の驚愕

 ここにきて岸田が処分を急いでいるのも、政権浮揚の足がかりにしたい国賓訪米までの逆算ゆえ。サッサと裏金事件にケリをつけ、来週に迫る晴れ舞台に臨めば、沈滞ムードは一掃と踏んでいるのだろう。自分にもとことん甘いのが「岸田の常識」なのである。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。

 「派閥ぐるみの裏金づくりで誰がどんな役割を果たしたのか、真相究明はそっちのけ。ロクな調査もせず、裏金の多寡と役職の軽重のみで処分を急ぐから『罪なき罰』の適当な処分となり、後は頬かむり。いつもの『やってる感』の演出に大手メディアも手を貸しています。安倍派幹部4人の処分について自民党の言い分を垂れ流し、なれ合い関係で処分の相場観を勝手に醸し出す。それより重くなると一緒になって『厳しい処分』などと言い繕い、批判の逃げ道を用意する始末です」

 そもそも安倍派のキックバック復活はそれほど重要か。大罪のように扱う大マスコミも「永田町の常識」に染まっている。安倍派の裏金づくりは1990年代後半ごろに始まった疑いがある。四半世紀に及ぶ長期間、悪しき慣習が継続した「非常識」に目を向け、その深い闇を暴く方が、よっぽど重要だろう。


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3月30日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月30日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:世紀の倒錯が進行中 丸ごと腐敗政党が党内処分で幕引きを狙う茶番劇

■焼け太りは常套手段

 実際、内閣支持率が2割を切るまでに国民の信頼を失った総スカン政権なのに、やりたい放題の倒錯はむしろ加速している。

 26日には、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の第三国輸出の解禁を閣議決定。高い殺傷能力を持つ戦闘機の輸出は、憲法9条の下の「平和国家」の変容以外の何物でもない。輸出ルールは慎重姿勢の公明党に配慮して「個別案件ごとに閣議決定」としたが、そもそも国会が関与する仕組みがないのは問題だ。

 高齢者イジメもますます進む。来月から75歳以上の後期高齢者の健康保険料が引き上げられ、年金の実質支給額も減らされるのだ。もう、メチャクチャじゃないか。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「裏金事件に国民の関心や野党の追及が集中しているのを逆手に取って、岸田政権は大軍拡、大増税、国民負担増にまっしぐらです。大メディアが『処分はどうなる』など政局報道にかまけている背後で、やりたい放題と焼け太りの政治が着々と進行していく。もっとも、自民党政権はずっとそういうことをやってきた。焼け太りは彼らの常套手段です。腐敗政党を政権の座から追い落とさないと、国民生活は救われない。国民がそれに気づいて引導を渡すことができるのかどうかが、問われているのです」

 もはや、待ったなし。あらゆる選挙での決起が必要だ。


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3月28日(木) 自民党政治の混迷と野党共闘の課題――「受け皿」を作って政権交代を(その2) [論攷]

〔以下の論攷は『学習の友』No.848 、2024年4月号に掲載されたものです。2回に分けてアップさせていただきます。〕

 厳しい批判と攻防の構図 

 このようなスキャンダルの連発によって、岸田政権と自民党は世論の厳しい批判を浴びています。時事通信が実施した2月の世論調査で、岸田内閣の支持率は前月比1.7ポイント減の16.9%で発足以来の最低、毎日新聞では支持率14%で不支持率82%でした。不支持率の8割越えは1947年以来初めてです。
 しかし、このような支持率の低下が自民党支配の打倒に直ちに結びつくわけではありません。これまでも自民党はペテンとゴマカシによって支配の危機を乗り越え、生きながらえてきたからです。
 たとえば、金丸巨額脱税事件で国民の怒りを買い、総選挙で自民党が敗北して細川連立政権が樹立されたとき、金権腐敗打破を掲げた政治改革が選挙制度改革にすり替えられ、小選挙区比例代表並立制と政党助成金制度が導入されました。このとき政権から転落した自民党は大政党に有利な選挙制度を導入し、助成金と企業・団体献金との二重取りによって「焼け太り」してしまったのです。
 また、森喜朗首相が数々の失言によって世論の批判を浴び、内閣支持率を一けたにまで低下させたとき、総裁選を前倒しして小泉純一郎総裁を選出し、その後の総選挙で自民党は大勝して息を吹き返しました。小泉首相は「自民党をぶっ壊す」と言いながら自民党を救いました。「小泉劇場」による「目くらまし」が功を奏したわけです。
 現在、危機に陥っている自民党は、この「小泉劇場」の再現を狙っているのかもしれません。菅前首相を黒幕とする「小石河」(小泉・石破・河野)の暗躍もうわさされています。金丸巨額脱税事件での「焼け太り」や「小泉劇場」による「目くらまし」を許すことになるのか、野党や国民にとっての正念場が訪れようとしています。

 共闘で「受け皿」を作れば勝てる

 支配の危機を自民党政治の打破に結び付けるための最大のカギは市民と野党の共闘です。野党は「受け皿」作りを急ぎ、一致して自民党を追い詰める必要があります。「振り子の論理」による派閥間の「疑似政権交代」によるマヤカシに騙されてはなりません。
 「疑似」ではなく「真正」の政権交代を実現するためには、野党が一本化して自民党と対決する必要があります。共闘すれば勝てるけれど、分裂すれば勝てないというのが、この間の地方選挙で示された教訓です。
 前橋市長選挙では、自民・公明に支援され4選を目指した無所属現職候補に対して野党が支援した無所属新人の元県議が初当選しました。1万4000票余もの大差でした。与野党が一本化して対決し、「保守王国」とされる群馬の県庁所在地で野党側が勝利したのです。
 これに対して、私が住んでいる八王子市長選挙では、野党側が分裂したために惜敗に終わりました。萩生田前政調会長などの自民党と公明党が支援する現職市長の後継候補が6万4000票と大きく票を減らしたにもかかわらず、「反萩生田連合」の候補が5万7000票と、7000票差で惜敗しました。
 この候補者は元都民ファーストの都議ながら無所属となって立憲・共産・生活者ネット・社民・新社会の野党だけでなく、元自民党衆院議員や2人の元自民党市議会議長の応援を得ましたが、もう一人の元都民ファーストの都議で完全無所属を掲げた候補が4万5000票を獲得したために当選できませんでした。「反萩生田」の票は2人合わせて10万2000票と自公推薦候補を大きく上回っていたにもかかわらず。
 まことに、惜しい結果でした。「野党が覚悟を決めて大同団結し」(大島理森・元衆院議長)、力を合わせて統一していれば勝てました。国会議員の応援を断ったのも問題です。主敵を絞って総力を結集し、あらゆる手段を駆使して市民と野党が共闘する大切さを痛感させられたものです。


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3月27日(水) 自民党政治の混迷と野党共闘の課題―「受け皿」を作って政権交代を(その1) [論攷]

〔以下の論攷は『学習の友』No.848 、2024年4月号に掲載されたものです。2回に分けてアップさせていただきます。〕

 混迷を深める自民党政治
 
 「大山鳴動して鼠3匹」というところでしょうか。自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑です。検察の腰砕けにはあきれてしまいました。政治家では池田佳隆衆院議員が逮捕され、大野泰正参院議員が在宅起訴、谷川弥一衆院議員が略式起訴されたにすぎません。
 疑惑の渦中にあった塩谷立元文部科学相などの安倍派トップや松野博一前官房長官、高木毅前国対委員長、萩生田光一前政調会長、西村康稔前経産相、世耕弘成前参院幹事長の「安倍派5人衆」、二階派会長の二階俊博元幹事長らはおとがめなしとなってしまいました。
 自民党は「政治刷新本部」を設置して「中間とりまとめ」を発表しましたが、政治資金パーティーの禁止は運用面での取り組みにすぎず、禁止する法改正にまでは踏み込んでいません。企業・団体献金の禁止や連座制導入への言及もありません。
 また、自民党は全議員対象のアンケートを実施して調査結果を公表し、安倍派や二階派の議員らに対する聞き取り調査の結果も明らかにしました。アンケートによって不記載は85人、5億7949万円だったことが明らかになりましたが、誰の指示で、いつからどのように裏金作りをはじめたのか、そのお金を何に対してどのように使ったのかという核心部分は明らかにならず、「事実上のゼロ回答」と報じられました。
 聞き取りでも、裏金作りは約20年以上も前から始まっていたとされますが、詳細は明らかになっていません。一連の対応によって露呈したのは、自民党の自浄能力のなさです。自民党任せにせず、国会が真相解明に取り組む必要があります。
 野党は裏金作りが判明している衆院議員や参院議員83人の政治倫理審査会(政倫審)への出席を求めました。岸田首相をはじめ安倍派の幹部などが出席しましたが、自己弁護の言いっぱなしや虚偽答弁が可能な政倫審は、説明責任を果たしたという免罪符を手にして幕引きに利用されたにすぎませんでした。疑惑を深めただけで真相解明には結びつかず、参考人招致や罰則付きの証人喚問が必要になっています。

 次々に出てくる疑惑の数々

 自民党の「政治とカネ」をめぐっては、政治資金パーティーによる裏金作り以外にも、次々と新たな疑惑が生じています。政治資金収支報告書の訂正では、萩生田前政調会長が「不明」ばかりで大きな批判を浴びました。不記載額がトップだった二階元幹事長は、書籍代に3660万円も支出しており、政党から議員個人へのつかみ金となっている政策活動費が5年間で48億円という巨額に上っていることも判明しました。
 岸田首相自身にも、総理就任を祝うパーティーについての疑惑が浮上し、松野前官房長官については退任直前に官房機密費4660万円を自分に支出していたことが暴露されました。茂木敏充幹事長の選挙経費「二重計上」疑惑や甘利明元選挙対策委員長が全国を回って裏金を配っていた疑いなど、まさに「底なし沼」のような腐敗ぶりです。
 加えて、統一協会(世界平和統一家庭連合)との癒着についての新た疑惑も浮上しました。所管大臣である盛山正仁文科相が統一協会と関連する団体の集会に出席し、政策協定にあたる推薦確認書に署名していた写真が朝日新聞に掲載されたからです。これについては自民党の点検でも報告されていませんでした。
 盛山文科相は国会での質疑で「記憶にない」を連発し、岸田首相は「関係を断っている」と弁護していましたが、最近まで協会の友好団体の機関誌が送り付けられていました。立憲民主党は文科相の不信任決議案を衆院に提出しましたが、自民・公明・維新の多数で否決されています。
 この間、林芳正官房長官も推薦確認書を提示して署名を求められていたことや岸田首相も盛山文科相と一緒に写っていた協会幹部と同じ写真に写っているなど、統一協会との新たな接触も明らかになっています。まさに、際限のない癒着ぶりというほかありません。


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