10月31日(金) 書籍や資料が紙のゴミに見えているのではないか [旅]
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拙著『労働再規制-反転の構図を読みとく』(ちくま新書)刊行中。240頁、本体740円+税。
ご注文はhttp://tinyurl.com/4moya8またはhttp://tinyurl.com/3fevcqまで。
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社会・労働関係資料センター連絡協議会(労働資料協)http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/rodo/top.htmlの総会を終えて、昨日、「橋下台風」が吹き荒れている大阪から帰ってきました。好天に恵まれ、爽やかな秋の風が心地よかった、と言いたいところですが、私が訪問したところはどこも、橋下府知事による予算カットや人員の削減で大変な状況でした。
総会の会場は「エルおおさか」にある大阪社会運動協会(社運協)です。地下鉄の駅を出たところに、「エルおおさか」の表示がありました。
かなり前に来たことがありましたが、もう忘れるほどの昔です。この建物の4階に社運協があります。この社運協が運営を委託されていた大阪府労働情報総合プラザが橋下府知事によって廃止されてしまうという大事件が起きました。
「大阪社会運動資料センター」への補助金も全額カットされました。この両方を統合して新たに発足したのが大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)http://shaunkyo.jp/index.htmlです。
この会館には連合大阪も入っていて、その会議室を借りて総会が開かれました。全国の社会・労働関係の資料館、図書館などや労働関係資料の収集や保存に関心を持つ個人の方など二十数人の参加です。
総会終了後、10月21日に開館したばかりで、まだ「湯気」が立っているようなエル・ライブラリーを見学させていただきました。以前、労働情報総合プラザがあった場所も見せていただきましたが、処分される本が山積みになっていて惨憺たるものでした。
貴重な文化財である書籍も、その価値が分からない人にとっては「ゴミの山」に見えてしまうのでしょう。そのように見えてしまう人の頭の中こそ、「ゴミ」だらけなのではないでしょうか。
翌30日には、「がんばれ!大阪人権アーカイブ」と銘打って見学ツアーを行いました。訪問したのは、今回の大阪府の補助金廃止・見直しの対象となった以下の3つの施設です。
ピースおおさか・大阪国際平和センター http://www.peace-osaka.or.jp/
大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)情報ライブラリー http://www.dawncenter.or.jp/top/index.jsp
大阪人権博物館(リバティおおさか) http://www.liberty.or.jp/
エル・ライブラリーを含めたこれらの施設は、いずれも、労働、平和、ジェンダー、人権という、極めて重要かつ今日的な問題を扱っています。感心したのは、どこも東京にはないような立派な施設だったということです。
いわばこれらは全て、これまでの大阪での社会運動や文化運動の成果であり、その蓄積のたまものであるといえます。橋下知事は、その水準の高さを誇ってしかるべきなのに、潰そうというのですから呆れてしまいます。
これらの施設を潰したり削減したりすることによって得られる財政上の節約効果は微々たるものですが、失われる社会的文化的資産や価値は極めて大きなものです。橋下知事には、そのような「計算」すらできないのでしょうか。
最初に訪問した「ピースおおさか」は、大阪城公園の一角にあります。少し早めに到着した私は、近くを散策しました。
そのとき、石でできた碑を見つけました。碑には、「永遠の平和を願って」という表題の下に、次のような文字が刻まれていました。
人間にとって、戦争ほど恐ろしいものはありません。
その苦しみや残酷さを知った戦傷病者とその妻が、永遠の平和の願いをこめて植樹し、この碑を建てました。
どうかいつまでも知っていてください。
1992年3月
大阪傷病軍人会 同妻の会 会員一同
現在、公園となっている大阪城の周辺一帯は、戦時中、大阪砲兵工廠の工場群がありました。火砲を主体とした兵器を製造し、東洋一の規模だったそうです。
ここは、終戦間際の8月14日の午後、約150機のB29による大空襲を受け、8割以上が破壊されました。死者382人を数えたそうです。先ほどの碑を建てた人々の中にも、この空襲の犠牲者がおられたかもしれません。
終戦後も不発弾の多い焼跡は危険だということで放置され、約20年間、更地のままだったそうです。ここに残された残骸の鉄くずを奪う「アパッチ族」と取り締まる警官との攻防を、開高健は小説に描いています。
今はきれいに整備されている大阪城公園ですが、そこもまた戦争の傷跡を深く残す場所だったのです。「どうかいつまでも知っていてください」と公園の碑が訴えているように、忘れてはならない過去があるのです。
ということで、明日、11月1日(土)午後2時半から、一橋大学の大学祭「一橋祭」で、戦争と平和の問題について講演します。興味・関心のある方に足を運んでいただければ幸いです。
拙著『労働再規制-反転の構図を読みとく』(ちくま新書)刊行中。240頁、本体740円+税。
ご注文はhttp://tinyurl.com/4moya8またはhttp://tinyurl.com/3fevcqまで。
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社会・労働関係資料センター連絡協議会(労働資料協)http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/rodo/top.htmlの総会を終えて、昨日、「橋下台風」が吹き荒れている大阪から帰ってきました。好天に恵まれ、爽やかな秋の風が心地よかった、と言いたいところですが、私が訪問したところはどこも、橋下府知事による予算カットや人員の削減で大変な状況でした。
総会の会場は「エルおおさか」にある大阪社会運動協会(社運協)です。地下鉄の駅を出たところに、「エルおおさか」の表示がありました。
かなり前に来たことがありましたが、もう忘れるほどの昔です。この建物の4階に社運協があります。この社運協が運営を委託されていた大阪府労働情報総合プラザが橋下府知事によって廃止されてしまうという大事件が起きました。
「大阪社会運動資料センター」への補助金も全額カットされました。この両方を統合して新たに発足したのが大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)http://shaunkyo.jp/index.htmlです。
この会館には連合大阪も入っていて、その会議室を借りて総会が開かれました。全国の社会・労働関係の資料館、図書館などや労働関係資料の収集や保存に関心を持つ個人の方など二十数人の参加です。
総会終了後、10月21日に開館したばかりで、まだ「湯気」が立っているようなエル・ライブラリーを見学させていただきました。以前、労働情報総合プラザがあった場所も見せていただきましたが、処分される本が山積みになっていて惨憺たるものでした。
貴重な文化財である書籍も、その価値が分からない人にとっては「ゴミの山」に見えてしまうのでしょう。そのように見えてしまう人の頭の中こそ、「ゴミ」だらけなのではないでしょうか。
翌30日には、「がんばれ!大阪人権アーカイブ」と銘打って見学ツアーを行いました。訪問したのは、今回の大阪府の補助金廃止・見直しの対象となった以下の3つの施設です。
ピースおおさか・大阪国際平和センター http://www.peace-osaka.or.jp/
大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)情報ライブラリー http://www.dawncenter.or.jp/top/index.jsp
大阪人権博物館(リバティおおさか) http://www.liberty.or.jp/
エル・ライブラリーを含めたこれらの施設は、いずれも、労働、平和、ジェンダー、人権という、極めて重要かつ今日的な問題を扱っています。感心したのは、どこも東京にはないような立派な施設だったということです。
いわばこれらは全て、これまでの大阪での社会運動や文化運動の成果であり、その蓄積のたまものであるといえます。橋下知事は、その水準の高さを誇ってしかるべきなのに、潰そうというのですから呆れてしまいます。
これらの施設を潰したり削減したりすることによって得られる財政上の節約効果は微々たるものですが、失われる社会的文化的資産や価値は極めて大きなものです。橋下知事には、そのような「計算」すらできないのでしょうか。
最初に訪問した「ピースおおさか」は、大阪城公園の一角にあります。少し早めに到着した私は、近くを散策しました。
そのとき、石でできた碑を見つけました。碑には、「永遠の平和を願って」という表題の下に、次のような文字が刻まれていました。
人間にとって、戦争ほど恐ろしいものはありません。
その苦しみや残酷さを知った戦傷病者とその妻が、永遠の平和の願いをこめて植樹し、この碑を建てました。
どうかいつまでも知っていてください。
1992年3月
大阪傷病軍人会 同妻の会 会員一同
現在、公園となっている大阪城の周辺一帯は、戦時中、大阪砲兵工廠の工場群がありました。火砲を主体とした兵器を製造し、東洋一の規模だったそうです。
ここは、終戦間際の8月14日の午後、約150機のB29による大空襲を受け、8割以上が破壊されました。死者382人を数えたそうです。先ほどの碑を建てた人々の中にも、この空襲の犠牲者がおられたかもしれません。
終戦後も不発弾の多い焼跡は危険だということで放置され、約20年間、更地のままだったそうです。ここに残された残骸の鉄くずを奪う「アパッチ族」と取り締まる警官との攻防を、開高健は小説に描いています。
今はきれいに整備されている大阪城公園ですが、そこもまた戦争の傷跡を深く残す場所だったのです。「どうかいつまでも知っていてください」と公園の碑が訴えているように、忘れてはならない過去があるのです。
ということで、明日、11月1日(土)午後2時半から、一橋大学の大学祭「一橋祭」で、戦争と平和の問題について講演します。興味・関心のある方に足を運んでいただければ幸いです。
2008-10-31 19:52
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