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7月5日(月) 政権交代に向けてステップからジャンプへ―都議会議員選挙の結果について [選挙]

 注目の東京都議会議員選挙の結果が明らかになりました。各政党の獲得議席は以下のようになっていますが、ほぼ予想された結果です。

自民 33
都民 31
公明 23
共産 19
立民 15
維新 1
ネット 1
無・他 4

 秋の総選挙での政権交代に向けて、立憲野党は4月の3選挙でホップ、今回の都議選でのステップと勢いをつけてきました。今回の選挙での成果を踏み台に、野党連合政権の樹立による政権交代に向けて大きくジャンプすることが必要です。

 今回の選挙で目につく特徴の一つは、自民党の敗北です。前回の都議選で歴史的な惨敗を喫し、今回は復調すると見られていた自民党ですが、公明党との合計でも都議会の過半数を獲得できませんでした。
 その最大の要因は自民党に対する批判が予想以上に大きかったことにあります。今回の33議席は2009年の38議席を5議席も下回り、前回に次いで歴史上2番目の少なさでした。
 自民党は前回と今回、2度続けて敗北したのです。2009年の場合、その直後の総選挙でも惨敗して政権交代に結びつきました。今回もそうしなければなりません。

 第2の特徴は、都民ファーストの会が31議席を獲得して踏みとどまったことです。その最大の要因は、菅政権のコロナ失政と五輪強行への都民の批判の「受け皿」となったことにあります。
 もちろん、都議選で「育児放棄」してしまった「生みの親」の小池都知事が、選挙戦の最終盤にアリバイ的な応援に駆け付けたことも一定の効果を生み出したでしょう。しかし、それ以上に自公政権に対する不満と反発の方が大きかったのではないでしょうか。
 総選挙になった場合、都民ファーストに投じられた票は与党ではなく野党の方に流れる可能性が大きいように思われます。今回の結果に自民党は大きな衝撃を受けているそうですが、総選挙に向けてのマイナス要因の大きさの本当の意味を理解していないのではないでしょうか。

 三つ目は、野党共闘の威力が十分に発揮されたことです。菅政権のコロナ失政や五輪強行に対する都民の反発や批判のもう一つの「受け皿」になったのが、共産党と立憲民主党でした。
 共産党の19議席と立憲民主党の15議席を合計すれば34議席となって「都議会第1党」になります。共同歩調を取ることができれば、今後の都政運営においても大きな存在感を示すことができるにちがいありません。次の都知事選に向けての橋頭保を築いたという意味でも、今回の結果は重要です。
 市民と野党の共闘の威力をはっきりと示したのは、1人区で当選した小金井選挙区と武蔵野選挙区でした。前者では野党の各政党・政派が協力して推薦した無所属候補が当選し、後者では立憲民主党の候補者が当選しました。
 2人区や3人区でも共闘によって当選が可能になった候補者が続出しています。「活路は共闘にあり」ということが、またもや実例をもってはっきりと示されたわけで、これこそが総選挙に向けてかみしめるべき最大の教訓だと言うべきでしょう。

 第4に、このような共闘の要や推進力として尽力し、立憲民主党よりも多くの候補者、とりわけ最多の女性候補者を当選させた共産党の健闘も特筆されます。今回の19議席は前回と同数ですが、改選議席からすれば1増になります。3回連続での前進は初めてではないでしょうか。
 共産党の当選者のうち14人が女性で、定数2の選挙区で3人が当選し、4選挙区でトップ当選になっています。落選したものの目黒区の候補者は6票差で、北多摩3区の候補者は354票差の惜敗でした。当選者の数以上に、その質的内容には見るべきものがあります。
 この共産党との選挙協力や政権合意に対して連合や国民民主党から妨害や抵抗がありましたが、それは客観的には立憲野党の足を引っ張り、菅自公政権を助けるものだということがはっきりしました。立憲民主党が本気で政権交代をめざすのであれば、共産党と政権を共にすると腹を固め、枝野党首は支持団体の連合を説得するためにリーダーシップを発揮するべきでしょう。

 秋の解散・総選挙に向けて、何を目標に、どうするべきかが明確になったというのが、今回の都議選の最大の成果ではないでしょうか。菅政権をさらに追い込み、市民と野党の共闘によってはっきりとした政権批判の「受け皿」を分かり易く、目に見えるような形で提起することです。
 五輪を中止してコロナ対策に全力を尽くすことが、ますます切実で重要な課題になってきています。連日、コロナ感染者は前の週の数を上回り、すでに第5波が訪れていることは否定できず、インド発のデルタ株にペルー発のラムダ株など感染力の強い新種の変異株が海外から持ち込まれるリスクも高まっています。
 このままでは、五輪は新型の変異株の「国際見本市」やコロナ株の「万国博覧会」になりまかねません。各種の変異株が混ざり合ってさらに強力な感染力を持つ「五輪株」が生まれ、五輪後に世界中にばらまかれるなどということになったら、菅政権はどう責任を取るのでしょうか。

 いよいよ、日本の政治は正念場を迎えようとしています。「新しい政治」の実現に向けての条件は整備されつつあります。
 それをどう現実の力へと変えていけるのか。政治を変えよう、変えたいと考えている人々の本気度と熱量が試されようとしています。都議選の結果をステップとし、政権交代の大飛躍を生み出すジャンプに向けて。

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7月2日(金) 東京都議会議員選挙での立憲野党へのご支持・ご支援を訴える [選挙]

 激しくたたかわれている東京都議会議員選挙も、いよいよ明後日の投票日が近付いてきました。投票所に足を運び、小池都政を支えてきた都民ファーストの会・自民党・公明党に審判を下し、野党として対峙してきた日本共産党と立憲民主党の立憲野党へのご支持・ご支援をお願いしたいと思います。
 首都・東京の議会選挙の結果はその後の国政の行方に直結しますので、いつの時代でも注目集めてきましたが、とりわけ今回の都議選はこれまでになく重要なものとなっています。とりあえず、以下の6点にわたって今回の都議選の意味と意義を明らかにしておきたいと思います。

 第1に、これまでの小池都政とその与党に対する審判の機会だということです。新型コロナウイルスの感染対策を始めとした都政運営の継続か転換かが問われています。
 都立・公社病院の独立行政法人化、首都の上空を飛行機が通る羽田新ルート、陥没事故を引き起こした外郭環状道路の建設、カジノの導入なども含めて、都議選の結果次第で都政のあり方と今後の行方が左右されます。小池与党の都民ファーストの会だけでなく、実質的な与党になっている自民党と公明党の議席を減らすことで、これらの施策の中止や転換を実現しなければなりません。
 また、小池与党の議席を減らして野党の議席を増やすことができれば、3年後の都知事選挙に向けて明るい展望を切り開くことができます。今回の都議選は、長年にわたった保守都政の打倒と革新都政の奪還に向けての前哨戦であり、次の都知事選勝利に向けての第一歩でもあります。

 第2に、コロナウイルスの感染拡大の下での選挙であり、命を守るための選択が問われています。都民のいのちと暮らし、営業を脅かしている新型コロナ対策に活を入れる重要な機会になります。
 菅政権と小池都政による無為・無策・無能・無責任なコロナ対策が失敗したことは誰の目にも明らかでしょう。対策が功を奏して沈静化に成功していれば、3度も緊急事態宣言は必要なく、何度もコロナ感染の大波が訪れることもなったはずですから。
 緊急事態宣言が終了してまん延防止等重点措置に移行しましたが、その直後からリバウンドが始まり、もはや第5波が訪れていることも明瞭です。このような状況を直視し、失敗を真摯に反省して本気でやるべきことをやらせることが必要であり、今度の都議選ではまさに命を守るための選択が問われています。

 第3に、五輪中止に追い込む最大のチャンスが、1人1人によって意思表示できる今回の都議選だと言えるでしょう。その結果次第で五輪・パラリンピックを中止させることは可能であり、少なくとも無観客での実施を本気で検討せざるを得なくなるでしょう。
 選手や関係者を一般の人々から隔離する「バブル方式」を取るから大丈夫だと言われていますが、このやり方に効果がないことは、無観客で強行開催されたブラジルでのサッカー南米選手権で、隔離されていたはずの選手や関係者に160人を超える感染者が生まれたことから明らかです。観客を入れて実施されたロンドンでのサッカーのヨーロッパ選手権ではスコットランドからの観客2000人、ロシアではフィンランドからの観客300人が感染しました。
 東京五輪でも「バブル」には例外や特例が認められ、警備員や運転手、ボランティアなどが接触するなど内と外がつながっており、「バブル」の中には選手1万人以上、関係者4万1000人などが「密」になっています。競技への参加や観戦などで人の流れが増えることは確実で、それを防ぐためには競技そのものを中止するしかありません。

 第4に、各政党に対してジェンダー平等への本気度を問う選挙になっています。口先や形だけの政党に引導を渡して淘汰することで、女性議員の増大に向けて本気で取り組むように促すことが必要です。
 この点で、とりわけ注目されるのが共産党です。都議会で野党第1党だった共産党は、18人の都議団のうち13人が女性でした。今回の選挙での候補者でも女性の比率は58%と過半数を超え、2位の都民ファ―ストの会の38%を20ポイントも上回って断トツです。 
 先の通常国会では女性議員増進法が成立し、各政党に努力義務が課せられました。この法律の趣旨を踏まえて都議会での女性議員を増やし、ジェンダー平等を推進する施策を充実させるためにも、今回の選挙で女性議員を多数当選させることが必要です。

 第5に、市民と野党の共闘による初めての都議選であり、その真価が問われる選挙でもあります。定数が1人の1人区だけでなく2人区や3人区でも住み分け、選挙協力や相互支援の動きが生まれているのが、今回の選挙の特徴です。
 共闘が進めば進むほど、それへの妨害や抵抗も強くなります。先の3選挙や今回の都議選、間もなくやってくる総選挙にも連合からの横やりや国民民主党の消極姿勢などが目立ちますが、今回の都議選で共闘の威力が示され効果的だということが証明されれば、立憲野党間の連携や協力は一挙に広がるでしょう。
 『東京新聞』が6月26、27日に実施した世論調査では、都議選で投票しようと思う政党として、自民党18.4%、公明党6.5%に対して、共産党15.7%、立憲民主党13.6%となっていました。自公併せて24.9%よりも、共立合計の29.3%の方が上回っており、共闘次第では大きな展望が開ける可能性が広がっています。

 第6に、今年秋の10月か11月に実施されると見られている総選挙に直結し、大きな影響を与える選挙になっています。今後の政権のあり方や日本の政治の行方を左右する、これまでになく全国的な意義が大きい選挙だということを強調しておきたいと思います。
 私は「2009年に類似している今年こそ同様の政権交代を実現しよう」という1月24日付のブログで、「2009年の経験は、数多くの教訓を示しています」として、「政治日程と政治状況の類似性によって同様の結果が生み出される可能性があること、小選挙区制は一挙に当選者を入れ替える恐ろしい選挙制度であること、政権の失政と政権党に対する失望や批判は選挙結果を大きく左右する客観的条件であること、選挙協力と候補者調整は歴史的圧勝を生み出す主体的な条件であること、政権選択を迫って明確な『受け皿』を示せば投票率が上がり思いもよらぬ結果をもたらすことなど」を指摘し、次のように書きました。

 「現在の菅首相の無能さは09年当時の麻生首相に『劣るとも勝らない』ものであり、コロナ対策の失敗によって失望と怨嗟の声は全国に満ち満ちています。内閣支持率はかつてないスピードで低下し続けており、オリンピック・パラリンピックの開催も危ぶまれ、桜の花が咲く前に菅首相は散ってしまうのではないかと言われるほどです。
 しかも、野党の側での選挙協力は2016年以来の実績を積み重ねてきており、共産党が加わっていること、市民をも巻き込んで草の根から発展してきていること、政策合意を前提に政権担当を展望する方向が示されていることなどの点で、09年総選挙以上に質的に発展し強力なものとなっています。09年以上に、政権交代に向けての客観的主体的な条件は整っていると言えるでしょう。」
 事態は、この時に私が指摘したとおりに進行してきました。都議選の結果次第では、総選挙も2009年と同様の経過となり、政権交代へと結びつく可能性があります。

 とりわけ、都議会野党第1党となっている共産党の動向が注目されます。選挙戦は立憲野党全体にとって有利な状況の下で進行していますが、特に共産党はオリンピックの中止を早くから打ち出すなど論戦をリードし、対決点を明確にしてきました。
 共産党が議席を増やして都議会第2党となって副議長職を獲得し、立憲民主党も躍進して自民・公明で過半数を獲得できず、小池都知事に大きな打撃を与えることができれば、オリンピックの中止、少なくとも無観客での開催に追い込むことは十分に可能です。
 だからこそ、怖いのは油断です。『毎日新聞』の獲得予測で共産党は13~22議席となっていて、「地獄」と「天国」が共存しているような予想が示されています。有利な条件に確信を持つとともに、油断せず警戒心を高めて「大丈夫論」を克服できれば、「地獄」ではなく「天国」への扉を開き、日本の「新しい政治」を生み出せるにちがいありません。

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4月9日(金) 北海道・長野・広島の3補欠・再選挙での野党共闘候補の勝利を呼びかける [選挙]

 これからの日本を変えるかもしれない重要な選挙が始まりました。昨日告示された参院長野の補欠選挙と広島の再選挙です。
 13日には衆院の北海道2区補欠選挙も告示されます。この3つの選挙の投票日はいずれも4月25日ですが、その結果次第では日本の将来が大きく左右される可能性があります。

 この3選挙は、いずれも市民と4党2会派(立憲民主党、日本共産党、社民党、国民民主党、沖縄の風、碧水会)の野党共闘で闘われることになりました。その勝利に向けて、市民連合も各党に申し入れと意見交換を行っています。
 このような市民と野党の共闘の真価が問われる重大な選挙になっています。その勝利に向けて、私からも皆さんのご支援とご協力を呼びかけたいと思います。
 自民党は衆院北海道2区の補欠選挙に候補者を立てず不戦敗となっており、参院長野補選は立憲民主党の羽田雄一郎議員の急逝によって弟の羽田次郎さんが立候補し、有利に戦いを進めています。これに対して、参院広島での再選挙は自民党が強固な地盤を持っている所でもあり、厳しい闘いを強いられる宮口治子野党共闘候補には一段と大きな支援が必要です。

 東京でも、4月11日告示、18日投票で日野市長選挙が予定されており、野党共闘で有賀(あるが)精一日野市議が無所属での立候補を予定しています。昨日、私も有賀予定候補の応援に入り、日野市内8カ所で街頭演説を行ってきました。
 先日の小平市長選挙では野党共闘候補が勝利し、小林洋子新市長が誕生しています。日野市長選挙もこれに続き、野党共闘の力で有賀新市長を誕生させたいものです。
 これら一連の地方選挙での野党共闘の勝利を勝ち取り、長野・広島・北海道での3選挙での勝利に結び付けていけば、秋までには確実に実施される総選挙での野党共闘の勝利の可能性を高めるにちがいありません。野党連合政権の樹立の扉を開く極めて重要な意味を持つ選挙になります。

 これら3選挙での野党共闘の勝利に向けて、私も代表世話人の1人である全国革新懇がアピールを出しまし。以下に紹介させていただきます。

―衆院北海道(2区)補選、参院長野区補選、参院広島区再選挙―
3選挙の勝利で、政権交代へ、新しい扉を開こう

 4月25日投票の北海道(2区)、長野、広島3選挙が始まりました。きょう告示で羽田次郎氏(長野)、宮口はるこ氏(広島)、13日告示で松木けんこう氏(北海道)が立ち、いずれも「市民と野党の共闘」の統一候補でたたかわれます。この選挙で勝利することは、菅自公政権に痛打を与えるとともに、政権交代させ、野党連合政権を実現する歴史的な2021総選挙にむけて、大きな流れをつくりだす重要な意義を持ちます。全国革新懇はこの3選挙の勝利に力を尽くすとともに、全国からの支援をよびかけます。

 いま菅政権の金権にまみれた政治の私物化、国民のいのちとくらしを直撃する無為無策なコロナ対策、新自由主義をおしすすめてきた自公政治の矛盾が噴出し、怒りの声がひろがっています。
 今回の3選挙自体が、いずれも菅自公政権の悪政に直結するものです。鶏卵業者からの大臣室での現金授受による議員辞職(北海道2区)、貧弱な検査・医療体制のもとコロナ禍で犠牲になった羽田雄一郎議員の急逝(長野)、菅首相も応援した、巨額の自民党本部資金を投入した買収選挙(広島)。この3選挙で、いのちと暮らしを守れ、の声を結集し、国民の怒りの審判を明確に下そうではありませんか。
 同時に、3選挙は、紆余曲折はあったものの、それぞれの条件のもとで、市民連合、野党、統一候補が政策協定を結び、いのちとくらし、平和を守る新しい政治の実現へ力を合わせてたたかわれます。3選挙すべてで野党統一候補をかならず勝利させ、来るべき総選挙で市民と野党が力を合わせて政権交代、野党連合政権の実現をめざす新しい扉を開きましょう。

 全国革新懇は、困難を乗り越え、共闘を守り、発展させてきた北海道、長野、広島のすべての人びとに心からの敬意を表明します。そして3選挙の勝利へ力を尽くす決意を明らかにするとともに、全国からの支援を呼びかけます。
 北海道(2区)、長野、広島の仲間を激励しましょう。知人・友人に声をかけ、支持をひろげましょう。支援カンパを送りましょう。

2021年4月8日
平和・民主・革新の日本をめざす全国の会(全国革新懇)
代表世話人会

カンパ送付先
郵便振替 加入者名 全国革新懇 口座番号 00170-5-20213
*4.25選挙カンパと明記ください


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1月24日(日) 2009年に類似している今年こそ同様の政権交代を実現しよう [選挙]

 今年は、麻生内閣末期から総選挙で与野党の政権が交代した2009年によく似ています。政治日程や政治状況が似通っているからです。
 政治過程も同じように推移し、総選挙での政権交代という同様の結果になるかが注目されます。そのような類似した日程と状況こそが大いなるチャンスの存在を示唆しているのはないでしょうか。

 まず、政治日程の類似です。2009年には9月に衆院議員の任期満了が予定されており、その2か月前の7月に都議選が実施されることになっていました。今年も、10月には衆院議員の任期が切れ、その3か月前の7月に都議選が予定されています。
 次に政治状況です。09年の場合、定額給付金をめぐる麻生首相の発言の混乱、酔っぱらったようなろれつの回らない記者会見を行った中川昭一財務相の辞任、日本郵政の社長人事をめぐっての鳩山邦夫総務相の更迭などの失態が相次ぎ、麻生内閣支持率が急落したため解散・総選挙のチャンスを失い、任期満了直前の8月に解散せざるをえない状況に追い込まれました。
 同様に、今の菅内閣も国会答弁などでの菅首相自身の発言や読み間違えなどで混乱が生じ、コロナ対策の失敗や「政治とカネ」の問題などで内閣支持率が急落しています。このままでは任期満了前に解散・総選挙のチャンスを失い、任期満了直前の9月になってから惨敗覚悟の「自滅解散」に追い込まれるのではないかと観測されています。

 麻生政権下で実施された09年7月の都議選は、衆院議員の任期満了直前でもあったため、その前哨戦として国政選挙並みの注目を集めました。その結果は衝撃的なもので、その後の総選挙に大きな影響を及ぼしています。
 石原慎太郎都知事の与党だった自民党は48議席から38議席に後退し、公明党は22議席から全員当選で1議席増やし23議席、合計61議席となりました。他方、野党は民主党が34議席から54議席に躍進して初の都議会第1党となり、共産党は13議席から5減の8議席、生活者ネットは4議席から半減の2議席、無所属が2議席で、非自公が66議席と過半数を上回ったのです。
 現在の都議会は、前回大躍進した都民ファーストが49議席で第1党、次いで自民党が26議席、公明党が23議席となっており、これに対して共産党が18議席、立憲民主党が5議席、東京みらいが3議席、無所属3議席という構成です。都議会自民党と小池百合子都知事の関係は微妙ですが、いずれにせよ前回のような小池知事の「神通力」は失われ、都民ファーストも前回のような「追い風」は望めず、自民党は前回失った失地を回復できる見通しはなく、公明党も高齢化によって守りの選挙を強いられるという状況で、共産党と立憲民主党などの立憲野党にとっては議席増の大きなチャンスが生まれています。

 しかも、今回は1人区や2人区でも、条件のあるところでは市民と野党の共闘による選挙協力が取り組まれようとしています。これが成功すれば、09年都議選以上のドラスティックでドラマティックな成果を生み出すことができるにちがいありません。
 もし、解散・総選挙が都議選の後になれば、その経験と結果は総選挙にも巨大な影響を及ぼすことになるでしょう。ちなみに、09年の場合はどうだったのでしょうか。
 その衝撃的な結果をもう一度振り返ってみることにしましょう。そこから教訓を汲み取ることによって、政権交代を実現するための強力な「武器」が得られるでしょうから

 第45回衆院総選挙は、2009年8月18日に公示され、8月30日に投開票されました。この時の定数は小選挙区300、比例区180の計480議席で、結果は自民党が公示前の300議席から119議席へと惨敗して初めて第1党の座を失い、公明党も31から21議席へと10減となって自公両党で140議席にとどまり、過半数の241議席を大きく下回りました。
 他方の野党は、民主党が115議席から2倍以上の308議席の第1党となり、地滑り的な勝利を収めて大躍進しました。共産党は9議席、社民党は7議席と公示前勢力を維持し、みんなの党は4議席から5議席に、国民新党は4議席から3議席、新党日本が1議席、新党大地も1議席となっています。
 投票率は小選挙区で69.28%、比例区で69.27%と、ともに小選挙区比例代表並立制が導入された96年以降では最高となりました。約7割にまで投票率が上がれば政治は変わるという典型的な事例になったと言えます。

 このときの民主党の勝利は、異例づくめの歴史的なものでした。獲得した308という議席数は、86年衆参同日選挙で自民党が獲得した300議席を上回って戦後最多となり、議席占有率でも64.2%で過去最多となっています。
 小選挙区での当選も221議席と過去最多となり、北海道、首都圏、東海、近畿で圧勝し、とりわけ1都3県の首都圏では対自民で前回の5勝63敗から58勝6敗と大逆転しました。また、岩手・福島・新潟・愛知など8県で議席を独占しています。
 比例区でも、前回の61議席から過去最多の87議席となりました。得票数も小選挙区で3347万票、比例区で2984万票と、いずれも3000万票前後で過去最多を記録しています。

 このような歴史的な大躍進を生んだ客観的な要因は、当時の麻生内閣と自民党の失政に対する国民の失望と批判の増大にありました。しかし、それだけでなく、野党の側の主体的な要因も大きかったと思われます。
 それは、民主・社民・国民新・新党日本の4党による選挙協力が積極的に取り組まれたからです。300小選挙区のうち276選挙区で候補者調整が行われ、野党は212勝64敗となりました。
 この選挙協力に共産党は加わっていませんが、実は「隠れた選挙協力」によってこのような結果に大きく貢献していました。というのは、ほぼすべての小選挙区に候補者を擁立するというそれまでの方針を改め、148選挙区で候補者を擁立せず、結果的に民主党をアシストしたからです。

 以上の2009年の経験は、数多くの教訓を示しています。政治日程と政治状況の類似性によって同様の結果が生み出される可能性があること、小選挙区制は一挙に当選者を入れ替える恐ろしい選挙制度であること、政権の失政と政権党に対する失望や批判は選挙結果を大きく左右する客観的条件であること、選挙協力と候補者調整は歴史的圧勝を生み出す主体的な条件であること、政権選択を迫って明確な「受け皿」を示せば投票率が上がり思いもよらぬ結果をもたらすことなどです。
 現在の菅首相の無能さは09年当時の麻生首相に「劣るとも勝らない」ものであり、コロナ対策の失敗によって失望と怨嗟の声は全国に満ち満ちています。内閣支持率はかつてないスピードで低下し続けており、オリンピック・パラリンピックの開催も危ぶまれ、桜の花が咲く前に菅首相は散ってしまうのではないかと言われるほどです。
 しかも、野党の側での選挙協力は2016年以来の実績を積み重ねてきており、共産党が加わっていること、市民をも巻き込んで草の根から発展してきていること、政策合意を前提に政権担当を展望する方向が示されていることなどの点で、09年総選挙以上に質的に発展し強力なものとなっています。09年以上に、政権交代に向けての客観的主体的な条件は整っていると言えるでしょう。

 政治的な地殻変動は、すでに始まっているのです。それを具体化して歴史を転換し、「日本を変える」ことが必要です。2009年の経験と教訓に学び、政権交代に向けての現実的な条件をきちんと見すえなければなりません。そうすれば「新しい政治」への展望を切り開くことができるにちがいないのですから。


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7月6日(月) 小池百合子候補が圧勝した東京都知事選挙の結果をどう見るか [選挙]

 昨日、注目の東京都知事選挙が投開票されました。コロナ禍の下で実施された大型地方選挙で、その結果は国政にも大きく影響すると見られています。
 結果は以下の通りでした。

 小池百合子 3,661,371
 宇都宮健児 844,151
 山本太郎  657,277
 小野泰輔  612,530

 ご覧のように、366万票を獲得した現職の小池百合子候補の圧勝でした。4年前の選挙で獲得した291万票を75万票も増やしての再選です。
 こうなった要因については様々な要素があり、その分析は今後の課題ですが、さし当り指摘できることはコロナ禍によって高まっている都民の不安感であり、安定志向です。東京アラートの解除後、新型コロナウイルスの感染者数は増え続け、連日の感染者三桁越えという中で「これからどうなるのか」と不安を高めた都民は新人よりも実績のある現職に都政をゆだね、変化より継続を選択したものと思われます。
 また、コロナ対策という点でも都道府県の首長は「頑張る知事」として注目を集め、小池都知事は最大限、マスコミの報道を利用してきました。安倍政権の対応を批判したり、全国に先駆けて休業要請や協力金の支給を打ち出したりするなど、安倍首相のずさんでピント外れの対応に比べれば数段ましに見えた「錯覚」も、小池都知事には有利に働いたものと思われます。

 しかも、小池都知事は意識的にこのような状況を利用する選挙戦術を展開しました。私はこれを「惨事便乗型選挙運動」と呼んできましたが、コロナ対策の節々でマスコミに登場して露出度を高め、選挙が始まると一転して都民の前から姿を消すという作戦に終始しました。
 コロナ対策に集中するという口実で街頭演説は行わず、テレビ討論にも応じませんでした。その結果、主要な候補者によるテレビ討論は一度も開かれず、候補者間の政策論争も深まらず、これまでの都政の問題点や公約違反も十分に明らかになりませんでした。
 選挙運動のやり方としても、密集を避けるということで街頭演説にあまり人が集まらないように配慮するなど、これまでとは様変わりしました。このような運動スタイルの変化も、現職に有利に新人には不利に働いたものと思われます。

 対する野党としては、ほぼ政策と支持基盤が似通っている宇都宮候補と山本候補が分裂する形で立候補したのが最大の問題でした。とりわけ、野党共闘を断って「後出しジャンケン」のような形で突然立候補した山本太郎候補とその支持者には深刻な反省を求める必要があるでしょう。
 立候補に際して山本さんは小池都知事の票を食うようなことを言われましたが、実際には小池さんには全く影響せず、大きな影響を受けたのは宇都宮さんでした。宇都宮さんはこれまで2回の立候補で約100万票を得ていましたが、今回は84万票と16万票ほど減らしました。
 前回の野党統一候補だった鳥越俊太郎候補が得た134万票との比較でも50万票の減ですが、この分は山本候補の獲得した66万票に含まれていると思われます。つまり、前回の野党統一候補が獲得した票は、今回の宇都宮さんと山本さんに分かれてしまったということになります。

 このような形で野党候補が分裂し、勝利への展望を充分に示すことができなかった点に、野党側の最大の敗因があると言うべきでしょう。市民と野党が固く団結して手を握らなければ勝利の展望を切りひらけないということが、今回の都知事選での最大の教訓です。
 それでも、このような困難な条件の下で宇都宮さんが健闘されたこと、その原動力となったのが市民と野党の共闘であったことは重要な成果として確認しておく必要があります。選挙直前に宇都宮さんが「火中の栗を拾う」決意をされ、敢然と立候補を表明しなければ「不戦敗」になったかもしれないのですから。
 私も「革新都政をつくる会」の呼びかけ人代表の一人として野党各党に共闘を要請しましたが、なかなか候補者が決まらず焦りを覚えたことがありました。このような中で宇都宮さんが立候補を表明されどれほどホッとし安堵したか、それにもかかわらず今度は山本さんが告示3日前に突如立候補されいかに大きな戸惑いと困惑を覚えたか、今でもまざまざと思い返すことができます。

 その後の宇都宮陣営での市民と野党の共闘の発展は目覚ましいものでした。25の衆院小選挙区での市民と野党共同の市民選対が立ち上がり、立憲民主・共産・社民・新社会・緑の党の支援だけでなく小沢一郎さんや原口一博さん、平野博文幹事長などの国民民主党の幹部も応援に加わり、社会保障を立て直す国民会議の野田佳彦元総理や岡田克也元副総理、無所属の中村喜四郎さんまで激励に駆け付けています。
 宇都宮さんは事実上の野党統一候補として選挙を戦うことができたと思います。当初、都立・公社病院の独立行政法人化に賛成していた立憲民主党の都議が反対に転ずるなど、政策的合意の範囲は拡大し、コロナ対策をめぐる論戦をリードすることにもなりました。
 市民と野党との共闘という点で、今回の都知事選挙は来るべき総選挙に向けての「予行演習」としての役割を果たし、共闘体制の確立に向けての準備作業として大きな意味を持ったと思います。この点でも「活路は共闘にあり」という教訓を、今一度、しっかりと確認しあうことが必要なのではないでしょうか。


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6月30日(火) 都知事選最終盤に向けての情勢調査をどう見るか [選挙]

 東京都知事選挙の最終盤に向けて、選挙情勢についての世論調査の結果が報じられていました。東京新聞の記事では「小池氏リード 投票率3割弱未定」と出ており、朝日新聞には「都知事選 小池氏が安定」「宇都宮・山本・小野氏ら苦戦」という見出しがついています。

 都知事選挙をめぐる現時点での情勢は、現職の小池候補が安定しており、それに宇都宮・山本・小野候補が、この順番で続いているようです。ほぼ選挙前の予想通りということでしょうか。
 選挙前から小池さんが圧倒的に有利だと見られていました。現職の2期目は強いと言われていますし、コロナ禍の政治利用によって有利な状況をつくり出してきたからです。
 選挙が始まるまではテレビでスポットを流して名前を売り込み、選挙が始まったら「リモート選挙」だということで街頭演説などをやらずに都民の前から姿を消してしまいました。コロナ危機を口実に顔と名前を売り込むのも、街頭での選挙運動を行わずに論戦から逃げるのも、どちらもコロナ禍の政治利用という点では共通しています。

 東京新聞の調査では、都の新型コロナウイルスの感染症対策について「ある程度評価する」と「評価する」が合わせて70.7%になっています。「アベノマスク2枚」や犬とくつろぐ動画の配信、持続化給付金スキャンダルなど、安倍首相による対策があまりにひどいために、都の対応が相対的にましに見えているのではないでしょうか。
 しかし、それは「やっているフリ」に惑わされた「錯覚」にすぎません。東京アラートは都庁とレインボーブリッジを赤くしただけで実効性はなく、それを解除したのも選挙のためであって感染者数が減ったからではありません。
 アラート解除後も感染者は増え続け、昨日は58人、その前は60人に達しています。このような形で感染者が増え続けていること自体、都の感染症対策が効果を挙げていないことを示しています。

 東京新聞によれば「宇都宮氏は、共産支持層の6割を押さえるが、立民支持層の支持は2割にとどまる」とされています。朝日新聞も「宇都宮氏は、支援を受ける立憲民主支持層への浸透は不十分で、共産支持層もまとめ切れていない。無党派層の支持も1割ほど、60代以上の支持が比較的厚い」と書いています。
 宇都宮さんが小池さんの後塵を拝しているのは、支援している野党や無党派層の支持をまとめ切れていないからです。宇都宮さんを応援している立憲・共産・社民の各党の支持者をまとめれば勝機が生まれます。
 宇都宮さんは過去2回立候補していますが、いずれも約100万票を得票しており、19年参院選で立憲・共産・国民・社民の野党候補が獲得した票の合計は220万票でした。これをまとめ切れていないということは、最終盤にむけての伸びしろが大きく残されているということでもあります。

 宇都宮さんは「日本のサンダース」と言われていますが、アメリカでの「サンダース旋風」は70代の高齢者と若者のコラボによって生じたものでした。日本でも同じような高齢者と若者との連携が生まれれば、大きな「旋風」を起こすことができるにちがいありません。
 私も今日一日、「全国・首都圏革新懇行動デー」に加わって宇都宮さんへの支持を訴えるつもりです。最後まであきらめずに闘い抜いたものだけが、勝利を手にすることができるのですから。

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6月29日(月) 都知事選挙の最終盤にあたり反貧困・人権派弁護士への支持を訴える [選挙]

 注目の都知事選挙も、7月5日の投開票日まであと1週間となりました。すでに期日前投票も始まっています。
 都知事選挙の最終盤に当たって、反貧困・人権派弁護士への投票を呼びかけます。周りの方にも、ぜひ「日本のサンダース」への投票を薦めていただきたいと思います。

 都知事選挙が公示されてから、私も全国革新懇・東京革新懇の代表世話人、革新都政をつくる会呼びかけ人会議の呼びかけ人代表の1人として様々な活動に参加してきました。
 25日には、エデュカス東京で開かれた「宇都宮健児さんの勝利をめざす全国・首都圏・東京 労組・民主団体決起集会」であいさつしました。私は、この集会を主催した3つの団体のいずれでも、代表する立場にあったからです。
 また27日には、「全国・首都圏革新懇行動デー」でもあいさつし、新宿駅南口での宣伝とスタンディングで訴えさせていただきました。同様の行動は、30日の午後にも予定されています。

 他方、東京でのコロナ感染者の数は、アラート解除後も減ることなく、かえって増え続けているようです。最近も、55人、48人、54人、57人と連日感染者数が50人前後を数え、昨日はとうとう60人になってしまいました。
 小池都知事による「東京アラート」解除は、感染が収まったからではなく知事選挙への立候補を表明するためのものだったということは、このような経緯からも明らかです。その「東京アラート」にしても、都庁とレインボーブリッジを赤く染めるだけで具体的な対策はありませんでした。
 今ではアラートさえも発動されず、「自粛から自衛へ」と呼びかけるだけです。このような「やってるフリ」だけのコロナ対策を転換するためにも、都知事を変えなければなりません。

 現職の小池都知事については、石井妙子さんが書いた著書『女帝 小池百合子』が話題を呼んでいます。私も読みましたが、「こんなに酷い人だったのか」と認識を新たにさせられました。
 それだけではありません。葉上太郎さんが書いた『都知事、不思議の国のあるじ』という本も注目を集めています。青島以来の5人の都知事を取り上げて比較した葉上さんは、今の都庁を「小池ワンダーランド」だと評し、都知事は鶏のとさかで目立つことをやりたいだけでその究極が小池さんだというのです。
 「職員との乖離は史上最低」だとも書いています。都の職員のアンケートでは都知事1期めについての評価は46.4点で、『都政新報』の編集長は「正直言って、ここまで点数が低いとは思いませんでした。及第点とはいえないにしても、私の実感としては、50点は超えるかと……。小池都知事がいかに都職員たちから信頼を得ていないか、ということが明らかになりました」と語っています。

 それもそうでしょう。『女帝』では「政治家としてやりたいことはなく、ただ政治家をやりたいのだ」という池坊保子さんの小池評が紹介されていますが、同様に「都知事としてやりたいことはなく、ただ都知事をやりたいのだ」という本質が見破られているからです。
 先の総選挙での「希望の党騒動」でも明らかなように、小池さんは総理大臣をめざしており、都知事は通過点にすぎないのです。このような人が真面目に仕事をしている職員の信頼を得られるはずがありません。
 れいわ新選組の山本太郎さんも以前から総理大臣をめざすと公言しており、都知事はそのための通過点にすぎないようです。いずれにしても、都民の命と生活が懸かっている都政を総理大臣になるための「踏み台」とするのはやめていただきたいと思います。

 小池都政を批判する人々の中で山本太郎さんに対する期待があるのは理解できます。しかし、市民と野党の共闘を実現したいと思い、赤坂にあるれいわ新選組の事務所まで出かけて要請と懇談を行ってきた私としては、共闘を拒んでれいわ新選組の代表として「後出しジャンケン」的に立候補したことには大きな問題を感じています。
 4年前の都知事選挙でも野党から宇都宮さんと鳥越さんが立候補する動きがあり、最終的に宇都宮さんが辞退して鳥越さんに一本化されました。前回の宇都宮さんは野党共闘を尊重して身を引き、今回の山本さんは野党共闘を拒んで勝手に立候補したように、共闘に対する姿勢という点で決定的に異なっています。
 れいわ新選組と山本太郎さんは野党共闘の仲間だと思いますし、総選挙に向けての共闘に加わってもらいたいと願っていますが、そのためにも共闘の力を知っていただく必要があります。自分と自分の仲間だけの力で何とかなるということであれば、総選挙に向けても同じような分裂行動に出る可能性がありますから。

 それを防ぐためにも、市民と野党の共闘によって支援されている候補が勝利する必要があります。都知事選挙の結果は、解散・総選挙の時期だけでなく対決構図にも大きな影響を与えるにちがいありません。
 都政のみならず、日本の政治全体の行く末を左右するものになってきています。この選挙で宇都宮けんじさんが勝利すれば、末期症状に陥っている安倍政権に引導を渡し解散・総選挙に向けて明るい展望を切り開くことができるにちがいありません。

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6月18日(金) 都知事選での反貧困人権派弁護士への支持を訴える [選挙]

 東京都知事選挙(7月5日投開票)が告示されました。コロナ禍が吹き荒れ安倍政権が末期症状を呈する下での首都での政治決戦が始まったのです。
 この選挙で、反貧困人権派弁護士への支持を呼びかけます。首都・東京での政治決戦で、宇都宮健児さんが当選すれば、命と暮らし、都民の生存権を守れる新たな都政を実現することができるからです。

 この選挙では、自民・公明の実質的な支援を受ける現職の小池百合子候補に対し、立憲民主・共産・社民などが支援する元日弁連会長の宇都宮健児さんをはじめ、れいわ新選組代表の山本太郎、日本維新の会推薦の元熊本県副知事小野泰輔などの候補が挑戦しています。野党支持の有権者からすれば、誰に入れたらよいのか判断に迷うところかもしれません。
 私は当初から宇都宮さんを支援しており、選挙の構図が固まった今も変わらず宇都宮さんを応援しています。それは4年前の八王子市長選挙で3度も応援していただいた義理があるからですが、もちろんそれだけではありません。
 知名度が高く大衆的な人気があるという理由で地方自治体の知事を選んできたことがどれほどの誤りであったのかは、石原・猪瀬・舛添・小池と続いた不毛な都政が証明しているからです。サラ金の被害者救済や貧困の解決のために力を尽くし、落選した後も都議会を傍聴するなど都政とのかかわりを持ち続けてきた真面目さと地道に取り組む「地味さ」こそが宇都宮さんの良さであり、きらびやかなパフォーマンスを繰り広げる現職知事とは対極にあると思うからです。

 特定の政党からではなく、市民と野党の支援を得ている候補者も宇都宮さんだけです。維新に推薦されている前熊本県副知事の小野さんは「野党系」とは言い難く、おそらく都議会自民党からも支持が流れるのではないでしょうか。
 れいわの山本さんは明らかな「野党系」で、条件さえそろえば野党共闘の候補者になれる人でした。それだけに今回の「後出しジャンケン」のような突然の立候補は、野党共闘にとってもれいわや山本さんにとっても、決してプラスにならない残念な対応だと言わざるを得ません。
 もちろん、立候補する権利は誰にでもありますから、それ自体を批判することはできませんが、それがどのような意味を持つのか、誰にとって有利になるのかを政治的に判断して行動するのが、あるべき政治家の姿ではないでしょうか。このような形で野党系の候補者が分立したことを小池さんは「ニンマリ」と眺めているにちがいありません。

 山本さんは野党共闘の有力な候補者の一人で、立憲民主党からも働きかけを受けていました。最終的にそうならなかったのは、次の総選挙で「消費税を5%に引き下げること」や「選挙運動の確認団体にれいわ新選組の名称を使うことが受け入れられなかった」からだそうです。しかし、これらはいずれも国政にかかわる問題であり、都政をめぐる見解の違いというわけではありません。
 しかも、「れいわ」の名称にこだわった理由も不可解です。今回の立候補も結局はれいわからということになりましたが、これは来年の都議選や間近に想定されている総選挙とかかわりがあるのではないでしょうか。
 都知事選を利用して、都議選や総選挙に向けて知名度を上げようという狙いがあったように見えます。つまり、野党共闘の発展や小池都政の転換という「大義」よりも、れいわという党名を浸透させる「党利」を優先したということになります。

 しかも、以前から山本さんは「総理大臣をめざす」と公言していました。その目標と都知事選への立候補はどのように整合するのでしょうか。
 もし、国政への足掛かりとして知事の椅子を利用しようというのであれば、小池現知事と変わりないことになります。「希望の党騒動」に示されているように小池さんが国政への野心を持ち続けていることは明らかで、知事であることは次への階段の一つにすぎません。
 市民と野党の共闘を拒んで立候補したことも、「自分ならそれでも当選できる」という自惚れが垣間見えます。総選挙に向けて市民と野党との共闘を発展させようとの配慮はなかったのでしょうか。

 山本さんは都民一人10万円の支給を打ち出し、その財源として地方債の発行を公約しています。しかし、地方債は自由に行えるものではなく総務大臣との協議が必要で、償還の期間も国債より短くなっています。
 また、前から指摘されているように、地球温暖化対策として原発廃止後のエネルギーを火力発電で調達するなど、疑問をもたれる点があります。華やかであってもリアリティーに欠ける公約という点では小池さんの方が上手ですが、他の候補者にも共通する問題です。
 この点でも宇都宮さんは一味違っており、派手でなくても地に足の着いた実現可能な公約を打ち出しています。政策面でも「地味さ」は武器だと言って良いでしょう。

 コロナ禍の下で、大型公共事業や開発優先ではなく、命とくらしを守ることが中心的な争点に浮上しました。「自粛から自衛へ」と言って自治体トップとしての責任を放棄してしまった現職知事を取り換え、マトモな知事を選ぶことこそが最適・最善の「自衛」ではないでしょうか。
 今日から始まる都知事選挙で、都民の皆さんが誤りのない選択をされることを願ってやみません。その結果次第では、黄昏迫る安倍政権の前途や来るべき総選挙も大きな影響を受けることになるでしょうから。

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6月5日(金) 東京都知事選挙での宇都宮健児候補の当選で革新都政を取り戻そう [選挙]

 ご存知の方も多いと思いますが、一昨日の6月3日夕方に「7・5都知事選挙 変えよう東京 『市民と野党の共闘の実現で都政の転換を』6・3呼びかけ人会議」が開かれました。これで、宇都宮健児候補を先頭に押し立てて戦う都知事選挙の構図が決まったことになります。

 会場は神保町の日本教育会館一ツ橋ホールで、定員480人のところ、参加者を100人に限定しての開催でした。席上、立民・共産・社民・新社会・綠の党の代表が、すでに立候補を表明されていた宇都宮健児さんの支持を明らかにし、宇都宮さんもあいさつに駆け付けてくださいました。
 革新都政の会として応援するべき候補者が決まり、呼びかけ人代表の一人としてホッとしています。同時に、個人的にも宇都宮さんを候補者として応援できることに喜びを感じています。
 というのは、4年前に私が八王子市長選挙に立候補したとき、宇都宮さんには3回ほど応援に来ていただいたからです。「4年前にはお世話になりました。これからその時のご恩返しをさせていただきます」と、壇上でお会いした際、宇都宮さんにもお話しさせていただきました。

 この集会の様子について、6月4日付の『東京革新懇 mailfaxニュース』は次のように伝えています。

 呼びかけ人代表として、浜矩子立命大教授のメッセージが紹介されたあと、五十嵐仁法政大名誉教授が「小池都知事誕生以来東京はアラート状態だ。いのち、くらし、営業を守る都政を実現しよう。都知事選でアベNOを突きつけよう。東京が代われば日本が変わる。野党共闘体制をつくり挑んで頂きたい。新しい希望の光が見えてきた」と挨拶。
 続いて各党代表が挨拶。

 長妻昭立憲民主党衆院議員・東京都連代表・選対委員長
 「コロナ禍は、新自由主義の脆弱性を明らかにし、自己責任押しつけのつけが回ってきた。社会、医療、介護、不安定雇用、ぎりぎりのところを直撃。そんな中、都知事選がある。宇都宮さんの決意表明に大変共感した。宇都宮さんを応援し、都連常任幹事会で取り組み決めたい。チャンスだ」

 岸本周平国民民主党衆院議員・選挙対策委員長
 「高知、静岡と共同してやってきた。長妻さんのお話はまったく同感だ。社会的共通資本、医療、教育、農業などは効率一辺倒ではダメだ。コロナ後はまったく新しい社会をつくっていきたい。都知事選は東京都連で詰めていきたい」

 小池晃参院議員・書記局長
 「宇都宮さんを応援していきたい。宇都宮さんの政治姿勢や基本政策と一致、歓迎し、全力で支援したい。出来るだけ幅広い市民、政党と共闘広げたい。小池知事は、4年間財界・安倍政治に寄り添ってきた。小池知事が公約した7つのゼロ――待機児ゼロ、介護離職ゼロ、残業ゼロ、都道電柱ゼロ、満員電車ゼロ、多摩格差ゼロ、ペット殺処分ゼロは実現ゼロ。都民の生活がかかった選挙。安倍政権への決定的審判となる」

 吉田忠智社民党参院議員・幹事長・選対委員長
 「都知事選は3つの意義がある。①コロナで都の対策強化、②都政の転換、小池都政は現場に目線を置いてない、③安倍政治の転換。宇都宮さんの立候補表明、社民党も私も共感している。まだ組織決定していないが、全力でたたかい抜く決意を表明する」

 岡崎ひろみ新社会党中央執行委員長
 「生きることをしっかり支える都政にしたい。小池都政は問題あった歴代都政と変わらない。宇都宮さんが立候補表明し、一緒に取り組めることうれしい。医療、介護、清掃などエッセンシャルワーカーは低い賃金余儀なくされてきた。小池知事は、大変右翼的で無駄を省くことが大好き。みなさんと全力で取り組む」

 漢人あきこ緑の党都本部共同代表・副運営委員長
 「昨日臨時都本部会議で宇都宮さん支持を確認。是非野党共闘でたたかいたい。都知事選、気候危機対策、コロナ対策、男女平等・多様な性が問われる。宇都宮さんの訴えに気候危機対策が入っている。都政、次の世代に責任もてるしていくことが求められる」

 小林節慶応大名誉教授が、「今回の選挙は人格のたたかいだ」と強調。
 宇都宮健児さんが登場。「5月25日、緊急事態宣言が解除された日にツイッターで出馬表明、27日に記者会見を行った。毎回都議会を傍聴してきた。コロナ禍のもとで、都民一人ひとりの生存権かかった選挙。くらし、住まい、いのちを守る都政に根本的に転換していく。党派を超えた団結・つながりが大きくなってきている。保守、革新を問わず、政治への問題意識広がれば勝利に結びつく」と決意表明。

 最後に呼びかけ人代表の永山利和日大名誉教授が「熱気を感じるつどいとなった」と閉会挨拶。
 なお、山内れい子東京生活者ネットワーク共同代表は、参加予定でしたが都議会の関係で欠席となりました。
 この日のつどいは、実質的に都知事選の決起集会となりました。

 ここにも書かれているように、呼びかけ人の一人である小林節さんもあいさつに見えて発言されました。1月の八王子市長選挙で白神ゆり子候補の応援に来ていただいたとき以来の再会です。
 そのときのお礼を述べましたら、「この後、お急ぎですか」と聞かれました。もちろん、急ぎの用などはありません。
 「神田になじみのお店があって、どうなっているか見に行きたいんですが、付き合っていただけませんか」と仰います。それもトンカツ屋さんで味は絶品、学生の評判もたいそう良かったそうです。

 ということで、終わってから神田駅前でロースカツを肴に赤ワインをご馳走になりました。コロナ禍の下で選挙運動もままならず、都知事選の候補者がどうなるのか、誰を押すのか、なかなか決まらずモヤモヤとした思いを抱えていましたが、この日の世話人会議と小林さんとの一杯で、その全てが吹き飛びました。
 あと2週間ほどで都知事選の告示日になり、いよいよ本番を迎えます。宇都宮さんの当選によって、新自由主義を跳ね返し都民の生存権を守ることのできる革新都政を取り戻そうではありませんか。

 なお、6月9日正午から憲法共同センターの「9の日宣伝行動」として新宿駅西口で街頭演説をすることになりました。興味・関心のある方に顔を出していただければ幸いです。


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2月7日(金) 都知事選に向けて〝市民と野党の共闘〟で小池都政の転換をめざす「呼びかけ人会議」が開かれた [選挙]

 八王子市長選挙が終わったと思ったら、今度は東京都知事選挙です。昨日、〝市民と野党の共闘〟で小池都政の転換をめざす「呼びかけ人」会議が開かれました。
 場所は四谷の主婦会館エフプラザで、40人ほどが出席されました。昨年の9月18日に革新都政をつくる会の呼びかけで開かれて以来、2回目の会合になります。
 私は、浜矩子同志社大学大学院教授、永山利和元日本大学教授とともに「呼びかけ人」の一人としてこの会合に出席し、お二人と共にあいさつしました。

 「市民と野党の共闘」で小池都政の転換を実現するためには、第1段階として、市民と野党が共闘の意思を確認しあうことが必要です。第2段階としては、小池都政の公約の実現状況を検証し、要求を持ち寄って政策を練り上げ、希望ある都政の未来像を明らかにすることが必要です。
 そして第3段階として、最終的には市民と野党の共闘によって支援できる統一候補を擁立しなければなりません。しかし、そこには微妙な問題もあり、具体的な候補者名は慎重に検討されなければなりません。
 焦って早く名前を出しすぎるとつぶされてしまう危険性がありますし、慎重すぎれば遅れて浸透する時間が足りなくなるリスクもあります。適切なタイミングで、小池都政転換の希望を託せる有力な候補を見出し擁立することは、そう簡単なことではありません。

 共闘の意思の確認ということでは、一昨日、中村喜四郎衆院議員の呼びかけで、立憲・国民・共産・社民4党の幹事長・書記局長会談が開かれ、都知事選を野党共闘で闘うという確認がなされたと報じられています。これに新社会党や緑の党などを加えた東京都レベルの政党間協議も始まっているようです。
 基本的には、第1段階の共闘の意思は確認されており、現在は第2段階にあるように思われます。しかし、野党共闘という点では、京都市長選のように立憲・国民・社民が自公の推す現職候補に相乗りしてしまう「逆流」が生ずることもありますから油断できません。
 市民と野党の共闘を盤石なものにするためには、地域や草の根から野党共闘を求める市民の声を高め、後戻りできないようにしなければなりません。中央のレベルでの政党間協議をただ眺めているというのではなく、様々な運動を背景にした多様な団体や個人からの強い働きかけが必要です。

 あいさつの中で、私は「3つのゼロ」公約や築地市場移転問題についての検証が必要であること、羽田新ルートや横田基地へのオスプレイ配備、都立病院の独立行政法人化、カジノ誘致の動きなどが大きな争点として浮上してきていることを指摘しました。その後も、これらの問題に加えて、水道民営化、防災、教育、地球温暖化、貧困と格差、福祉、中小企業、投票率の低さ、若者へのアピールなどについての発言が続きました。
 これらの多様な要求と運動の勢ぞろいという形で市民と野党の共闘が実現するというのが、望ましい姿ではないでしょうか。共闘それ自体を自己目的化するのではなく、要求実現と都政刷新のために手を結ぶ必要があるという意味での共闘こそが望まれているように思われます。
 途中の発言で、私は「命を守る都政の実現」「世界をリードする未来社会を東京から」のような大きな「哲学」を示す必要があること、30代の若者と70代の高齢者のコラボによる政治変革が世界のトレンドになっていること、若者にアピールするためにはネットやSNSなどを活用すべきことを指摘しました。これらの点についても、引き続き議論と工夫が必要であるように思います。

 会合の最後に、3回目の「呼びかけ人会議」を2月24日の午後に開催すること、野党への申し入れを始めること、4月の上旬に大規模な集会を開催することが提案され承認されました。この会の趣旨に賛同される方の沢山のご参加を呼びかけたいと思います。

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