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6月25日(土) イギリスのEU離脱を決めた国民投票によって示された一票の力 [国際]

 「たかが一票、されど一票」というところでしょうか。「投票しても何も変わらない」という声がありますが、ところがどっこい、イギリスの人々はその一票によって、とてつもない大きな変化を生み出すことになりました。

 23日に実施された欧州連合(EU)からの離脱の是非を問うイギリスの国民投票は即日開票され、離脱派が多数を占めました。これによってイギリスの政治や経済などへの影響が生ずるだけでなく、戦後続いてきた欧州統合の行方や世界経済にも大きな影響を与えると見られています。
 この結果を受けて世界の金融市場は大混乱に陥り、英ポンドも1985年以来の安値へと急落し、「暗黒の金曜日」となりました。イギリスのキャメロン首相は責任を取って辞任を表明しています。
 今回の結果は、シリアなどからの移民の急増がEUへの不信感を高めて離脱派を増やしたからだと見られていますが、その背景となっている中東の不安定な情勢はかつてイギリスなどの西洋諸国による植民地支配の結果として生み出されたものです。イギリスは、自らの帝国主義としての歴史によって仕返しをされたということになるかもしれません。

 昨日の東京市場の株式相場も急落し、株価の下げ幅は約16年ぶりという急激なものでした。日経平均株価は1286円33銭(7.9%)安の1万4952円2銭で、下げ幅はITバブル期の2000年4月17日(1426円)以来の大きさで、下落率は東日本大震災直後の11年3月15日(11%)以来となっています。
 これまで、アベノミクスは円安と株高に支えられてきました。今回の急激な円高と株価の下落によって、アベノミクスは最終的に破たんしたと言えるでしょう。
 伊勢・志摩サミットで安倍首相が主張した世界経済のリスクは、皮肉にも今回の金融市場の大暴落よって裏付けられた形になりました。同時に、それは日本経済と安倍首相自身にとっても、大きなリスクをもたらすことになりましたが。

 このイギリスの国民投票の結果が、今後のヨーロッパや世界にどのような影響をもたらすことになるかははっきりしていません。それがどのようなものになるにせよ、それを選び取ったのがイギリス国民の自主的な選択であったという点が重要です。
 一人一人の投票の積み重ねによって、EUからの離脱という結果がもたらされたのです。「投票しても何も変わらない」ということはなく、投票したからこそ大きく変わりました。
 変化を求めて投票すれば、事態は変わります。良かれ悪しかれ、イギリスの人々は自らの一票によって巨大な変化を生み出すことになったのです。

 私たちも、自らの未来を切り開くために一票を行使するべきでしょう。アベノミクスが何の恩恵ももたらしていないと考え、今回の事態によってそれが最終的に破たんしたというのであれば、その転換を求める一票を投ずるべきです。
 無力感に押し流され、諦めてしまってはなりません。イギリスの人々が教えてくれたように、「たかが一票、されど一票」なのですから。

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