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5月21日(火) 新著『追撃 自民党大軍拡・腐敗政治―政権交代のために』(学習の友社)の「はしがき」 [日常]

 何としても、大軍拡・腐敗の自民党政治を追撃し、政権交代を実現したいという願いを込めて、新著『追撃 自民党大軍拡・腐敗政治―政権交代のために』(学習の友社)を刊行しました。この思いを受け止めていただけるのではないかと考えたかなりの方に、本書を献呈させていただいています。曜日の関係で本書の発送が遅れているようですが、今週にはお手元に届くと思います。
 自民党政治に「さようなら」を言いたい、政権から追い出して厳しい罰を加えたい、市民と野党の共闘で政権交代を実現したい、もっとまともな希望の持てる政治を手に入れたいと願う方々にも、ぜひ本書に目を通していただきたいと思います。ということで、本書の「はしがき」をアップさせていただきます。購入のための参考にしていただければ幸いです。

 はしがき

 自民党の裏金事件のように、どんな組織にも不祥事は起きるでしょう。でも、その組織の真価が問われるのは、それに対してどう対応するかです。不祥事に真摯に向き合い、自浄能力を示して膿を出せるかどうかが問われます。
 ところが、自民党は「お手盛り」のアンケートや事情聴取、政治倫理審査会(政倫審)での「知らぬ存ぜぬ」答弁や形だけの処分でお茶を濁そうとしています。誰の指示でいつから裏金づくりが始まったのか、何に使ったのか、それすら誰も説明せず、実態は明らかになっていません。
 安倍派の幹部に反省の色が見えず、真相はやぶの中です。参院安倍派のトップが知らないうちに方針が変わっていたなどということがあり得るでしょうか。離党にしても一時的なもので、将来的な復党は可能です。これまでもそうでした。それで国民が納得すると思っているのでしょうか。
 安倍派幹部同士の政倫審での証言には食い違いが残り、キーマンとして浮上してきた森喜朗元首相が裏金づくりのルーツに関与していた疑念も深まるばかりです。裏金議員や派閥幹部の処分にしても、幕引きのために「やったふり」をしただけです
 調査もやらず真相が明らかにならないうちに、なぜ形だけの処分や再発防止の改革案づくりを急ぐのでしょうか。それだけ知られたくないことがあるとしか思えません。処分や党改革は真相から目をそらすためのポーズにすぎず、再発防止に論点をスリ替えてケリをつけたいだけなのです。
 安倍政権以降、「モリカケ桜前夜祭」に象徴されるように権力側がやりたい放題のことを平然と行うようになりました。不祥事が発覚しても、国会でウソをついて公文書を改ざんしてきました。長年、安倍元首相のこうしたやり方を見てきた自民党議員は、何をやっても許されると思い込んでしまったのでしょう。おごり高ぶりと緊張感の欠如が、女性局や青年局などの問題行動の元凶になっているのではないでしょうか。
 巨額の裏金づくりに脱税疑惑、ハレンチな会合、差別発言と悪行の限りを尽くしてきた自民党は、権力の座から追い出して下野させるしかありません。岸田首相は「解党的な出直し」を表明しましたが、出直してもらう必要はありません。もはや、解党・解散すべきです。国民が怒りの鉄槌を下さなければ、自民党はまた同じことを繰り返すに違いないのですから。
 裏金問題をはじめとしてあらゆる点で行き詰まり窮地に陥った自民党大軍拡・腐敗政治を追撃したいと念じ、解散・総選挙に追い込むために大急ぎで本書を書きました。これから実施されるあらゆる選挙で、自民党にだけは投票せず敗北させましょう。そして、こう言いたいものです。「さようなら自民党」と。


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5月19日(日) 新著『追撃 自民党大軍拡・腐敗政治―政権交代のために』(学習の友社)が刊行された [日常]

 拙著『追撃 自民党大軍拡・腐敗政治―政権交代のために』(学習の友社)が届きした。5月8日付けのブログで予告した私の新しい著作です。大軍拡・大増税を打ち出し裏金事件で窮地に陥った岸田政権と自民党をさらに追撃し、政権交代を実現しようと訴えるために刊行しました。
 政治研究者として、生涯を通じて自民党政治を批判し続けてきた私の「遺言」のようなものです。その思いを受け止め、手に取ってご一読いただければ幸いです。129頁で本体1100円+税ですから1210円ですが、私を通じて注文していただければ、著者割引きの八掛けで960円になります。
 憲法9条を踏みにじって戦争準備に狂奔し、金まみれで腐臭に満ちた自民党政治を一刻も早く終わらさなければなりません。市民と野党の共闘によって政権交代を実現し、国民の願いが届く希望の政治を実現するために、本書を活用していただければ幸いです。

 参考までに、以下に本書の目次を掲げておきましょう。

 はしがき

 序章 自民党がぶっ壊してきた日本の惨状

第一部 安保3文書と大軍拡・大増税
 第1章 改憲・大軍拡を阻止し9条を守り活かすために
  1,憲法をめぐる新たな局面
  2,日米安保と憲法9条の相互関係
 第2章 大軍拡・大増税による戦争への道を阻止するために
  1,「安保3文書」による平和憲法破壊の挑戦
  2,日米軍事同盟の危険性とアメリカの狙い
  3,軍拡競争ではなく平和外交を
 第3章 「新たな戦前」を避けるために─敵基地攻撃論の詭弁と危険性
 第4章 敵基地攻撃能力は日本に何をもたらすか―岸田政権の狙いを暴く

第二部 裏金疑獄と岸田政権の迷走
 第1章 岸田政権を覆う統一協会の闇
 第2章 現代史のなかでの岸田政権をどう見るか
 第3章 岸田政権の混迷と迷走
 第4章 裏金疑獄があぶり出した自民党の腐敗と劣化――表紙を変えて延命させてはならない
 第5章 自民党政治の混迷と野党共闘の課題――受け皿を作って政権交代を

 終章 「新しい政治」への挑戦―どうしたら良いのか、どうすべきなのか

 あとがき

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5月18日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』5月18日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:大丈夫か?自民党 やっていることは何から何まで「自爆テロ」

 裏金政党に「政治改革」を求めるのはどだい、ムリ。泥棒に泥棒の取り締まりを期待するようなものだ。自民は公明との共同提出を断念し、改正案を単独で提出するらしいが、こんなナメ切った茶番法案を数の力で押し切れば、国民全体を敵に回すことになる。

 よっぽど、自民は次の総選挙で負ける気マンマンなのか。マトモな神経でないことは確かだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)も裏金政党の居直りに驚愕する国民のひとりだ。こう語る。

 「裏だろうが、表だろうが、自民党はいかがわしいカネまみれ。そうしなければ存続不可能なレベルにまで陥っています。危ないクスリに侵されているかのようで、民意に鈍感となり、裏金の何が問題なのかさえ理解する能力を失っているのです。裏金事件を受けた規正法改正を巡り、『自民党の力をそぎたいという政局的な話がごっちゃになっている』と言った議員もいましたが、大半の自民党議員の本心でしょう。裏金事件は事故みたいなもので『何が悪い?』という感覚です。危険薬物に侵されていれば、正常な判断がつかなくなるのも当然です」

 自民のやっていることは何から何まで「自爆テロ」。その自覚があるのか、下村は先の講演で6月の国会会期末に合わせた解散論を巡り、「自爆選挙になる」と発言。広報本部長の平井元デジタル相もきのう、岸田の地元・広島市の政治刷新車座対話後、記者団に「今したら大変不都合な結果になる」と打ち明けた。

 平井は岸田派所属。岸田がもくろむ6月解散論に「身内」が待ったをかけた形だが、自民はどいつもこいつも往生際が悪い。有権者の鉄槌を恐れて、選挙から逃げ回っている。

 「危険薬物に侵された自民党には荒療治が必要です。罪の深さを理解させるには、下野という大きな罰を与えるしかない。民意の激しい怒りを肌感覚で思い知らせる上でも、次の衆院選で有権者は目に物を見せるべきです」(五十嵐仁氏=前出)

 「大丈夫か」と本紙にまで心配されるようでは、いよいよ自民党もオシマイだ。

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5月16日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』5月16日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:本質は自民に退場を迫ること 規正法改正をめぐる大マスコミの噴飯報道

 立憲民主党の泉代表が、自民党と公明党の内紛について、鋭い指摘をしていた。

 「ゴタゴタを見せて、厳しい議論をしているように見せる、毎度の手法だ」

 だとしたら、自公の内紛を大きく伝えている大手メディアは、自民党の思惑にまんまと乗せられていることになるのではないか。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「自民党の最終目標は、『企業献金』『政治資金パーティー』『政策活動費』--この3点セットを死守することでしょう。ほかの項目は改正しても、この3つだけは絶対に維持したい。そのためには、規正法改正の争点が3点に向かないよう、少しでも議論を3点セットから遠ざけるのが得策と考えているのでしょう。国民の関心を3点からそらしたいのだと思う。それだけに、大手メディアが自民党と公明党の内輪モメを、さも一大事のように報道していることに、内心ニンマリしているはずです」

 100人近くが関与した裏金事件で分かったのは、自民党は裏金がなければ回らない政党になっているということだ。パー券の売り上げを裏金にし、政策活動費という裏金に固執し、官房機密費を選挙資金に使っていたことまで報道された。

 いくらなんでも大新聞テレビだって、このまま自民党政権に任せていいと考えているわけじゃないだろう。
 
 「大手メディアが行う世論調査では、国民の多くは、自民党の規正法案について『評価しない』と答えています。大手メディアは、そうした国民の声も知っているはずです。心ある国民は、自民党のことを冷めた目で見ているのだと思う。なのに、大手メディアは、いつまで自民党への忖度をつづけるつもりなのでしょうか。このままでは、国民は政治不信だけでなく、メディア不信も強めるようになりますよ。国民から信頼を失ったら、大手メディアだって存続できなくなります」(五十嵐仁氏=前出)

 このまま大手メディアは、反省ゼロの自民党のやり方を見過ごすつもりなのか。

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5月14日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』5月14日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:剥がされた安倍晋三「偽善の顔」 改めて「底なし腐敗」自民とカネ

 断っておくが、自民党というのは、首相が官房機密費をくすね、選挙で裏金として配るような盗人集団だ。そんな連中が「再発防止」や「透明性の確保」などと言い、ハシにもボーにもかからないような改正案を出してきて、「政治改革」などとほざいている。その審議に「難航」も何もない。ただの茶番劇でしかない。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。

 「そもそも投票権を持たない企業・団体がなぜ、政治家に金を出すのか。限りなく賄賂に近くなっていくので、1994年の改革では政治家個人への企業・団体献金は禁止され、経団連もあっせんを見送ることになった。その代わりに導入されたのが政党交付金です。それなのに、政党や政治資金団体への企業・団体献金はそのまま残り、案の定、裏金化した。使途を公開する必要がない掴み金の政策活動費もおかしな話で、企業・団体献金と併せて廃止・禁止が当たり前なんですよ。しかし、もともと裏金で政治を回してきた自民党は今さらやめられっこない。だから、公開基準の厳格化でごまかそうとしているんです。企業・団体献金であるパーティー券の公開基準が自民党が死守しようとしている10万円超であろうと、公明党が主張する5万円超であろうと、関係ない。そんなさまつな議論は“改革やってるふり”で、そんなものに騙されてはいけません」

 前出の野上忠興氏に安倍は生前、「カネを配らなければ派閥を維持するのは50~100人が限度だ」という趣旨のことを言っていたという。志で束ねられるのは数十人で、あとは札束で引っ張ってくる、ということだ。それで総裁選を戦い、上り詰める。札束の原資は企業・団体献金だから、ますます、政治は歪んでいく。しかし、カネを集め得れば、選挙に勝てる。勝てば官軍で、またカネが集まってくる。それを裏で配って、また仲間を増やす。こうしてどんどん、政治は腐っていく。それが自民党の体質だ。だから、裏金をやめられない。裏金政治しかできない。こうした歴史の繰り返しなのである。

 それがここまで露呈した以上、彼らに政治改革を語らせること自体がナンセンスだ。岸田首相が「先頭に立つ」とか言っているのも嘘八百。よくもしらじらしく、言えたものだ。

 「自民党は“解党的出直し”とか言っていますが、出直さなくていい。解党して、散り散りになるべきです」(五十嵐仁氏=前出)

 これが騙され続けてきた国民の本心なのである。

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5月13日(月) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』5月10日付に掲載されたものです。〕

*記事:デタラメ規正法改正 前門の虎後門の狼 岸田首相立ち往生

 岸田は会期末解散・総選挙を視野に入れている。しかし、規正法改正がまとまらなければ会期延長を余儀なくされる。ただでさえ党内にソッポを向かれている岸田の求心力はさらに低下する。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「岸田首相は相変わらずの『やってる感』。世論を見て対応を変えるので、サプライズで野党に寄って、維新に救いの手を求める可能性もある」

 衆院解散か、自滅退陣か――。規正法改正の行方に岸田の命運がかかる。


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5月10日(金) 「戦後保守政治の転換」点としての中曽根内閣   [内閣]

 1週間ほど後に刊行される新著『追撃 自民党大軍拡・腐敗政治―政権交代のために』(学習の友社)の執筆に際して、私が37年前に出した処女作『戦後保守政治の転換―「86年体制」とは何か』(ゆぴてる社、1987年)を読み返してみました。その結果、再確認したことがあります。やはり、「戦後政治の総決算」をめざした中曽根内閣こそが「戦後保守政治の転換」点だったということです。

 本書の序章は「戦後保守政治の現段階」の分析に与えられています。その「むすび」の部分を以下に引用しておきましょう。

 <中曽根首相のめざす「戦後政治の総決算」とは、第1に戦後政治の基本的枠組みの打破であり、第2にその枠組みを前提とした「保守本流路線」の克服である。その主な内容は、(!)従属的対米協調路線からより「対等」なNATO型同盟路線へ、(2)経済主義路線から政治主義路線へ、(3)解釈改憲路線から明文改憲路線へ、(4)合意漸進路線から独断急進路線へ、という形での、戦後保守政治の基本的政策内容と政治スタイルの転換にほかならなかった。戦後保守政治の枠組みを形成する主体となり、その後の情勢変化にもかかわらず、それを「タブー視」して後生大事に守ってきた「保守本流」に、この転換は実行しえない。「保守路線」の行き詰まりを救うことができるのは、「傍流」として独自の政策構想と政治スタイルを持つ中曽根政治以外にない……。中曽根首相の胸中には、このような思いが渦巻いていることだろう。
 それが「戦後政治の総決算」である。タテマエとしての憲法、タテマエとしての非核、タテマエとしての軽武装、タテマエとしての議会制民主主義、タテマエとしての国民主権、タテマエとしての世論の尊重、そして、タテマエとしての政治倫理……。
 タテマエはもうたくさんだ。今こそホンネの政治を。そして、中曽根首相はこのホンネを堂堂と披瀝する。
 「私の究極の目的は、日本国民固有の堂々とした理想を具体的に盛り込んだ憲法である」(「私の政治生活」)。
 「総決算」されようとしているのは、憲法によって支えられた戦後民主主義そのものなのである。
 これはまだ緒についたばかりだ。中曽根政治の全体像は、ようやくぼんやりとその姿を現してきているにすぎない。戦後保守政治の基本路線をしいた「吉田政治」に代わる「中曽根政治」を確立し得るか否か。そして、それによって動揺期にある保守支配の反動的再興に成功するかどうか。ま近に迫った「ロッキード事件」田中判決をめぐる政治的攻防と、それを前後して実施されるであろう解散・総選挙を通じて、答えが出されるのはまさにこれからである。
 鈴木首相の退陣表明によって激しく揺れ動いた82年秋から1年。中曽根政治による戦後民主主義の「総決算」を許容するか、それとも、田中角栄に体現された金権化体質と中曽根康弘に象徴される右傾化体質を二大宿痾とする自民党政治そのものの「総決算」をもたらすか、83年秋は、戦後政治の重大な分岐点になろうとしている。(1983年9月)>

 最後に1983年9月とありますから、41年前に書かれた文章です。私が32歳の時で、若さにありがちな気負いが感じられますが、基本的に修正する必要はありません。「ここに書いたことは間違っていなかったよ」と、41年前の私に言いたい気持ちです。
 これを書いた直後の10月に東京地裁が田中角栄被告に懲役4年・追徴金5億円の実刑判決を出し、その2カ月後に解散・総選挙(田中判決選挙)となり、自民党は250議席と過半数を割りますが、保守系無所属の追加公認で過半数を回復しています。さらに3年後の1986年に「死んだふり解散」と言われる衆参同日選挙によって300議席と大勝し、総裁任期の1年延長に成功します。その背後で、統一協会が60億円をかけて中曽根支援に暗躍していました。
 結局、中曽根首相は「賭けに勝った」ことになります。「戦後保守政治の基本路線をしいた『吉田政治』に代わる『中曽根政治』を確立し得るか否か。そして、それによって動揺期にある保守支配の反動的再興に成功するかどうか」という問いには、イエスと答えざるを得ません。こうして「保守支配の反動的再興」の流れが始まり、それは第2次安倍政権で最高潮に達し、今日の岸田政権へと受け継がれてきました。 

 岸田首相は保守本流であった宏池会(旧池田派)の末裔ですが、すでにその面影はなく、保守傍流右派路線に屈服し吞み込まれた無様な姿をさらしています。それは安倍元首相によって完成された保守傍流右派路線の拡大再生産にすぎません。その源流は中曽根元首相による反憲法政治と明文改憲志向、戦後政治の総決算、国際国家論と軍事安保路線、軍事費のGNP比1%枠突破、臨調・行革路線と国鉄分割・民営化、スパイ防止法案、ブレーンを多用した審議会政治による国会軽視などにあり、これらの点でまさに中曽根内閣こそ戦後保守政治の転換点だったのです。

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5月8日(水) 新著『追撃 自民党大軍拡・腐敗政治―政権交代のために』(学習の友社)の刊行にあたって [日常]

 新しい本を出すことになりました。間もなく店頭に並ぶと思います。『追撃 自民党大軍拡・腐敗政治―政権交代のために』(学習の友社)という本です。
 73歳になりましたから、もう本を書くことはないと思っていました。4年前の2020年に、同じ学習の友社から出していただいた拙著『日本を変える―「新しい政治」への展望』を最後だという思いで書いたものです。
 しかし日本は変わらず、「新しい政治」への扉が開くことはありませんでした。もう、私の出番はないとあきらめかけていたところに、大きな転機が訪れました。自民党が裏金事件にさらされ、岸田政権が大きな危機に直面して政治転換のチャンスが訪れたからです。

 『しんぶん赤旗』日曜版のスクープから始まったこの絶好のチャンスを生かせるかどうかに、日本の将来がかかっていると思いました。わが身を奮い立たせ、今一度、自民党政治の害悪と転換の必要性を世に問い、政権交代の可能性に賭けるべきではないかと考えたのです。後期高齢者近しとはいえ、まだそれくらいの力は残っているのではないかという自覚もありました。
 立つべき時は今を置いてないと思い、力をふるって立ち上がりました。その結果として生み出されたのが本書です。私にとっては、これこそ最後の著書となり、後に続く人々に対して残すべき「遺言」のようなものとなるでしょう。

 本書執筆の過程は、これまでの私の研究生活をそれなりに振り返るものともなりました。私は政治学と日本政治の研究を志した初めから、中曽根内閣以来の反憲法政治と対決し、「政治とカネ」の問題で小選挙区制や企業団体献金の廃止を訴え、構造改革など自民党政治が推し進める各種の「改革」に警鐘を鳴らし続けてきたからです。その批判や訴え、警鐘が無駄ではなかったということを、今日の政治の現実が示しています。
 私の発言や批判が少しでも現実政治を動かすものであったなら、今日のような日本政治と自民党の惨状はなかったでしょう。「政治とカネ」をめぐる問題はすでに30年以上も前から田中金脈問題、リクルート事件、金丸脱税事件などをめぐって明らかだったからです。
 この時に取り組まれた政治改革が、真に金権腐敗を正して政治を改革するものであったなら、今日のような裏金事件は起きず、自民党もこれほどの醜態をさらすことはなったにちがいありません。残念ながら、政治改革の課題は選挙制度改革へとゆがめられ、あろうことか小選挙区制と政党助成金の導入に道を開いてしまいました。危機に陥っていた自民党は息を吹き返し、長期政権の上に胡坐をかいておごり高ぶり、深く静かに腐り続けてきたのです。

 振り返ってみれば、戦後憲法体制の下で解釈改憲路線に基づく「保守本流路線」を大きく転換したのは、中曽根政権の時からでした。中曽根首相が掲げた「戦後政治の総決算」は、それまでの自民党の「本流」路線を覆すことであり、反憲法政治へと舵を切ることでした。
このような「保守傍流右派路線」との対決が、その後の研究者生活のメイン・テーマとなりました。政治研究者として私が最初に書いた本は『戦後保守政治の転換―「86年体制」とは何か』(ゆぴてる社)です。1987年1月に本書を刊行し、5月に法政大学大原社会問題研究所に助教授として採用されました。目次は、以下のようになっています。

 序章 戦後保守政治の現段階
 第1章 <86年体制>のビジョン
 第2章 保守政治の転換と日本の進路
 第3章 保守政治転換の基底
 終章 中曽根<86年体制>の展望

 この時に戦後保守政治は大きく転換し、中曽根首相が豪語した<86年体制>という明文改憲を志向する「反憲法政治」によって平和国家は浸食され、今では大軍拡志向国家へと変貌しつつあります。これにストップをかけることが、私の人生に残された最後の戦いとなるでしょう。
 今ようやく、そのチャンスが巡ってきたことを喜んでいます。悔いなき戦いによってせっかくのチャンスを生かしたいと願い、三つの補選で全敗して窮地に陥った岸田政権への追撃戦に立ち上がるべく、本書を刊行することにしました。岸田政権とともに自民党を政権の座から追い出す戦いに、皆さんが共に立ち上がっていただくことを願ってやみません。

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5月4日(土) 偽りの政治改革を推進した佐々木毅東大名誉教授はまず自己批判するべきだ [ 政治改革]

 先日のテレビのニュースで、懐かしい顔に出会いました。佐々木毅東大名誉教授です。現在、大きな問題になっている裏金事件に関連して「政治とカネ」の問題についてコメントしていました。「悪魔は細部に宿る」などと。
 佐々木さんは、かつてリクルート事件や金丸脱税事件を契機に政治改革が大きな課題となった時、政治改革推進協議会(民間政治臨調)の主査として主要なメンバーでした。1994年に小選挙区比例代表並立制と政党助成金が導入された政治改革関連法が成立しますが、それを実現させた責任者の一人だといって良いでしょう。
 私としては懐かしかった半面、どの面下げて出てきたのかと言いたい気持ちになりました。30年前、今と同様に「政治とカネ」が問題になったとき、佐々木先生が何を言い、どのような役割を演じたのか、インタビューした記者は分かっていたのでしょうか。

 私は1997年に労働旬報社から出した拙著『徹底検証 政治改革神話』で、次のように書いて佐々木先生を批判しました。小選挙区比例代表並立制による総選挙が終わったにもかかわらず政治の現状が変わらないと指摘していたからです。
 「一旦変化が始まれば、国民は、政治家たちが当初、考えていた所よりも遥かに遠くまで彼らを連れて行くであろう」(『朝日新聞』92年3月20日付夕刊)と請け合い、「細川政権の運命は、政治改革法案を速やかに成立させることができるかどうかにかかっている」(『朝日新聞』93年8月6日付)と尻をたたいた、佐々木教授自身の責任はないのでしょうか。
 もし、「政治改革法の成立」が「戦後政治における一つの革命的な出来事」(『朝日新聞』94年2月16日付)であったとするなら、また「政治改革はまさに政治家自らが惰性を断ち切るために行った特筆すべき自己改革」(佐々木毅『政治家の条件』講談社、1995年、219ページ)であったなら、このような「革命的な出来事」や「自己改革」の成果は、一体どこに現れているのでしょうか。(同書、73頁)

 今では、この時の政治改革法の成立によって政治が改革されなかったことは明らかです。選挙制度が中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に代わり、政党助成金が導入されたにもかかわらず企業・団体献金は廃止されず、政治資金パーティーという抜け穴の存続によって政治腐敗を助長することになったからです。
 朝日新聞も佐々木教授も誤っていました。私は「このような『革命的な出来事』や『自己改革』の成果は、一体どこに現れているのでしょうか」と問いかけましたが、その答えは明らかです。そのような「成果」などは全くなかったのです。
 このとき政治改革法案の成立を後押ししたメディアも研究者も、自己批判するべきでしょう。あなたたちの責任は大きい。日本の政治と自民党を腐らせた責任はあなたたちにある。
だから、その責任を取るべきです。「悪魔は細部に宿る」などと言ってごまかすことは許されません。その「悪魔」を導き入れてしまったのは、あなたたちだったのですから。

 今度こそ、本当の政治改革が求められています。30年前にすでに懸案となっていた企業団体献金は当然禁止されるべきです。前掲の拙著第4章で、私は「『政治改革のやり直し』の提案」を行い、「新選挙制度に対する提案」や「三悪(小選挙区制・政党助成金・企業団体献金)の廃止を」主張しました。27年前に出した拙著でのこれらの提案を、今こそ真剣に検討していただきたいものです。
 企業団体献金は、本来であれば企業やその従業員、団体やその構成員のために使われるべき資金が、政党や政治家の手に渡ることを意味しています。企業や団体の構成員からすれば、政党助成金という形で税金を負担していますから二重払いのようなものです。
 企業からすれば、設備投資や賃上げに回すべき原資を政治につぎ込むことになります。それが効果を生めば賄賂になり、効果を生まなければ背任になります。どちらにしても大きな問題を生むことに変わりありません。こんなことは、もうやめるべきでしょう。

 選挙での買収や飲み食いに使われる可能性のある金をせびられてきた企業の側から、もう出すのはやめにしたいと言うべきです。健全な政治を発展させる民主主義のコストどころか政治腐敗の温床となってきたことは明らかなのですから、
 もうもらうわけにはいかないと、自民党の側からも断るべきでしょう。それが正当な政治活動に使われたかどうかは疑わしく、実は民主主義を腐らせる毒薬だったのではないかという疑いが生じているのですから。
 それでもなお、企業団体献金に頼ろうとするのであれば、自民党はもはや麻薬中毒患者に落ちぶれてしまったということではないでしょうか。中毒を治すためには、政権交代によって権力の座から引きずりおろし、治療に専念させるしかありません。これは金権腐敗によって全身を蝕まれてしまった自民党が近代的でクリーンな政党へと生まれ変わるためにも必要な処置ではないでしょうか。

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5月3日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』5月3日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:政治家は外遊、外国人は豪遊 連休で見せつけられた日本の惨憺

 世界的な天候不順で原料の不作が大きな要因とはいえ、歴史的な円安も一役買っている。海外旅行がムリなら、せめて海外の「味」だけでも楽しみたいという庶民の切なる願いも、はかなく消えゆくのみだ。

 庶民生活には地獄の円安もインバウンドには天国で、有名観光地は外国人に占有されている。まさに国力の衰退を実感し、日本の惨憺を見せつけられるGWである。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)もこう嘆く。

 「岸田首相は昨年『明日は今日より必ず良くなる日本をつくる』というフレーズを使い回していましたが、大ボラを聞かされただけです。食品値上げが家計を圧迫し、昨年の『エンゲル係数』は27.8%と、現在の基準でさかのぼれる00年以降で最高でした。今の円安水準が続けば、さらなる値上げラッシュが秋にも襲い、過去最高の更新は確実。岸田首相はこのGW期間に四苦八苦する庶民の暮らしぶりを視察し、植田日銀と共に円安対策を本気で協議すべきでした。外遊でスキを与えるから、海外勢に円売りを仕掛けられるのです。国民の生活苦よりも内閣の支持率の改善を最優先。大手メディアが創作した『外交の岸田』の異名を真に受け、得点稼ぎになると外遊に入れ揚げているのでしょう。アホらしくて酒でも飲まなきゃやってられない? かくなる上は生活防衛のための政権交代を実現させ、いい酒を飲める世の中にしないといけません」

 政治家は外遊、外国人は豪遊の現実に悲嘆するなら、政権にノーを突きつける覚悟を持つべきだ。酒に逃げるだけのGWにしてはいけない。

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