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12月29日(木) 2022年の仕事 [日常]

 2月24日に、ロシアによるウクライナに対する侵略戦争がはじまりました。この日に、こんなことが起きるなんて、やりきれません。この日は、私の71回目の誕生日だったのです。
 この戦争で日本もカーキ色に塗り変えられ、一気にキナ臭い空気が漂い始めました。それもあって参院選は残念な結果に終わったことは、皆さんご存じのとおりです。しかし。その投票日直前に勃発した安倍元首相の銃撃死によって大きく潮目がかわりました。
 岸田政権は相次ぐ閣僚辞任や内閣支持率の低下などによって追い込まれながらも、大軍拡・大増税、原発依存の継続・強化を打ち出しました。来年は民意に挑戦する政権とのガチンコ勝負の年になりそうです。

 さて、 例年のように、1年間の仕事をまとめさせていただきたいと思います。今年は論攷・インタビュー・談話・コメントなどが24本、講演・報告などが31回、街頭演説・あいさつなどは12回でした。夕刊紙『日刊ゲンダイ』の記事内でのコメント掲載は101回で、例年と大きくは変わりませんでした。
 
(1) 論攷・インタビュー・談話・コメントなど(24本)
・「“市民と野党の共闘の力”さらに強め、“核兵器禁止条約に参加する政府”実現の展望ひらく年に」『非核の政府を求める会ニュース』第365号、2021年12月15日・2022年1月15日合併号
・「政権交代への課題と展望-2021総選挙の結果から見えるもの」『八王子学術・文化日本共産党後援会ニュース』No.19、2022年1月10日号
・「国立病院の機能強化を求める国会請願書名に賛同します」『全医労しんぶん』第2843号、2月15日付
・「シリーズ維新の会 その実像は 自公の悪政 右からけん引」『しんぶん赤旗』2月11日付
・「岸田政権には安倍さんの「背後霊」」『しんぶん赤旗日曜版』3月6日号
・第53回 3・13重税反対中央各界代表者集会への賛同メッセージ
・「共闘の〝機関車〟躍進が重要」『しんぶん赤旗』3月16日付
・「岸田政権の危険な本質と憲法闘争の課題」『月刊全労連』No.303 、2022年5月号
・「ロシアによるウクライナ侵略 憲法9条でなければ日本は守れない」『東京革新懇ニュース』第472号、2022年5月5日付
・「岸田政権の性格と参院選の争点―何が問われ、何が訴えられるべきか」『学習の友』No.826 、2022年6月号
・「参院選の意義と民商・全商連への期待」『月刊民商』No.745 、2022年6月号
・「改憲阻止へ、学んで伝え、伝える言葉を選び、伝える手段の工夫を!」『神奈川革新懇ニュース』NO.247 、2022年6月号
・「共産党ここに期待 今こそ〝ソフトパワー〟」『しんぶん赤旗』6月28日付
・「参院選結果 野党は勝利を「プレゼント」した」〔以下のインタビュー記事は『連合通信・隔日版』第9755号、7月14日付
・「無党派層で一位だった山添さんの運動に学ぼう」『しんぶん赤旗』日曜版、7月17日付
・「9条改憲阻止 安倍「遺志」で正当化許されず」『しんぶん赤旗』7月20日付
・「参院選の結果とたたかいの課題」『安保廃棄』第495号、8月号
・「自民に「漁月夫の利」与えた参院選」『全国商工新聞』第3517号、8月1日付
・「参院選の結果と憲法運動の課題」『憲法運動』第513号、8月号
・「政治考 政権行き詰まり加速 大きな転換点 潮目変わった」『しんぶん赤旗』9月14日付
・「混沌としてきた改憲動向 今こそ9条の「ありがたさ」を語ろう」日本機関紙協会『機関紙と宣伝』No.1072,9月号
・「政治考 軍拡に世論誘導する政府 対抗する運動づくり急務」『しんぶん赤旗』10月16日付
・「岸田政権は国民の方を向いていない」『しんぶん赤旗』日曜版11月13日付
・「岸田政権を覆う統一協会の闇 癒着議員抜きでは組閣できず」『治安維持法と現代』No.44、2022年秋季号

・以上のほか『日刊ゲンダイ』の記事内でのコメント掲載が101回

(2)講演・報告など(31回)
・1月9日:北商連新春役員決起集会「改憲阻止と反転攻勢に向けての展望」
・1月16日:北那須革新懇「政治の展望と革新懇運動の課題」
・2月18日:三多摩革新懇世話人会「参院選をどう闘うか―今の政治情勢から」
・3月19日:荒川市民アクション「9条改憲の危機にどう立ち向かうか」
・3月26日:茨城県労働者学習協議会「情勢の特徴と参院選に向けての課題」
・4月2日:山形県国民運動実行委員会「参院選をめぐる情勢と野党共闘の展望」
・4月9日:市川かつひろ新春のつどい「ロシアのウクライナ侵略と憲法9条」
・4月10日:鳥取県革新懇「ウクライナへの侵略と憲法9条の意義」
・4月17日:「建国記念の日」を考えるつどい「迫りくる憲法改定の危機―岸田新政権の戦略を問う」
・4月24日:宮前9条の会「参議院選挙と改憲阻止の運動」
・5月15日:茅ヶ崎革新懇「沖縄復帰50年と日本国憲法の平和主義・民主主義」
・5月20日:大田革新懇「憲法9条で平和を守ろう」
・6月3日:えどがわ革新懇「憲法9条こそ日本を守る力です!」
・6月5日:戸田革新懇「新しい政治への展望と参院選の意義」
・6月8日:埼玉土建全権幹部労働講座「岸田政権の危険な本質と参院選の意義・重要性」
・6月8日:高尾平和ゼミナール「ロシアのウクライナ侵略と日本国憲法」
・6月11日:名古屋東部革新の会「ロシアのウクライナ侵略と参院選の意義」
・6月17日:三多摩革新懇世話人会「参院選直前の情勢について」
・6月18日:埼玉労連「憲法9条の危機と参院選の意義」
・8月21日:上野こうえつ後援会「岸田政権の憲法破壊と戦争への道を阻むために」
・8月23日:八王子科学フォーラム「参院選の結果と日本政治の課題」
・8月26日:戦争立法許さない!総がかり昭島市民の会「憲法をめぐる新たな情勢と私たちの闘い」
・8月27日:革新芦屋の会「参院選の結果と憲法の今後」
・8月28日:八王子労連「参院選後の情勢と労働者の生活」
・9月8日:神奈川県労働者学習協会「参院選後の情勢と私たちの課題」
・9月23日:鎌ヶ谷革新懇「改憲の危機と野党共闘の重要性」
・10月9日:西東京革新懇・西東京市公民館「暮らしと平和を壊す軍事力の拡大の日本になるのか」
・10月18日:三多摩革新懇世話人会「情勢の特徴と反転攻勢に向けての課題」
・11月12日:藤沢革新懇「憲法をめぐる新局面と市民運動の課題」
・11月23日:静岡革新懇「改憲策動の新局面と新しい政治への展望」
・12月7日:都職労退職者協議会「参院選後の情勢の特徴と市民共闘の役割」

(3) 発言・街頭演説・あいさつなど(12回)
・1月29日:東京革新懇総会で発言
・3月2日;東京革新懇事務局長会議あいさつ
・3月30日:新宿駅西口でスピーチ
・4月21日:新宿駅西口でスピーチ
・4月23日:八王子駅北口のノーウオーアクションでスピーチ
・6月2日:八王子いちょうホールでの映画「わが青春つきるとも」上映会であいさつ
・8月9日:新宿駅西口でスピーチ
・10月5日:革新都政を作る会呼びかけ人会議で閉会のあいさつ
・11月9日:統一協会問題学習交流会で開会のあいさつ
・11月13日:労働者教育協会第2回理事会で発言
・11月19日:全国革新懇交流会全体会議で座長
・12月23日:新宿駅西口でのスピーチ

 皆様、良いお年をお迎えください。


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12月28日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月28日付に掲載されたものです。〕

*記事「秋葉賢也復興相と杉田水脈政務官が辞表…岸田首相“年末ドサクサ更迭”で露骨な批判そらし」

 もともと岸田首相は、秋葉氏、杉田氏の2人は交代させようと考えていたという。

 「しかし、年末に安保3文書改定や来年度予算案の閣議決定など重要な政治日程を控え、更迭で波風を立てるわけにはいかない。一時は年明けの通常国会直前に『心機一転』の名目で2人を含む複数人を交代させる人事を描いたが、後任調整が難航。せめて『2人だけでも』と重要日程が一段落したこのタイミングでの更迭を決めたそうです。年内に片を付け、年末年始の休みを挟めば『世間の関心が薄れる』という計算も働いたのでしょう」(官邸事情通)

 つまり、年末のドサクサにまぎれて閣内を“大掃除”し、国民の批判をそらそうというわけだ。本来なら、もっと早く秋葉氏、杉田氏を一掃できたはずだが、ここまで判断が遅れたのも、岸田首相にヨコシマな思惑があるからだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「臨時国会中にも秋葉大臣を更迭できたはずですが、ズルズルと“延命”させたのは『4人目の辞任ドミノ』による政権へのダメージを恐れたからです。杉田政務官に至っては、差別的な問題人物であることは初めから分かっていた。それでも起用したのは、彼女が所属する党内最大派閥・安倍派に忖度したからでしょう。全ては『政権維持』と『党内基盤維持』のため。国民目線は皆無と言えます」

 そもそも自民党は「東北の復興なくして日本の再生なし」を掲げ、岸田首相も昨秋の衆院選と今夏の参院選で、福島を第一声の場に選んできたクセに、復興大臣は誰でもいいのか。

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12月27日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月27日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「岸田首相もイカれていたか 「有事の宰相」をいきがる愚かさ」

 この国における「有事」とは、在日米軍を含むアメリカ軍と日本の周辺国との戦争に巻き込まれる「波及有事」だけだ。政府は中国と北朝鮮、ロシアの脅威をあおるが、彼らとの衝突を避けるための外交努力はみじんも感じられない。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「ロシアとはウクライナ侵攻を機に制裁を科した対抗措置として、日本は『非友好国』に指定され、北朝鮮とは没交渉。対面では実に3年ぶりとなった11月の日中首脳会談も大きな成果はなかった。周辺国との外交は手詰まり状態です。専任として歴代最長、4年8カ月の長きにわたり外相を務めた岸田氏なら、外交の重要性を理解していなければ困る。麻生氏が岸田氏を『有事の宰相』とおだてあげたのは『公家集団』と揶揄される宏池会のトップに『タカになれ』とハッパをかけたようなもの。この言葉を圧力と感じ、普段は優柔不断な“お公家さま”が柄にもなく、防衛政策を次々と大転換。外交努力を蔑ろにした大軍拡と、その財源となる大増税を背負うのは国民の責任だと押し付ける姿は異様です」

 戦争とは血を流す政治、外交とは血を流さない政治であり、日本は永久に血を流さない政治を守るべきだ──。歴史的な「有事の宰相」を粋がる愚かな岸田には肝に銘じて欲しい言葉である。06年に亡くなるまでそう訴え続けたのは、かつて自民党きってのタカ派と呼ばれた箕輪登・元郵政相。旧北海道1区選出で衆院議員を8期23年務め、90年の政界引退まで防衛政務次官や自民党国防部会の副会長を歴任した。

 引退後は民間から防衛政策に苦言を呈し、04年にはイラクへの自衛隊派兵は「違憲」として、差し止め訴訟を札幌地裁に提訴した。日本が軍事国家になることを危惧していた保守政治家だ。

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12月18日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月18日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「平和憲法はこれで死滅 専守防衛をかなぐり捨てた宏池会の面汚し」

 もともと、防衛費のGDP比2%を強く主張していたのは、安倍だった。それを岸田が“横取り”したのは、今年5月のバイデンの来日がきっかけ。日米首脳会談の場で岸田は「防衛費の相当な増額を確保する」と約束した。

 その後、9月設置の有識者会議はたった開催4回で一足飛び。10月中旬以降に17回開かれた自公与党による安保関連3文書の改定内容の協議は非公開だった。国会でロクに審議もせず、ほとんど密室の話し合い。最後は閣議決定の独断先行で、岸田政権は国の形を大きく変えてしまったのだ。

■広島G7のため米国の先兵役を買って出る

 法大名誉教授の五十嵐仁氏はこう言った。

 「岸田首相は防衛政策の大転換の理由やそれに伴うリスク、そもそも『5年間で43兆円』の積算根拠すら国民に知らせていません。説明もできずにごまかすだけなのは、率先して従来の『盾』から『矛』の役目を引き受け、バイデン政権に喜んでもらえれば政権維持の後押しを得られるという後ろ暗い理由を隠したいがためでしょう。すべては米国のため、保身のため。拙速な議論で防衛費大幅増を急いだのも、年明けで調整中の米国訪問でバイデン大統領と会談する際の『手土産』にするという意図を感じます。その結果、昨年の衆院選でも今夏の参院選でも、おくびにも出さなかった新たな負担増という『だまし討ち』に突き進み、国民生活を犠牲にする。急激な物価高で青息吐息の暮らしを回復するには、早期の賃上げが必要不可欠なのに、防衛費増額の財源として法人税も所得税も増税する方針で賃上げ機運に冷や水を浴びせる。こんなデタラメを許していたら、経済再生も夢のまた夢です」


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12月13日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月13日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「やり方決め方すべてが姑息 国と国民を守りたいなら岸田首相よ、辞めてくれ」

■民意にコソコソ隠れた防衛政策の大転換

 確かに敵が「着手」した時点でミサイル拠点をたたく敵基地攻撃能力の保有は日本の防衛政策の歴史的な大転換だ。相手から武力攻撃を受けたときに初めて必要最小限の防衛力を行使し、保持する防衛力も必要最小限に限る。この平和憲法の精神にのっとった「専守防衛」という戦後日本の国是をなし崩しにし、「着手」の判断を見誤れば国際法違反の「先制攻撃」に問われる危険な道にカジを切る資格が、はたして岸田にあるのか。法政大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「支持率が6、7割と世論を味方につけた政権ならいざ知らず、調査によって支持率が30%に満たず、ほとんど国民に見放された泥舟政権が防衛政策の基本を覆すことに、正当性はない。しかも、国会での議論ナシ。16日には敵基地攻撃能力の保有を盛り込んだ安保関連3文書を拙速に閣議決定してしまうのだから、なおさらです。夏の参院選でも公約に掲げていなかった増税を推し進めることも含め、やり方、決め方、すべてが民意に隠れてコソコソ。あまりに姑息すぎる。歴史的な大転換を行うのなら、選挙で公約に掲げて堂々と国民の信を問うべきです」

 現在、米国や中国ではマッハ5以上で飛ぶ極超音速ミサイルの開発が急ピッチで進み、実験にも成功。間もなく運用に入るとみられる。1発約3億円、500発で計1500億円とされるトマホークを米国から購入しても、5年もすれば時代遅れになっている可能性が高いのだ。

 「防衛力増強は米国への忖度ありき。日本は『盾』に徹し、相手国の領土を攻撃する『矛』は米国に委ねてきたのに、日本も『矛』の役割を担うことで、膨らみ続ける国防費の抑制を目指す米国のバイデン政権にこびる。日本が自前で長距離ミサイルを研究・開発しようにも、技術者が不足しており、今後も米国の兵器に頼らざるを得ない。その負担を国民に押しつければ『軍』栄えて『民』滅ぶです。抑止力で守るべき社会や国民生活をブッ壊すだけですよ」(五十嵐仁氏=前出)

 10日の会見で岸田は「今、国際情勢は不安定化、流動化している。わが国をめぐる安全保障環境も厳しさを増している」と語ったが、米国にすればシメシメだろう。自国が攻撃されるのはごめんだが、遠く離れた東アジアで緊張感が高まれば時代遅れのミサイルや兵器の在庫一掃。それこそ日本が“言い値”で買ってくれればウハウハだ。


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12月11日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月11日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「ドンブリ勘定、根回し不足 防衛費倍増で泥舟政権は大混乱」

 9日、党本部で開かれた「政調全体会議」は2時間におよび、大紛糾。50人を超える議員が次々に発言し、7割が「増税反対」をブチ上げた。

 党三役の萩生田政調会長まで「増税はさまざまな努力をした後の最後の手段だ」と首相の方針に反対し、閣僚である西村経産相も、法人税増税が有力視されていることについて「企業が大胆な投資のスイッチを押そうという時に、水を差すタイミングでの増税は慎重になるべきだ」と異論を唱えている。

 総理総裁が決定したことに、ここまで「反対」の声が広がるのは異例のことだ。泥舟政権は大混乱に陥っている。さすがに岸田周辺も「まずい状況だ。全部吹き飛んでしまう」と真っ青になっているらしい。

 毎度のことだが、どうせ岸田は、党内に根回しもせず「1兆円増税」を決めてしまったのだろう。こうなるとシナリオ通りには進まないのではないか。

 「岸田首相は、本当に政治センスがない。バイデン大統領に『防衛費の増額を確保する』と約束してしまったため、来年1月の訪米前に形にしたかったのかも知れませんが、いま1兆円増税を掲げたらどうなるか分かりそうなものです。それもこれも、深くモノを考えず、いつも思いつきで決めているからでしょう。実際、政策にしろ、閣僚の更迭にしろ、方針を打ち出したと思ったら、すぐに撤回の連続です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 すべてが思いつきだから、2倍にする防衛費だって、ドンブリ勘定である。

 防衛省は当初、5年間で48兆円を要求し、財務省は30兆円台前半を主張、最後に43兆円で決着している。もし、国防に不可欠なモノを精査していたら、兆単位で差がつくはずがない。事実、与党関係者からは「具体的な装備を査定している最中に政治決着になった」と嘆きの声が漏れている。

 要するに、岸田は、防衛費について、本当は関心も興味もないということなのではないか。

 「なぜ、伝統的にリベラルな派閥である宏池会出身なのに、軍拡の旗を振っているのか理解不能です。防衛費を2倍にし、敵基地攻撃も容認するというのだから異様です。恐らく、国防のことも、憲法のことも深く考えず、政権維持に都合がいいから、という程度の考えで軍拡の旗を振っているのでしょう」(五十嵐仁氏=前出)

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12月4日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月4日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「防衛費倍増で敵基地攻撃 岸田首相は米国と安倍派の走狗同然」

■東アジアの安定や国民の安全より政権の延命が大事

 派閥の後継者が決まらず迷走する安倍派は、安倍元首相が掲げた政策で求心力を保持しようと苦心している。

 「憲法改正」「成長戦略、積極財政」「安全保障、防衛費」の3つのテーマを議論するプロジェクトチーム(PT)を設置。安全保障や防衛費に関するPT座長の大塚元財務副大臣らはきのう国会内で防衛相と面会し、防衛費は5年間で「43兆円規模の確保が必要だ」と主張。岸田政権が防衛費増に動いたのは安倍派の手柄だとアピールしている。

 「専守防衛を旨としてきた日本の防衛費倍増や攻撃能力の保持は、間違いなく周辺国に警戒感を抱かせます。軍事増強による抑止力なんて、空想的軍国主義と言うほかない。東アジアの緊張を高めるだけです。偶発的な接触が戦争に発展するのが歴史の常で、軍拡はむしろ戦争に巻き込まれるリスクを高めるだけなのです。それでも、支持率急落で政権基盤が揺らいでいる岸田首相は、防衛費倍増で最大派閥の安倍派にスリ寄り、米国からもこれまで以上に武器を購入して尻尾を振ることで延命をはかっている。今後5年の東アジアの安定や国民の安全よりも、5カ月後の自身の政権延命の方が大事なのでしょう」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 岸田は来年1月上旬にも、就任後初めてホワイトハウスを訪問する方向で首脳会談の調整が進められているという。防衛費倍増、米国産武器弾薬の爆買いを手土産にバイデン大統領に会いに行くわけだ。

 それにしても、防衛費倍増の財源はどうするつもりなのか。新型コロナウイルス対策事業の積立金や、外為特会など特別会計の活用も選択肢だと報道されているが、それらは恒久的な財源ではない。

 じゃあ赤字国債で賄うのか? 軍事国債がどういう結末をもたらすかは、歴史が教えているはずだ。

 「コロナ積立金や外為特会を防衛費に充てるなんて、マトモな保守政治家の発想ではありません。国家・国民のことを真剣に考えていない証拠です。安倍元首相が防衛・安全保障を理論的に考えていないことは分かっていましたが、岸田首相も政権延命に汲々とするあまり、合理的な判断ができなくなっているのではないか。防衛費を持続的に倍増するなら増税か、社会保障費を削るしかない。本当に防衛費倍増が必要だというのなら、正直に訴えて選挙で信を問うべきでしょう。それを国民は支持するのか。給料が上がらず、人口も減っていく中で防衛費のために増税を強いるか社会保障を削るかすれば、敵基地攻撃の前に社会基盤が崩れて日本が破滅してしまいかねません。公明党も、旧統一教会の問題で飛び火を恐れ、自民党にスリ寄らざるを得ないのでしょうが、支持母体である宗教団体を守るために戦争を容認するなんて本末転倒です」(五十嵐仁氏=前出)

 国民の支持を失った岸田が、政権延命のために安倍派の走狗となり、米国に媚を売る。そこに宗教法人問題で微妙な立場の公明党がますます下駄の雪となってスリ寄るという地獄絵図。しかし当面は国政選挙もなく、軍拡に反対する国民の声は届かない。

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12月2日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月2日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「なぜ支持率3割政権が勝手に決めるのか 防衛費倍増、敵基地攻撃を巡るデタラメ」

■敵は、内側から国民生活を破壊する岸田首相だ

 政府・与党が言うような「抑止力向上で安全になる」というのは嘘っぱち。そのうえ、反撃能力を持ったら最後、際限のない軍拡競争となり、それをまかなうために増税と戦時国債まがいのゾンビまで復活しかねない。日本経済と国民生活は火の車となり、戦争国家へ一瀉千里だ。「いつか来た道」へ再び足を踏み入れようとしているのに、国民も大メディアも暴走する政府・与党を止めないのか、傍観するのか。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「敵基地攻撃能力の保有は、空想的な軍国主義に基づくたわ言。できないことをやろうとして、専守防衛くそくらえ、という話です。そのために国会の議論もなく、コロナと物価高で苦しむ国民に大増税を押し付けようなんて、政府の暴走であり、岸田首相は合理的な判断能力を失っているとしか思えません。外から攻撃される前に、国民生活が破壊され、内側から崩れていく。やっていることが本末転倒。国民の敵は岸田首相ですよ」

 まさに「#岸田に殺される」である。すべての国民にとって「生命と財産の危機」は他人事ではない。


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