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12月30日(土) 2023年の仕事 [日常]

 天下大乱の予感が漂う年の瀬となりました。自民党の最大派閥である安倍派をはじめとして、政治資金集めパーティーのキックバックで組織的に巨額の裏金作りをしていたことが明らかになったからです。このお金の一部は政治資金収支報告書にも記載されていませんでした。
 安倍派などのオウンゴールによって自民党と岸田政権の支持率が急落し、支配の危機が生じました。かつて、リクルート疑獄で竹下首相が辞任に追い込まれたとき、後継を託されようとした伊東総務会長は「本の表紙だけ変えても、中身が変わらなければダメだ」と言って断りました。今回の裏金疑獄は、表紙を変えることで政権に居座り続けてきた自民党がいかに腐りきっていたかを明らかにしました。

 もう限界でしょう。この辺で引導を渡し、自民党にはお引き取り願うしかありません。来年は、岸田首相を退陣させ、解散・総選挙でまともな政権を樹立することが最大の政治課題となります。
 「政治とカネ」問題での追及を強めて岸田政権を追い詰めながら、その後の「受け皿」を作らなければなりません。そのためにも、市民と野党の共闘を再確立することが急がれます。

 さて、例年のように、1年間の仕事をまとめさせていただきたいと思います。今年は論攷・インタビュー・談話・コメントなどが16本、講演・報告などが24回、街頭演説・あいさつなどは16回でした。夕刊紙『日刊ゲンダイ』の記事内でのコメント掲載は100回で、例年とそれほど大きくは変わりませんでした。

 
(1) 論攷・インタビュー・談話・コメントなど(16本)

・「“核兵器の非人道性”さらに大きく発信し、“核兵器禁止条約に参加する日本政府を”の国民的合意形成の年に」『非核の政府を求める会ニュース』第375号、2022年12月15日・2023年1月15日合併号
・「共存・共栄が憲法の理念」『しんぶん赤旗』1月16日号
・「改憲・大軍拡を阻止し9条を守り活かすための課題」『季刊 自治と分権』No.90、2023年冬号
・「嘘とでたらめで巻き込まれる戦争などマッピラだ―大軍拡・大増税による戦争への道を阻止するために」『月刊 憲法運動』通巻518号、2月号
・「追悼 畑田重夫さん」『学習の友』3月号
・「ウクライナ戦争に便乗した「新たな戦前」を避けるために──敵基地攻撃論の詭弁と危険性」『学習の友』2023年6月号
・「支配層が恐れる共闘の力」『しんぶん赤旗』7月3日付
・「行き詰まる岸田政権 総選挙に向けた課題」『全国革新懇ニュース』8月10日号
・「〝タガ〟が外れた岸田政権で日本はどうなる?」『東京非核政府の会ニュース』No.424、8月20日号、No.425、9月20日号
・「権力固執 暴走に拍車」『しんぶん赤旗』10月4日付
・「暴走を続ける岸田大軍拡政権に引導を渡そう」『東京革新懇ニュース』第486号、10月5日号
・「統一協会 自民に政策指南 「ここまで深く影響受けていたのか」と驚いた」『しんぶん赤旗日曜版』10月8日号
・「理念なき場当たり政権」『しんぶん赤旗』10月29日号
・「現代史のなかでの岸田政権をどう見るか」『学習の友』10月号
・「「敵基地攻撃」能力の危険な企み それは日本に何をもたらすか―実質改憲に突き進む岸田政権の狙いを暴く」『治安維持法と現代』第66号、2023年秋季号
・「愚策の岸田減税の正体見たり 「定額減税4万円」6月に1回コッキリ」『サンデー毎日』11月12日号
・以上のほか『日刊ゲンダイ』の記事内でのコメント掲載が100回

(2)講演・報告など(24回)

・1月21日:京都革新懇総会「大軍拡・大増税で戦争なんてマッピラだ」
・2月9日:日本科学者会議東京支部緊急学習会「大軍拡・大増税による国民生活の破壊を許さない」
・2月12日:広川まさのり新春のつどい「戦争か平和かー私たちのくらしと政治」                    
・2月19日:市議選勝利へ 新春のつどい「大軍拡を許さない闘いと展望―統一地方選挙の意義」
・2月19日:賃金上げろ!生活守れ!軍拡・防衛増税反対! 福井県民大集会「岸田政権には退場してもらおう」
・2月26日:革新むさしの「大軍拡・大増税による戦争などマッピラだ」                         
・3月16日:三多摩革新懇世話人会「情勢について大いに語る」                      
・4月28日:町田革新懇「憲法を踏みにじって戦争に巻き込まれるなどマッピラだ」                   
・5月17日:大軍拡・大増税NO!連絡会「戦争する国づくりに向けた暴走を食い止めるために」
・5月26日:東京医労連連続学習講座「戦争する国づくりに向けた暴走を食い止めるために」
・5月28日:藤枝市9条の会「憲法を踏みにじって戦争なんてマッピラだ」
・6月3日:憲法9条を守る坂城町の会「大軍拡・戦争する国づくりへの暴走を食い止めるために」
・6月8日:労働者教育協会「敵基地攻撃論の詭弁と危険性」
・7月1日:東京非核政府の会「〝タガ〟が外れた岸田政権で日本はどうなる」                         
・7月8日:69九条の会「米対中戦略と統一地方選後の政局についての質問への回答」                           
・8月3日:9条の会東京連絡会「改憲を阻止し今こそ活憲の国づくりをめざそう」                        
・8月6日:秋田県憲法センター「岸田大軍拡を阻止し憲法どおりの日本をめざそう」                        
・9月13日:東京宗教者平和協議会「今の政治を考える:岸田政権はどこに向かっているのか」
・9月16日:三多摩革新懇世話人会「今日の情勢の特徴と課題」
・9月23日:葛飾革新懇「岸田大軍拡政権は日本をどこに導くか」
・10月7日:豊田革新懇「戦争する国にさせない 共闘の力と革新懇運動」                           
・11月3日:南空知憲法共同センター「国民の声が届く政治に変えよう」                     
・12月3日:稲城平和のつどい「戦争しない、戦争を起こさない国へ」                        
・12月19日:三多摩革新懇「内外情勢の課題と展望」                          

(3) 発言・街頭演説・あいさつなど(16回)

・1月29日:東京革新懇新春のつどいで開会あいさつ
・2月2日;革新都政を作る会呼びかけ人会議で開会あいさつ
・3月4日:東京革新懇事務局長会議で開会あいさつ
・3月11日:市川かつひろ事務所開きであいさつ
・3月17日:全国革新懇タツミコータロー支援でスピーチ
・4月14日:市川かつひろ支援でスピーチ
・4月16日:市川かつひろ支援でスピーチ
・4月21日:市川かつひろ支援でスピーチ
・4月22日:市川かつひろ支援でスピーチ
・5月5日:畑田重夫先生をしのぶ会で弔辞
・6月10日:労働者教育協会総会で発言
・7月27日:革新都政を作る会呼びかけ人会議で開会あいさつ
・9月29日:革新都政を作る会呼びかけ人会議で開会あいさつ
・10月16日:東京革新懇の宣伝活動でスピーチ
・11月20日:東京革新懇の宣伝活動でスピーチ
・12月8日:憲法共同センターの宣伝活動でスピーチ

 皆様、良いお年をお迎えください。

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12月29日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月29日付に掲載されたものです。〕

*記事:野党結集「政治改革政権」の現実味…立民・泉健太代表の覚悟とリーダーシップが問われる

■金権自民党には無理

 閉会後の20日にも立憲、維新、共産、国民民主、れいわ新選組、有志の会の5党1会派の国対委員長らが会談し、「政治とカネ」に関する閉会中審査を政府、与党に要求することで一致した。少しずつだが、下地はできてきている。

 「岸田首相は政治改革を議論する新組織を年明けに自民党内に立ち上げると表明しましたが、腐りきった自民党に任せていたら、クリーンな政治の実現なんてできるはずがありません。時限内閣でもいいから、政治改革のための連立政権を組んで金権政治を根絶するのが野党の責務でしょう。共産党と組むのが嫌なら閣外協力という手もあるし、そもそも今回の裏金問題を暴いたのは共産党なのだから、排除する道理もないはずです。自民党以外のすべての勢力を糾合して政権交代の受け皿をつくれるかどうか。野党第1党の泉代表には、その覚悟とリーダーシップが問われています」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 年明けの通常国会が「政治とカネ国会」になるのは確実だ。このタイミングなら、「政治改革政権」構想が国民の支持を得られる可能性は高い。

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12月28日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月26日付に掲載されたものです。〕

*記事:殺傷武器の輸出解禁“密室スピード決定”の裏 2度にわたりバイデン要求→岸田首相ポチぶり発揮

 米当局者が「(日本の)協議が進行中のため匿名を条件に語った」として、「武器輸出ルールの変更は、バイデン政権の重要な要求を満たすもの」「バイデン大統領は、8月のキャンプデービッドでの歴史的な日米韓首脳会談で、そして先月のサンフランシスコでの経済サミット(APEC)でも、再びこの問題を岸田首相に提起した」と明かしたという。

 つまり、バイデンに2度にわたってせっつかれた岸田首相が、忠犬ぶりを発揮したということだ。
 
 「防衛政策には日本の自主性が問われるのに、日本を守るためではなく、バイデンを助けるために力を尽くす。それこそ国を売るようなものです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 岸田首相は「インド太平洋地域の平和と安定を実現する」と殺傷武器の輸出解禁の意義を強調したが、むしろ逆で、日本の武器が間接的に紛争地で使われる道を開くものであり、平和国家の変質を決定づけるものだ。

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12月27日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月27日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:年の瀬に空前の混乱 「政治に遅滞が許されない」ならすぐ辞めるべきだ

 そもそも、この「政治改革大綱」では、<総裁、副総裁、幹事長、総務会長、政務調査会長、参議院議員会長、閣僚は、在任中派閥を離脱する>とうたわれているのだが、率先して派閥会長にとどまっていたのが岸田だ。副総裁、幹事長も派閥会長のままで、三頭政治とか言って麻生派、茂木派、岸田派のトップが毎週ひざを突き合わせて政権運営方針を決めてきた。派閥政治を完全復活させたのが岸田政権なのである。

■30年前より劣化している自民党

 「派閥の論理で権力の頂点に上りつめた岸田首相には派閥を解消する意思などさらさらないし、自分たちに都合のいい政治資金規正法も維持したいでしょうから、法改正に踏み込めるかも分からない。リクルート事件の際には自民党の若手議員が政治改革を訴えて執行部を突き上げ、その後も自民党を飛び出して新党を結成する動きがあったものですが、そんなエネルギーもない今の自民党は30年前より劣化している。『新たなステージ』どころの話ではなく、完全に機能不全に陥っています。いったん下野して解党的出直しをはかる以外に党再生の道はありません」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 安全性に関する試験の大規模不正が発覚したダイハツなど、企業の不正が横行しているのも、自民党の金権政治と無縁ではない。

 自民党に巨額の献金をしたり、パー券を大量購入した業界は、補助金や税制で優遇される。そういう癒着関係が企業側にも驕りや甘え、増長を生む。大企業が公共事業や税金中抜き、円安誘導で安易に稼ぐことに頼るようになり、技術革新も生まれず世界市場から取り残されてしまった。


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12月23日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月23日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:やはり自民党は解党しかない 「政治にはカネがかかる」と辟易するような言い訳ばかり

 議員歳費も年間2100万円である。イギリスの調査機関の調査(2019年)によると、日本の国会議員の報酬は、世界第3位だそうだ。各種手当を含めると世界1位の水準である。

 なのに「政治にはカネがかかる」などと嘯き、裏金をつくっていたのだから、ふざけるにも程があるという話だ。そもそも、まっとうな政治活動だけなら、裏金などいらないのではないか。

 「『政治にはカネがかかる』などと、もっともらしい釈明をしていますが、恐らく、裏金の大半は選挙の時、表に出せないカネとして使ったのでしょう。選挙に使える費用は上限が決まっています。運動員にカネを渡すことも禁じられている。でも、自民党議員には無償のボランティアで選挙を手伝ってくれる支援者が少なく、カネを払っていたのではないか。買収資金に充てていた疑いさえあります。公選法違反で逮捕された河井克行元法相は、地元の市長や県議などに現金を渡していましたからね」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 安倍派の裏金づくりでは、改選を迎える参院議員は、参院選のある年は、ノルマ超過分だけでなくパー券の売り上げを、全額、裏金にしてもいいシステムだった。ため込んだ裏金は、選挙資金として使った疑いが濃厚である。


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12月17日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月17日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:ちゃんちゃらおかしい「火の玉宣言」安倍派も他派閥も同じ穴のムジナ

 実際、これまでパー券収入の裏金化だけでなく、あらゆる「政治とカネ」の問題を起こしてきたのが自民党という組織だ。

 河井克行元法相は19年参院選広島選挙区を巡る買収事件で実刑判決を受け、吉川貴盛元農相は大臣在任中に鶏卵業者から500万円を受け取り、収賄罪に問われた。甘利元経済再生相は、大臣室で50万円を受領した“口利きワイロ”疑惑がくすぶったままだ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「政治とカネの問題は、自民党の宿痾みたいなものです。何度、痛い目に遭っても時間がたつと同じ問題を起こしている。リクルート事件をきっかけに、『政治改革大綱』を党議決定して政治資金の透明性確保を掲げ、政治改革の名の下に企業・団体献金を禁止したが、制度に“抜け穴”をつくり、結局は元のもくあみ。企業・団体献金もなくならなかった。いったい、企業・団体献金は禁止するからと、政党交付金制度を導入したのは何だったのか。政治資金パーティーを利用して裏金までつくっていた。自民党はヒドすぎます」

■この期に及んでポーズだけのデタラメ

 岸田は13日の会見で「国民の信頼回復のために火の玉となって自民党の先頭に立ち、取り組んでまいります」なんて言っていたが、ちゃんちゃらおかしな話だ。

 表情だけは深刻そうだったが、ヤル気がないのはミエミエだった。実態解明の調査期限について聞かれても「まずは当事者が自らを調査し、(検察)当局に丁寧に説明し事実を確認する」と他人事。政治資金規正法改正の必要性についても「議論になることはあり得る」と言っただけだった。

 あまりの消極姿勢に業を煮やしたのか、連立を組む公明党の北側一雄副代表にまで「検察の捜査を待つのではなく、自民党として事実関係の解明に取り組んでもらいたい」と注文をつけられるありさまだ。

 口先だけの岸田政権に実態解明など、とても無理だ。

 「岸田首相の発言は『火の玉』を含め、抽象的なものばかりで中身がありません。とりあえず勇ましげな姿勢を示しておけば、そのうち国民は忘れ、延命できると思っているのでしょう。ハッキリ言って、国民はなめられています。もっと怒るべきです。裏金が当たり前の腐敗政治を断ち切るには、政権交代しかないでしょう」(五十嵐仁氏=前出)

 国民生活無視の“裏金蓄財政権”には、即刻退場してもらうしかあるまい。


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12月14日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月14日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:予算も組めずに国民道連れ 今の岸田首相にマトモな組閣などできっこない

 4月の江東区長選をめぐる柿沢未途前法務副大臣の公選法違反事件の方も、国会閉会後に動きがありそうだ。

 そんな中、12日に立憲民主党が松野官房長官の不信任決議案を提出。衆院本会議で採決され、立憲、日本維新の会、共産党に加えて珍しく国民民主党までが賛成したが、与党の反対多数で否決された。その時、松野が一瞬ニヤリと不敵な笑みを見せたのが印象的だ。第2次安倍政権で文科相だった時も加計学園問題で不信任決議案を突きつけられているから、2度目は余裕ということか。

 「これまでも自民党は圧倒的な数の力で不信任決議案を封じ込めてきた。しかし、政権のスポークスマンである官房長官に裏金疑惑が持ち上がり、一切の説明を拒んでいるようでは『政治に対する信頼は失墜し、国益を大きく損ない続ける』という不信任案の趣旨弁明は正論です。これを否決した自民党は、裏金も説明拒否も容認する政党ということになる。しかも、官房長官を信任した数日後には更迭することを決めているのだから、支離滅裂です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 昨年末の閣僚折衝では、総務相は地方交付税を前年度より3000億円多く18兆4000億円にすることで合意。経産相との折衝でも、企業の脱炭素化への投資を促すために「GX経済移行債」を4887億円発行することが決まった。そうした閣僚折衝が機能しなければ、財務省の言いなり予算が閣議決定されることになるし、仮に折衝が越年すれば国民生活への影響は計り知れない。

 「自民党の裏金疑惑は規模の広がりから『令和のリクルート事件』と言われていますが、年末に人事をしなければならない状況に追い込まれた点でも1988年のリクルート事件を彷彿とさせる。当時の宮沢喜一蔵相が辞任し、竹下登首相は12月に内閣改造に踏み切りましたが、直後にリクルート社から新閣僚への献金が発覚し、竹下首相は翌春の予算成立と引き換えに退陣を表明することになった。後継首相に推されて固辞した伊東正義総務会長の『本の表紙を変えても中身を変えなければ駄目だ』という言葉は金言で、35年経っても同じことを繰り返していることに問題の根深さを感じます。金権政治は自民党の宿痾であり、悪化して死に至る病になっていると言っても過言ではありません」(五十嵐仁氏=前出)

 仮に岸田が退陣したとしても、疑惑派閥から登用できなければ、次の内閣は組閣もできない。どのみち自民党は行き詰まりだ。

 この先、日本の政治は、国民生活はどうなってしまうのか。リクルート事件をはるかに超える混乱が待っているのは間違いない。

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12月12日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月12日付に掲載されたものです。〕

*記事:検察は安倍派に恨み骨髄!「パー券裏金」の実態“丸裸”で派閥は壊滅へまっしぐら

 ここまで検察が安倍派の捜査に本腰を入れる背景には、安倍政権時の「遺恨」があるとされる。

 2020年に安倍政権は「官邸の守護神」と呼ばれた黒川弘務東京高検検事長をトップの検事総長に昇格させる布石として、勝手な法解釈変更で黒川氏の定年延長を閣議決定。それを正当化しようと、後付けで検察庁法の改正まで強行しようとした。

 結局、黒川氏は賭けマージャン問題で引責辞任したとはいえ、検察側は人事という「聖域」に手を突っ込まれたことに今も安倍派には恨み骨髄。裏金疑惑で壊滅状態に追い込み、安倍派憎しの検察は「本懐」を遂げたと言えるだろう。

 「松野氏らの後任から安倍派議員が外れるのは確実。要職を求めない『謹慎期間』が長引くほど、99人を擁する最大派閥は崩壊に向かう。ポストを得られないならと泥舟から逃げるように離脱者が相次ぎ、キックバックの恩恵を得てこなかった議員ほど、その思いは強いはず。何せ『安倍派』というだけで疑惑の目を向けられ、選挙には不利です。自壊による沈没は当然で、自民党ごと海の藻くずと消えた方が、この国のためになります」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 おごれる安倍派は久しからず──。年の瀬の永田町には諸行無常の鐘が響き渡っている。

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12月10日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月10日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:使途は? 税金は? 他のパーティーは? 現実味を帯びてきた年内総辞職

■13日を機に阿鼻叫喚

 なぜそうまでして裏金をつくる必要があるのか。自民党が長年慣習としてきたスキームには、メスを入れるべきことが山ほどあるのである。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「『政治にはカネがかかる』と言いますが、一晩何十万円もの店で飲食して政治資金から支出したりしているからです。あれは政治活動費じゃない。遊興費でしょう。派閥にしろ個人にしろ、パーティーで資金集めをするという政治資金規正法の“抜け穴”を利用して裏金をつくり、飲食に使ったり、税金をごまかしてきた。今回の裏金疑惑を『令和のリクルート事件』と呼ぶ人が出てきていますが、あれから30年。自民党は何も変わっていないどころか、ここまで腐ってしまったのかと愕然とします」

 国民には1円の税金逃れも許さないとばかりにインボイス制度で網をかける一方で、巨額の裏金キックバックが報道されても、何も答えない答えられない内閣がこの先も続くものなのか。

 13日の国会閉会を機に自民党内は阿鼻叫喚の地獄絵図と化す。パー券収入の不記載は、安倍派だけでなく二階派などでもあると疑われており、検察は数十人の自民党議員からの任意の事情聴取を検討しているという。既に、「松野官房長官や西村経産相ら閣僚は、検察から聴取された段階で辞任が避けられない。岸田首相は内閣改造に踏み切るだろう」という見方が自民党内で一気に広がっている。


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12月8日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月8日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:首相が辞めて終わりではない 問題は日米関係と統一教会の闇の解明

■教団の思想に染まった自民党

 立憲民主党の川内博史前議員がギングリッチ氏と梶栗氏、岸田の面会について、興味深い投稿をしている。X(旧ツイッター)で

〈宗主国側に統一教会がいる、即ち、自民党が統一教会に支配されていることを示唆する会談だったということ〉と指摘しているのだ。

 実際、旧統一教会がアメリカ政界に深く浸透しているのは間違いない。それだけに、教団の意思がアメリカを通じて自民党に伝わり、政策に影響を及ぼしていたとしても不思議ではない。自民党政権が、アメリカの威光に弱いことも紛れもない事実だ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「アメリカと教団は『反共』思想が完全に一致しています。イデオロギー的な共通点が、実際の連携につながっているのでしょう。教団が、アメリカの威光を利用して自民党に働きかけてきた可能性はあると思います。それもあって、自民党が統一教会の思想に染まってしまったということもあるでしょう。実際、家父長制的な家族観や、性的マイノリティーの権利を軽んじる思想など、自民党と統一教会は、多くが共通しています。いまだに、選択的夫婦別姓が法制化されず、LGBTQの権利を守る法律も世界から遅れている。安倍元首相の著書『美しい国へ』に至っては、日本教団の初代会長の著書『美しい国 日本の使命』とタイトルが酷似しているほどです。岸田首相は知らぬ存ぜぬを繰り返していますが、自らの接点を含め、自民党と教団の関係を改めて検証すべきでしょう」

 岸田の「教団との関係を断つ」という発言はいったい何だったのか。自らの接点すら説明しないのは、大ウソだったと認めているようなものだ。もはや、「辞任」で幕引きできるレベルではなくなっている状態だ。


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