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2月27日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月27日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:何から何まで国民愚弄 「税金一揆」の怒りの火に油を注ぐ政倫審

 国会運営上、数の力で劣る野党が取れる手段は限られていて、予算案の審議拒否などは民主主義を守るうえで少ない手段のひとつなのだが、いつの間にか、予算案成立に抵抗する野党が悪者にされてしまうことが続いてきた。今回は、能登半島地震の対応が含まれているからなおさらだ。

■補正予算を組まなかった不誠実

 だが今回、仮に予算案の成立が遅れて震災対応にも支障があった場合、それは完全に政府・与党の責任だ。能登震災の対応を最優先に考えるなら、補正予算案を組んで、通常国会冒頭で成立させておくべきなのである。それを予備費で対応するとか言っている岸田政権が不誠実なのだ。最初から予備費を含んだ来年度予算案を人質にして裏金問題を乗り切る算段だったとすれば、あまりに浅ましいし、被災地のことも、国民も愚弄しているというほかない。

 「予算が通ったからといって、裏金問題が終わるわけではありません。政倫審の開催を区切りにウヤムヤにされれば、国民は絶対に納得しない。野党は引き続き、参考人招致や証人喚問を徹底して求めていく必要があります。来年度予算が年度内に成立しなければ、それは真相究明にも説明責任にも後ろ向きな与党側の責任なのです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 予算案が衆院を通過してしまえば、自民党は予算委の参考人招致にも証人喚問にも応じなくなるだろう。政倫審で幕引きし、世論が忘れるのを待っているのだ。こんな政倫審が茶番でなくて何なのか。


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2月25日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月25日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:失われた30年の失政 東証高値更新に34年かかったことの方がニュースだ

 実質賃金を比べると、21世紀に入って下がっているのは、先進7カ国で日本だけである。

 昨年の春闘の賃上げ率は3.6%で「30年ぶりの上昇率」と岸田首相は胸を張るが、89年の5.17%を大幅に下回る。当時も物価は上昇していたが、賃金の伸びが上回り、89年の実質賃金は前年比1.9%増。昨年の実質賃金は2.5%減で、前年比マイナスは2年連続だ。もはや「安いニッポン」どころか、「貧しいニッポン」と化している。

 内需をアテにできない大企業もすっかり外需頼み。34年前に5割未満だったトヨタの海外販売比率は現在8割超。89年末に時価総額世界一だったNTTは今やグループ約900社の3分の2が海外企業だ。約34万人のうち海外従業員がほぼ半数を占める。こうした大企業にすれば、「貧しいニッポン」を決定づけたアベノミクスの円安誘導の大失策も、まぶしく映ったことだろう。

 「海外投資家が好感する『収益改善』の由来は、円安と値上げ。バブル期超えは庶民生活の犠牲の上に立っています。メディアも『34年ぶり』がニュースになる裏側に目を向けるべきで、この間、自民党政治は大企業と米国の顔色だけをうかがい、国民には見向きもしない。それを如実に示すのが裏金20年です。安倍派の裏金が5年間で6億円超に上るのも、優遇策の見返りに大企業がパーティー券を大量に購入したおかげ。内部留保を500兆円以上も貯め込み、賃金も上げず、設備投資もせず、円安政策にあぐらをかき、自民党と癒着すれば大企業は株高で安泰。このフザケタ構図を一変させるには自民を下野させるしかありません」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 この相場もまた自民の失政のせいで「うたかたの夢」で終わらないことを祈るばかりである。

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2月20日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月20日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:内閣支持率急降下 「脱税ふざけるな一揆」で山が動く予感

 安倍派の幹部が素直に政倫審に出席しようとせず、ゴネている理由は明らかだ。「参考人招致」や「証人喚問」に進展させないための戦術なのはミエミエである。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「虚偽答弁をすると偽証罪に問われる“証人喚問”と違って、政倫審は嘘を言っても罰則がなく、しかも非公開で行われる。疑惑議員にとっては、痛くもかゆくもないセレモニーの場です。しかし、政倫審出席のハードルを上げておけば、あたかも政倫審が厳しい場であるかのように演出できる。安倍派幹部も岸田首相も、それを狙っているのでしょう。ゴネればゴネるほど、政倫審の価値が上がっていく。その上で、もったいぶって政倫審に出席し、『説明責任は果たした』と、政倫審への出席を免罪符に使うつもりなのでしょう」

 裏ガネ事件をキッカケに、自民党に対する国民の意識が大きく動きはじめているのは間違いないだろう。これは山が動く前兆なのではないか。

 自民党の小渕優子・選対委員長も、「2009年衆院選で野党に転落した時と同様の批判をいただいている」と会見で吐露し、国会質問に立った自民党の上野賢一郎衆院議員も「体感としては、政権から転落した2009年の状況に近づいている」と危機感を漏らしていた。くしくも、岸田内閣の支持率も、野党に転落した時の麻生内閣の支持率に近づいている。

 「足元の政治状況が、自民党が政権を失った時の2009年に似ているのは確かでしょう。と同時に、やはり自民党が下野した1993年の政治状況とも似ていると思います。1992年、自民党副総裁だった金丸信が、東京佐川急便から5億円の闇献金を受け取っていたことが発覚したが、東京地検は、罰金20万円の略式起訴で済ませてしまった。これに対して『なぜ、特別扱いなのか』と国民の不満が噴出。自浄作用のない自民党に対する怒りも強まり、1993年の総選挙で自民党は政権を失い、細川政権が誕生した。現在、庶民生活は物価高によって苦しくなっているだけに、ある意味、自民党に対する国民の憤りは、あの頃より強いかも知れません」(五十嵐仁氏=前出)

 有権者は手ぐすね引いている。いまから岸田自民党は覚悟して待っていることだ。


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2月18日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月18日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:つくづく酷い国にした自民党 GDPは陥落、政治家はボロ儲け、国民には骨までしゃぶるインボイス

 給料の安い非正規を増やせば、企業は人件費を抑えられ、見せかけの利益は増える。その結果、日本が誇ってきた「分厚い中間層」は破壊されたと言っていい。その背景で経団連は、90年代の政治改革によりいったんやめた企業献金の斡旋を復活させ、自民党との癒着を深めたのである。

 その後、自民党は09年に下野したが、3年3カ月で政権復帰すると、安倍政権が大企業優遇を加速させる。法人税減税を毎年のように繰り返し、実効税率を5%近くも引き下げた。「安倍1強」を前に経団連の献金額も増え、いまや年間24億円を自民党側に“献上”している。政治資金集めのパー券も大量購入し、ズブズブの関係だ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「岸田首相は『コストカット経済からの脱却』と言いますが、まさに自民党が長年優遇してきた大企業が、労働者を顧みず、コストカットを続けてきた末の日本沈滞です。正社員を給料の安い非正規に置き換え、人件費を物件費にして、労働者をモノ扱いしてきた。しかし、大企業は労働者イコール消費者だということを忘れていた。個々の企業にとってコストカットは合理的選択だったものの、それが集団になれば全体として購買力の低下を招く。『合成の誤謬』です。そうした個々の間違いを全体として調整するのが政治や経団連の役割なのに、その責任をまったく果たせていません」

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2月16日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月16日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:政治倫理審査会て幕引きなのか 疑惑の裏金議員は証人喚問が当たり前

 与党・公明党の国重徹議員にも「自民党総裁として、疑念を持たれている議員に踏み込んだ説明を尽くすよう強く指示をしていただきたい」と詰められたが、「事情を最もよく知る関係者本人が説明責任を尽くすことが重要」と言うだけで「強く指示する」と明言することはなかった。

 岸田は昨年末の記者会見で「信頼回復のため火の玉となって自民党の先頭に立つ」などと言っていたが、熱のない答弁を連発。これで信頼を回復できると思っているのだとしたら、とんでもない勘違いだ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「『火の玉』どころか、岸田首相は答弁するたびに信頼を失っている。実際は『火だるま』です。また、会見で『信なくば立たず』とも発言していましたが、まさにその言葉通りの状況になっています。集中審議では、アンケートや聞き取りの実施を強調していましたが、いずれも中身はいい加減。とにかく“やってるフリ”をして、早く幕引きしたいということなのでしょう」

 この間の報道で、複数の安倍派の議員秘書が、派閥からのキックバックについて「(議員本人に支出される)政策活動費だと思っていた」と証言したことが分かっている。議員本人が個人としてキックバックを受けたなら、やっぱり課税対象だ。

 インボイス制度の導入で、国民は1円単位で税金を徴収されているのに、裏金議員の税逃れなど許されるはずがない。こんなヤカラは脱税でお縄が当然だろう。

 「複数の議員が収支報告書を訂正しましたが、使途を詳細に示した例はありません。これでは、『選挙でカネを配ったのか』『税を逃れて懐に入れたのではないか』と勘ぐられても仕方がないでしょう。こんな形で収支報告書を訂正しても、国民の政治不信はますます高まるばかりです。岸田首相は裏金議員を厳しく批判し、党として重い処分を下すべきです。でなければ、信頼回復など到底無理だと思います」(五十嵐仁氏=前出)

 本気で「火の玉」になる気があるのなら、岸田は証人喚問に積極的に応じるべきだ。


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2月10日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月10日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:1年前のことが「記憶にない」 嘘つきはドロボーの始まりだよ、盛山文科相

 「事実上の政策協定である推薦確認書を読まずにサインしたのなら軽率に過ぎるし、本当に記憶にないとすれば政策遂行能力に疑問符がつきます。政治家にとって選挙は何より重要なはずなのに、1年前のことも覚えていられない大臣で大丈夫なのか。もちろん、本当は覚えているのに党の調査に嘘をついていたとすれば言語道断です。いずれにしても、大臣としての能力も資質もないことを自ら告白しているに過ぎない。旧統一教会に解散命令請求をする資格はどこにもありません。文科省は宗教法人だけでなく、教育行政を所管しているのです。道徳教育もつかさどる役所のトップがこんなことでいいのでしょうか。岸田首相の任命責任は重大です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 盛山は灘中・灘高から東大法学部の超エリートだ。大学卒業後は運輸省(現・国交省)に入省し、通産相や運輸相、衆院議長を歴任した自民党の田村元の娘と結婚。ピカピカの経歴だが、子どものころに「嘘つきは泥棒の始まり」と教わらなかったのだろうか。

 もっとも、盛山は選挙に弱い。21年衆院選も小選挙区で敗れ、比例復活。教団信者の熱心な支援がなければ、比例復活もままならなかったかもしれない。選挙に弱い議員ほど、怪しげな団体が付け込む余地が生まれるものだ。

■自民党に自浄作用は期待できない

 岸田も「写真があるということは会ったのではないか」「どなたがいらしたかは覚えておりません」と、今回の盛山と同じような弁明をしていた。証拠写真があっても、シラを切り通せば何とかなるという成功体験。それを盛山も実践しようとしているのか。

 「盛山大臣を辞めさせると、『林官房長官はいいのか』『岸田首相はどうなんだ』と波及する可能性がある。それを恐れて、岸田首相は更迭にも踏み切れないのでしょう。盛山大臣が教団側から推薦状を受け取った際の写真に写っていた幹部のひとりは、岸田首相との写真にも収まっていましたからね。しかし、こうやって教団側からの反撃を恐れているようでは、首根っこを掴まれているも同然で、関係を断ち切ることなどできません。自己保身に走れば、教団側からのリークを恐れて顔色をうかがうようになってしまう。教団側の思うつぼです」(五十嵐仁氏=前出)

 党の調査に虚偽の申告をしてもバレなければOK、「記憶にない」で逃げられるということになれば、いま自民党が行っている「裏金問題」での全議員アンケートだって、誰が信じるものか。8日締め切りで自民党スタッフが回収していたが、自己申告で、虚偽の申告をしても罰則はない。調査をしたというアリバイづくりをしているだけなのだ。自民党に自浄作用など絶対に期待できない。

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2月6日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月6日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:密室で何やってんだか 自民党のお手盛り裏金議員聴取
 
 月刊誌「選択」(2月号)によると、5人衆のひとり萩生田光一は、きたるべき「萩生田派」旗揚げへ向け、若手や立候補予定者に次々に電話をかけ、“勧誘”を開始。「もう安倍派としてはやっていけないが、君たちが困らないようにしたい」と口説いているそうだ。5年間で2728万円もの裏ガネをつくっていたことが発覚したのに、反省ゼロである。すべて会計責任者の責任にしている。

 安倍派幹部のこうした態度も、民間企業では考えられないことだ。江上氏は、こうも指摘していた。
<私が勤務していた銀行業界は、バブルで事件を起こしたり、総会屋に不正融資をしたりして多くの問題を起こした><そして、トップは司直の手にかかって逮捕された。私の知っている限り、彼らが具体的に不正融資などを部下に指示したわけではない><私の知っている役員は「部下だけに責任を負わせるわけにはいかない」と従容として逮捕されていった><ところが政治家は、部下だけに責任を取らせて、すべて頬かぶりして時間が経過するのをじっと待つのである。これは不公正、不公平だろう>

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「どんな組織にも不祥事は起きるでしょう。真価を問われるのは、その時、どう対応するかです。真摯に向き合い、自浄能力を示し、膿を出せるのかどうか。ところが自民党は“お手盛り”の聴取で済ませようとしているのだから信じられない。いつから裏ガネづくりは始まったのか、何に使ったのか、それすら誰も説明しない。安倍派の幹部も反省の色が見えない。自民党議員は、それで国民が納得すると思っているのでしょうか。それもこれも、国民をナメている裏返しです」


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2月4日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月4日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:首相も安倍派も 裏金はもとよりその後の対応の醜悪に国民は唖然だ

 1月29日の参院予算委員会では、共産党議員が用意したパネルに「裏金問題」と明記したことに、自民側がケチをつけ、開会が30分遅れた。結局、裏金の文字を手書きのカギかっこでくくり、〈「裏金」問題〉とすることで片付いたが、実にバカバカしい。

 あまりにも当事者意識に欠けた幼稚なゴマカシに呆れていたら、2日の参院代表質問で岸田首相が仰天発言。裏金の定義を問われ、「文脈に応じて、意味、内容が異なってくる。一概に定義をお答えすることは困難」と言い放った。

 正式な出入金記録に記載せずに蓄財されたカネだから「裏金」と呼ぶのだ。実に簡単な話である。岸田派も刑事処分を受けており、会長だった岸田も当事者のひとり。裏金じゃないなら、誰がいくらもらい、何に費やしたのかを洗いざらい、表沙汰にすればいい。他人事にも程がある。

 「今なお1万4000人超が避難所暮らしを強いられている能登半島地震の被災対応を筆頭に、この国は問題山積です。何事も問題の定義ができなければ、問題は解決できません。能登の実態把握が遅れたのも納得です。岸田首相の発言は、政権を担当する責任を放棄したのに等しい。裏金ゴマカシ集団に政権を担う資格はありません」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 裏金はもとより、その後の自民の醜悪さに国民は衝撃を受けている。吐き気を催す集団が臆面もなく議員バッジをつけていること自体、もはや狂気の沙汰である。

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2月2日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月2日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:国民は騙されてはいけない 派閥解消、収支報告書訂正は犯罪隠蔽

■たった3日間のお手盛り調査

 来年度予算案の国会審議を控える中、自民党は野党の要求に渋々応じ、裏金議員の聞き取り調査を2日から始めるという。渡海政調会長や小渕優子選対委員長ら党幹部と弁護士が手分けして調査にあたり、安倍派や二階派議員が対象となる見込み。予算案の実質審議が始まる5日までに調査結果を国会に提出するというが、短期間で実態が解明されるとは思えない。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との癒着をアリバイ点検で押し切ったように、お手盛りで時間稼ぎをする算段か。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏はこう言った。

 「収支報告書の訂正は、違法行為を認めたのとイコールです。〈政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにする〉とうたう規正法の趣旨に反した裏金議員は全員辞職するのが筋。順法精神の欠落した人間が法律をつくる立法府の一員なんてブラックジョークです。泥棒に盗人を取り締まる縄をなわせているようなもので、国民を代表する資格はない。30年前の政治改革をめぐっても、自民党は自分たちに有利な抜け穴をつくった。政党助成制度は企業団体献金の全面禁止が前提だったのに、二重取りしているのがいい例です。野党が規正法の厳罰化を求めていますが、裏金議員を残留させたまま議論に入れば、自民党が焼け太りする可能性がある。国民は何度も何度も自民党に騙されてきた。立憲民主党の泉代表はきのうの代表質問で『自民党には自らをただす自浄能力がない』と断じていましたが、自浄能力が残っているわけがないのです。今回ばかりは目くらましに騙されてはいけません」

 繰り返すが、自民党の派閥解消に向けた動きも、収支報告書の訂正も、「政治とカネ」の問題を解消するためではない。イチにもニにも犯罪を隠蔽するためなのだ。犯罪者集団による幕引きを許してはいけない。


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