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9月17日(水) 「女性の活用」は安倍改造内閣の「お飾り」のためだけなのか [内閣]

 本日の『しんぶん赤旗』私のコメントが出ていました。「安倍流『女性活躍』の狙いとは」という見出しの記事で、コメントは次のようなものです。

 政治学者の五十嵐仁氏は、有村氏はミスキャストだと指摘します。「女性の社会進出をバックアップすべき大臣は本来、女性の人権と男女平等・ジェンダーの視点をもつことが大事です。たとえ女性でも古い家族観を持ち、男女共同参画を否定する人がトップでは困るわけです」

 安倍改造内閣では、女性閣僚が過去最多に並ぶ5人も入閣しました。しかし、それは「お飾り」にすぎません。
 新閣僚が顔をそろえた記念写真をご覧ください。真ん中に安倍首相。その左右を占めた小渕さんと高市さんは黒と青系統の洋服。その後ろに立つ有村さんと山谷さんは白系統の和服姿。安倍首相の真後ろにいた松島さんは真っ赤なドレスという形で、コーディネートされていました。
 これらの女性陣が安倍首相の周りを固めています。まるで、首飾りのようではありませんか。

 この安倍改造内閣で新設されたのが石破地方創生担当相と有村女性活躍推進担当相です。いずれも統一地方選や内閣のイメージアップを意識した人気取りで、所詮は付け焼刃に過ぎません。
 しかし同時に、一時しのぎの人気取りとはいえ、そのような形で特別の担当大臣を新設せざるを得ないほどに、これらの問題が深刻になってきているということの現れにほかなりません。そして、このような形であれ、地方や女性の問題に内閣が力を入れて取り組もうとすること自体は、決して悪いことではないでしょう。
 そのことによって、少しでも地方の活力が「創生」されれば結構なことです。女性の抱えている困難が解決され、社会的地位の向上と社会進出が進み、男女共同参画社会への実現に少しでも近づくことができれば、それに越したことはありません。

 しかし、果たしてそうなるのでしょうか。軍事おたくの石破さんが場違いな地方創生の分野でどれほどの力を発揮出るかは未知数です。
 ただし、女性の活躍推進を任された有村さんについては決して未知数ではなく、これまでの言動を通してある程度の予想ができます。それは女性の社会的地位の向上や社会進出、男女共同参画社会の実現に向けての推進力ではなく、ブレーキになる可能性が大きいということです。
 その点では、全くのミスキャストであると言わなければなりません。それが、冒頭に紹介した私のコメントの内容です。

 これに付け加えれば、有村さんは「3年抱っこの保育」などを推奨する「親学」の信奉者でもあります。このような育児思想と社会進出とは、どのようにして両立できるのでしょうか。
 古い家族観は今も持ち続けているのでしょうか。それとも、そのようなものは大臣になった途端に吹っ飛んでしまったとでも言うのでしょうか。
 迷った時には靖国神社に行って英霊の声を聞くのだそうですが、これからもそうするつもりなのでしょうか。大臣になったのですから、死んだ英霊ではなく生きている国民の声を聴いていただきたいものです。

 このような形で、安倍改造内閣が女性重視の姿勢を打ち出したにもかかわらず、都議会自民党では新たな問題発言が行われました。都議会の超党派でつくる「男女共同参画社会推進議員連盟」の野島善司会長が、プライベートでは「結婚したらどうだ、というのは僕だって言う」と述べたのです。
 セクハラヤジに続いて、セクハラオヤジが登場したというわけです。さすがに「これはまずい」と思ったのでしょう。都議会自民党の総会で、「不適切な発言をして大変申し訳ない」と話して、謝罪したそうです。
 しかし問題は、自民党議員などの多くがこのようなセクハラ的意識を持っており、批判されなければその問題点に気が付かないというところにあります。女性の活躍や社会進出を阻んでいる社会の仕組みや働き方の問題とともに、このような女性蔑視につながる社会意識についても、根本的に改められる必要があるでしょう。

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