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12月14日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月14日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:予算も組めずに国民道連れ 今の岸田首相にマトモな組閣などできっこない

 4月の江東区長選をめぐる柿沢未途前法務副大臣の公選法違反事件の方も、国会閉会後に動きがありそうだ。

 そんな中、12日に立憲民主党が松野官房長官の不信任決議案を提出。衆院本会議で採決され、立憲、日本維新の会、共産党に加えて珍しく国民民主党までが賛成したが、与党の反対多数で否決された。その時、松野が一瞬ニヤリと不敵な笑みを見せたのが印象的だ。第2次安倍政権で文科相だった時も加計学園問題で不信任決議案を突きつけられているから、2度目は余裕ということか。

 「これまでも自民党は圧倒的な数の力で不信任決議案を封じ込めてきた。しかし、政権のスポークスマンである官房長官に裏金疑惑が持ち上がり、一切の説明を拒んでいるようでは『政治に対する信頼は失墜し、国益を大きく損ない続ける』という不信任案の趣旨弁明は正論です。これを否決した自民党は、裏金も説明拒否も容認する政党ということになる。しかも、官房長官を信任した数日後には更迭することを決めているのだから、支離滅裂です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 昨年末の閣僚折衝では、総務相は地方交付税を前年度より3000億円多く18兆4000億円にすることで合意。経産相との折衝でも、企業の脱炭素化への投資を促すために「GX経済移行債」を4887億円発行することが決まった。そうした閣僚折衝が機能しなければ、財務省の言いなり予算が閣議決定されることになるし、仮に折衝が越年すれば国民生活への影響は計り知れない。

 「自民党の裏金疑惑は規模の広がりから『令和のリクルート事件』と言われていますが、年末に人事をしなければならない状況に追い込まれた点でも1988年のリクルート事件を彷彿とさせる。当時の宮沢喜一蔵相が辞任し、竹下登首相は12月に内閣改造に踏み切りましたが、直後にリクルート社から新閣僚への献金が発覚し、竹下首相は翌春の予算成立と引き換えに退陣を表明することになった。後継首相に推されて固辞した伊東正義総務会長の『本の表紙を変えても中身を変えなければ駄目だ』という言葉は金言で、35年経っても同じことを繰り返していることに問題の根深さを感じます。金権政治は自民党の宿痾であり、悪化して死に至る病になっていると言っても過言ではありません」(五十嵐仁氏=前出)

 仮に岸田が退陣したとしても、疑惑派閥から登用できなければ、次の内閣は組閣もできない。どのみち自民党は行き詰まりだ。

 この先、日本の政治は、国民生活はどうなってしまうのか。リクルート事件をはるかに超える混乱が待っているのは間違いない。

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