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4月13日(月)  外国特派員協会で昼飯を食べてきた [日常]

「有楽町で会いましょう」という歌があります。今日は、その有楽町に行き、ついでに所用をいくつか片付けてきました。

 有楽町に行ったのは、駅前にある電機ビル北館での日本外国特派員協会の昼食会に出席するためです。ひょんなことから、この場に顔を出すことになりました。
 外国の特派員40~50人くらいの前で、高くなった段の上で食事をしました。メニューはHPにも出ていましたが、パンとサラダとハンバーグステーキです。
 私の左隣には連合の高木剛会長、右隣には民主党「次の内閣」の藤村修厚労相、向かって前方左側には同時通訳のブースがあり、女性通訳者2人が陣取るという配置です。とても食事がのどを通らない、などということはなく、美味しくいただきました。

 コーヒーを飲んでから、いよいよスピーチです。事前の打ち合わせで、一人10分以内と厳命されました。
 私は「現在の労働条件・賃金問題を含む雇用問題について」というテーマで、話しました。事前に送ったレジュメは、以下のような内容です。参考のために、掲げておきましょう。

1,最初に指摘すべきこと
 ①賃金・雇用問題を09年春闘だけで捉えるのは問題の矮小化
真の課題は日本社会の土台(賃金と雇用)を再建し、持続可能な社会とすること
 ②日本の第4四半期のGDP成長率(12.1%減)が、米(6.2%減)やユーロ圏(5.7%減)よりも大きかった意味
  金融危機以前に構造改革(規制緩和)によって日本社会の土台が揺らいでいた
 ③貧困化と格差の拡大を是正することが当面最大の課題
  そのためには、新自由主義的な規制緩和によって破壊された賃金・雇用の再建が必要

2,日本社会は縮小再生産への道に入り込んでしまった
 ①少子・高齢化という問題のとらえ方は間違っている
  少子化は問題だが、高齢化は問題ではない
②08年の出生数から死亡数を差し引いた人口の「自然増加数」はマイナス2万9811人
  人口減は2年連続で、戦後初めて減少に転じた05年を含め3度目
③07年から人口減少社会に、生産年齢人口(15~65歳)は97年がピーク
  98年以降、11年連続で3万人以上-33万人以上が自ら命を絶っている

3,解決すべきは三つの問題-雇用、賃金、労働時間
 ①働く意思と能力があれば誰にでも働く機会が保障される雇用
  雇用形態の多様化が雇用の切断を生み出してはならない
 ②普通に働けば普通の生活を送れるだけの収入が得られる賃金
  普通に働いても生活できない「ワーキングプア」は異常
 ③働く人の健康を破壊せず家庭生活を阻害しない適正な労働時間
  ワーク・ライフ・バランスとファミリー・フレンドリーな働き方の実現

4,雇用の安定のために必要なこと
 ①不法・無法な人員整理を許さない
現行法や通達などの厳格な実施
 ②新たな雇用の場の創出
「緑のニューディール」「福祉のニューディール」による新規雇用の開拓
 ③失業した場合のセーフティーネットの拡充
  雇用保険、失業給付、職業訓練、生活保護
 ④非正規労働者の雇用保障
労働者派遣法の改正、登録型派遣の原則禁止、均等待遇の実現(差別の禁止)

4,賃金の画期的な上昇が必要な三つの理由
  ①歪んだ分配構造の是正-大企業は5年連続の最高益更新
   製造業大企業の内部留保-過去10年間で88兆円から120兆円に32兆円増加
   「今にも沈みそうに見せていたけれど、実は船底に大きな浮き袋が隠されていた」(『朝日新聞』1月31日付)
  ②ワーキングプアの解消
  ③内需の立て直し-「未来への視座」

 事前に英文パンフを送り、スピーチの冒頭、大原社会問題研究所のPRをさせていただきました。90年の歴史のある古い研究所で社会・労働問題についての資料の収集や研究を行っていること、詳しくはパンフを見て欲しいこと、英文パンフは10年以上も前のものだが90年の歴史からすれば新しいなどということを話しました。
 また、今日のテーマについてもっと情報を得たいのであれば、研究所が刊行している『日本労働年鑑』が役に立つこと、さらに問題を掘り下げて調べるには、月刊誌『大原社会問題研究所雑誌』もありますよ、と大いに売り込んできました。
 日本外国特派員協会のキャサリン・牧野会長は、パンフをご覧になって、マルクスの『資本論』に興味を待たれたようです。私が、「初版であるだけでなく、クーゲルマンへの献呈署名入りですから、世界でただ一冊だけです」と言いましたら、大いに驚かれていました。

 昼食会が終わった後、イタリア経済新聞、ファイナンシャル・タイムズ・ドイツ版、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング、ロイター編集局政治社会部長などという方から、名刺をいただきました。元ILO駐日事務所の堀内さんも出席されていましたが、会員なのだそうです。
 やはり、緊張したようです。いささか疲れましたが、大変貴重な、得難い機会ではありました。

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