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2月7日(月) 大門正克ほか編『高度成長の時代1 復興と離陸』への書評 [論攷]

〔昨日付の『しんぶん赤旗』に、私の書いた書評:大門正克・大槻奈巳・岡田知弘・佐藤隆・進藤兵・高岡裕之・柳沢遊編『高度成長の時代1 復興と離陸』(大月書店、2010年10月刊)が掲載されましたので、ここにアップさせていただきます。〕

今後の研究における出発点

 あれから、もう半世紀も経つのか。日本の経済と社会が大きく変容した「高度成長」の時代から……。
 この時代は、およそ1950年代の中頃に始まり、70年代前半で終了する。約20年に及ぶ嵐のような時代だった。年平均10%もの経済成長は日本の歴史始まって以来であり、広範囲にわたって大きな影響を及ぼした。
 その激動の時代の歴史的な特質に多面的に迫ろうというのが、このシリーズ「高度成長の時代」である。本巻はその第1巻であり、「復興と離陸」という表題の通り、開始の時期に焦点を当てている。
 本書の特徴とメリットは、第一に、高度成長の時代を歴史としてとらえていることである。とりわけ「序章」で示された研究史、分析枠組み、論点は、今後の研究における出発点になるであろう。
 第二に、ジェンダー、地域、暮らしと思想などを取り上げていることである。これは、近年における歴史研究の方法と課題を、この時代に適用する試みとして評価できるように思われる。
 第三に、多様な方法とテーマによる総合的な考察が試みられていることである。地域開発と公害反対運動、首都圏の商工業と都市の変貌、学校と教育の変容、国民教育運動の展開、女性労働者と主婦、社会保障の特質、戦後型開発主義国民国家の形成をめぐる理論問題などを通じて、高度成長期の動態的な像が浮かび上がることになる。
 なお、第一巻では、歴史的背景としての対外的条件が章としては取り上げられていず、高度成長の起動因としての経済ならびに労使関係の分析も充分とは言えない。テーマの選定にいささかバランスを欠いているように見えるが、これは第2巻と第3巻に目を通すことで、補われるにちがいない。


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fake watches

本書の特徴とメリットは、第一に、高度成長の時代を歴史としてとらえていることである。とりわけ「序章」で示された研究史、分析枠組み、論点は、今後の研究における出発点になるであろう。
by fake watches (2011-08-29 18:06) 

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