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12月15日(土) 戦後日本の復興を担ってきた高齢者こそ、戦後否定の大転換に反撃するべきだ [選挙]

 戦後日本は、1945年から始まります。憲法の施行からということであれば、47年からです。
 1945年から67年、47年からであれば65年です。日本国憲法の施行65周年の今年、この憲法が危殆に瀕することになると、一体誰が考えたでしょうか。

 戦後の日本は、アジア・太平洋戦争の戦火による破壊と荒廃の中から起ち上がりました。長い復興の過程を経て、今日の日本が築き上げられてきたわけです。
 その復興を支えてきたのは一体誰でしょうか。それは、戦後の日本に生きて働いてきた全ての人々です。
 高齢者とされる65歳の人は憲法の施行時に生まれたわけですから、それ以上の高齢者は日本国憲法とともに歩んできた人々です。戦争を放棄し、他国で日本の軍隊が人を殺したり殺されたりすることもなく、真面目に働けばそれなりの収入が得られ、つつましくとも平凡な家庭を築いて人生を全うするという生活が、戦後の日本にはありました。

 そのような戦後が否定され、大きく転換されようとしています。転換の始まりは、中曽根政権の時でした。
 「戦後政治の総決算」ということで、憲法の平和主義と民主主義、基本的人権が敵視され、教育への国家介入が試みられ、民営化によって「民間活力の発揮」がめざされました。新自由主義による保守政治のリストラとバージョンアップが図られようとしたわけです。
 このような路線は、小泉首相による本格的な規制緩和と新自由主義政策によって受け継がれ、強化されます。その後を引き継いだのが、安倍首相でした。

 このとき安倍さんは、「美しい国」という旗印を掲げ、「戦後レジームからの脱却」をめざしました。またもや、「戦後」が標的にされたわけです。
 改憲を最終的な目標とし、国家統制の強化と軍事大国化をめざして教育基本法改正や防衛庁の省昇格を実行しましたが、年金問題の浮上や閣僚の不祥事が相次ぎ、参院選で敗北して1年で辞任することになります。しかも、退陣表明は国会で所信表明演説を行った僅か2日後のことでした。
 各方面から「このような辞任の仕方は無責任だ」という強い批判を浴びたのも当然でした。このような安倍元首相について、英『フィナンシャル・タイムズ』紙の12月12日付は次のように書いています。

 安倍氏について幻想を抱いてはならない。彼は前回、だめな首相だった。国内では、指導力と斬新なアイデアを欠いた。国外では、日本の戦時中の歴史の一部の要素―帝国陸軍による性の奴隷の日常的な利用など―をごまかそうとする同氏の主張は恥ずべきであり、近隣諸国から正当な怒りを招いた。

イギリスの新聞に指摘されるまでもなく、安倍元首相が「だめな首相」であったことは、高齢者であればどなたでも良くご存知のはずです。自民党がますます戦後の憲法体制を敵視し、戦争できる国をめざして着々と手を打ってきていることも……。
 そして今、安倍さんは総選挙で絶対多数を得て、究極的な目標である改憲に取りかかろうとしています。それを許して良いのでしょうか。
 高齢者の皆さんが守ってきた平和な日本、築いてきた戦後の社会を土足で踏みにじるような愚行を座視していて良いのでしょうか。政権に復帰した安倍さんは右へとハンドルを切り、前回、途中で投げ出さざるを得なかった「戦後レジームからの脱却」に全力で取り組もうとするでしょう。そして再び、国際的な孤立化と国内での貧困化を招き、悲惨な結末を迎えることになるでしょう。

 戦後日本の復興を成し遂げてきた皆さんの努力を水泡に帰すような悪政を許してはなりません。その復興を担ってきた高齢者の皆さんこそ、周辺諸国と仲良くでき、平和で豊かな、放射能の恐怖のない、人権がきちんと守られ、自由で当たり前の生活を送ることができるような社会を子どもや孫達に残すために、戦後否定の大転換を拒み、反撃するべきではないでしょうか。

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