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6月24日(月) 「自共対決」を実証した都議選の結果 [選挙]

 参院選の前哨戦として注目された東京都議選が投開票され、その結果が明らかになりました。自民党は59人の候補全員が当選して都議会第1党に返り咲き、第2党となった公明党と合わせて過半数を大きく上回りました。
 一方、民主党は議席を半分以下に減らして大敗し、躍進した共産党を下回って第4党に後退しました。各党の獲得議席は以下の通りです(カッコ内は選挙前の議席)

自民59(39)  +20
公明23(23)  0
共産17(8)  +9
民主15(43)  -29
みんな7(1)   +6
ネット3(2)  +1
維新2(3)  -1
生活0(0)   0
社民0(0)  0
みどり0(0)  0
諸派0(0)  0
無所属1(6)  -5

 一見して分かることは、自民党と共産党が大きく議席を伸ばし、民主党が惨敗したということです。私は6月15日のブログで、「都議選の焦点は自民党の復活阻止と共産党の躍進だ」と書きましたが、自民党の復活は阻止できず、共産党の躍進は実現したということになります。

 自民党はなぜ復活し、民主党から都議会第1党の座を奪い返すことができたのでしょうか。それは第1に、安倍内閣と自民党支持率の高さであり、第2に、前回第1党であった民主党の「敵失」のお陰であり、第3に、候補者を絞って前回より1人増やしただけだったためだと思われます。
 いずれも、都議会での自民党の活動や実績の評価とは無関係です。アベノミクスの幻想と民主党のだらしなさに助けられた結果だと言って良いでしょう。
 また、投票率は過去2番目に低い43.5%にとどまりました。この投票率の低さも、固定した基盤や創価学会という強固な支持組織を持つ自民党と公明党に有利に働いたと思われます。

 共産党は現有8議席を2倍以上に増やして17議席になりました。目標としていた議案提案権を持つ11議席を上回る躍進です。
 勝因は、「オール与党化」が進行していた都議会で唯一の野党であり、安倍内閣に対しても「自共対決」を前面に打ち出して厳しく批判したことです。猪瀬都政への異議やアベノミクスへの不安などの批判票の受け皿として、民主党や無党派層などからも期待を集めたということでしょう。
 改憲の危機、原発再稼働の動き、TPPへの参加、消費増税、社会保障の削減、オスプレイの訓練や米軍基地再編問題などでも、国民の要求に応える方向を打ち出している政党は共産党だけでした。このような勢いが、参院選でも受け継がれることを願っています。

 民主党の惨敗は、昨年の総選挙で示された有権者の怒りがまだ収まっていないということを示しています。その後の対応にしても、安倍政権やアベノミクスに対して真正面から対決する姿勢を取ることができませんでした。
 都政でも築地市場の移転問題や都立小児病院についての公約違反を行っています。国政のみならず都政においても、有権者の期待を裏切っていたのであり、それに対して厳しい批判を浴びたのも当然でしょう。
 参院選でもこの傾向が続くとすれば、自民党の復調と自公両党での過半数回復を手助けしてしまいます。そうならないためにも、国民の要求に応え、自民党と安倍政権に対して厳しく対峙する形での再建を急いでもらいたいものです。

 その他の政党では、みんなの党が7議席に前進し、日本維新の会が1議席減の2議席にとどまりました。みんなの党は、民主党を見離したものの自民党には期待できないという有権者の支持を集めたのでしょう。
 日本維新の会は、橋下共同代表の慰安婦是認発言の影響を大きく受けて支持を失い、みんなの党との選挙協力も破綻し、投票日直前には橋下・石原両共同代表の内紛も表面化しました。その後、一緒に街頭演説をして握手しましたが、このようなパフォーマンスも後の祭りだったということでしょう。
 党内からは、2人の共同代表への表だった責任追及の声は出ないようです。参院選直前ですから、そのようなことをやっている余裕もないほどに追い込まれてしまったということでしょうか。

 自公が過半数を超えて猪瀬与党となれば、これまで以上に都庁の官僚とのなれあいが強まる可能性があります。都政に緊張感を生み出し、オリンピック招致一色で都民生活が置き去りになっている都政の現状を変えるためにも、議席を増やして野党第1党となった共産党の活躍に大いに期待したいものです。

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