SSブログ

9月5日(金) 安倍内閣の支持率も「代わったけれど、変わらない」 [内閣]

 今日の『毎日新聞』を見て驚きました。「改造内閣支持率横ばい47%」という見出しが目に入ったからです。
 前回8月の調査での支持率47%と変わっていません。せっかくの内閣改造だったのに、「ご祝儀」が出なかったというのでしょうか。
 ただし、共同通信の調査では内閣支持率は54.9%で、5.1ポイントの上昇になっています。こちらの方は、それなりの「ご祝儀」が出たようです。

 安倍首相にとっては、不本意な結果でしょう。だから、「改造なんかしたくなかったのだ」と思ったかもしれません。
 内閣改造への自民党内の期待は高かったはずですから、それなりに党三役や閣僚の入れ替えをしなければなりませんでした。しかし、骨格は維持したかったので、中枢部分は留任させています。
 代えなければならないのであれば、ライバルを取り込み、「お友達」を補充して安倍カラーを強め、内閣のイメージアップを図り、党内を安定させて統一地方選に備えるという布陣を考えたのでしょう。それが、石破前幹事長の入閣や谷垣元総裁の幹事長就任、塩崎恭久、高市早苗、山谷えり子など「お友達」の起用、小渕優子経産相などの閣僚5人と稲田政調会長という女性の活用となったわけです。

 改造内閣の発足にあたって安倍首相は「実行、実現内閣」を標榜しましたが、問題は何を実行し、実現しようとしているのか、という点にあります。
 安倍首相にとって当面する最大の課題は集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を具体化することであり、そのために安保法制担当相を新設し、江渡防衛相に兼務させました。
 また、地方創生と国家戦略特区担当相も新設して石破さんを押し込みましたが、これは統一地方選挙向けの付け焼刃にすぎず、地方へのバラマキが強まるだけです。女性活躍推進担当相も新設して有村さんを抜擢しましたが、成長戦略に役立つ限りでの「女性の活躍」が期待されているにすぎず、女性閣僚5人の起用についても共同通信調査では「期待できない」が50.2%と多数になっています。

 経産相には最年少で女性の小渕さんが抜擢され話題となっています。少しでも反対や抵抗を少なくしたいという安倍さんの目論見を反映したものです。
 これは原発再稼働に向けての「めくらまし」にすぎません。早速、記者会見で小渕さんは「安全性が最優先だ」としつつも、「原子力規制委員会が新規制基準に適合すると判断すればそれを尊重して再稼働を進めていく」と発言しています。
 しかし、毎日新聞調査では、再稼働に賛成が33%で反対が57%になっています。今後、このような再稼働反対の世論との衝突は避けられないでしょう。

 世論との衝突ということで言えば、消費税の10%への再引き上げ問題の方がもっと深刻です。毎日新聞調査では反対68%、共同通信調査でも反対68.2%と、世論の圧倒的多数が反対なのですから。
 8月は異常気象で経済指標は軒並みマイナスになっています。他方で物価が上がって生活はますます苦しくなります。
 このようななかで、もし消費税を引き上げれば日本経済の自滅を招き、先延ばししようとすれば引き上げ論者の谷垣幹事長との軋轢が強まります。どちらにしても、安倍内閣の死活を左右する重大問題になりそうです。

 ということで、危険ドラッグを吸いながら運転しているような安倍首相の暴走は今後も続き、世論との激突は避けられそうにありません。もし、暴走によって大事故が起きれば、それに巻き込まれて被害を受けるのは私たち国民であるということを忘れないようにしたいものです。

nice!(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

トラックバック 0