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12月17日(水) 「安倍さん、サンキュー」と、私が共産党委員長ならそう言うかもしれない [解散・総選挙]

 何度も言うようですが、総選挙の結果、勝ったのは共産党です。私が共産党の委員長なら、「安倍さん、サンキュー」と言うことでしょう。
 だって、安倍さんが突然、解散・総選挙に打って出なければ、こういう結果にはならなかったのですから。安倍首相が任期満了まで我慢していたら、あと2年間、自民党の議席は減らず、共産党の議席は増えなかったはずですから……。

 最も安倍首相に恨みをぶつけたいと思っている人は、次世代の党の平沼赳夫党首でしょう。19議席もあった衆院の議席が17も減って、たった2議席になってしまったのですから。
 落選した石原慎太郎最高顧問は引退の記者会見を開きましたが、元々引退するつもりでしたからサバサバした表情だったそうです。しかし、平沼さんは怒りが治まらないんじゃないでしょうか。
 特定秘密保護法の可決・成立に際しては、野党でありながら安倍首相の応援団として行動するなど、「自民党野党支部」として自民党を右に引っ張る役割を演じました。このような極右政党を見限ったところに、日本の有権者の見識と良識が示されています。

 次世代の党とは反対に、今回の解散・総選挙の恩恵を最も受けたのは共産党でした。安倍首相は、国民の反発を買うような暴走を続けた挙句、それに対する審判を下す機会を国民に提供したからです。
 いわば、有権者の不安と反発を高めるだけ高めてからの解散でした。野党には準備ができていないということを見越しての奇襲攻撃だったと言って良いでしょう。
 しかし、実は総選挙に向けての準備をしていた政党が一つだけありました。11月初めの「赤旗祭り」で衆院比例代表選挙の第1次候補を発表していた共産党です。
 消費再増税、9条改憲、集団的自衛権の行使容認、特定秘密保護法、原発再稼働など、世論調査をすれば反対が多くなる政治課題のどれについても、安倍首相は強行する姿勢で臨んできました。これに真正面から反対するだけでなく具体的な対案を示してきたのが共産党で、そのことを国民はしっかりと見ていたのです。

 このような「暴走政治」と共産党との対決構図をくっきりと浮き立たせてきたのも、安倍首相自身でした。安倍さんが、国民世論を無視して強権的な姿勢を強めなければ、国民はこれほど強くは反発しなかったでしょう。
 国民が危機感を高めて反発を強めることがなければ、共産党への支持がこのような形で高まることもなかったかもしれません。今回の選挙で230万以上も票を増やし、13議席も上乗せすることはできなかったと思われます。
 また、共産党との「共同」の輪に、古賀誠さん、加藤紘一さん、野中広務さんなどの自民党幹事長OB、第一次安倍内閣での法制局長官だった宮崎礼壱さんや小泉政権での法制局長官だった阪田雅裕さん、防衛庁長官官房長などの旧防衛官僚だった柳沢協二元内閣官房副長官補、『戦後史の正体』というベストセラーの作者で外務省国際情報局長や防衛大学校教授を歴任した旧外務官僚の孫崎享さん、改憲派として知られていた小林節慶応大学名誉教授、二見伸明元公明党副委員長などを続々と参加させたのも、言ってみれば安倍首相の「功績」でした。このような現象は安倍首相の極右民族主義的改憲論者としての言動と集団的自衛権の行使容認に向けての解釈改憲などの「暴走」がなければ考えられなかったことであり、この点でも安倍首相の「功績」には大きなものがあったと言って良いでしょう。

 そのうえ今度は、次世代の党という「極右政党」をぶっ潰し、共産党の大きな躍進を招いたわけですから、志位委員長ならずとも「サンキュー」と言いたくなるのではないでしょうか。そのためにわざわざ国会を解散して選挙したわけではないでしょうが、結果的にはそうなっています。
 そのことを知ってか知らずか、安倍首相はこれからも「この道」を進もうとして意欲を燃やしています。それが結果的に国民の不安と反発を招き、良心的保守層や共産党などの反対勢力を増やし、その「共同」に大きく「貢献」していることに気付くこともなく……。

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