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6月23日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月23日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「これは詐欺だ 紙の保険証廃止で政権転落が見えてきた」

■コロナ並みは自ら招いた厄災

 マイナカードのトラブルに対応するため、岸田の号令で21日設置されたのが「マイナンバー情報総点検本部」だ。デジタル庁、厚労省、総務省などで構成され、河野が司令塔役を担う。

 初会合で岸田は「政府を挙げてコロナ対応並みの臨戦態勢で、国民のマイナンバー制度に対する信頼を一日も早く回復するべく、政府・地方自治体・関係機関一丸となって全力を尽くして下さい」と挨拶したが、コロナ並みの危機だと認識しているのなら、いったんマイナカードの運用を停止したらどうなのか。だいたい、自らが招いた厄災だ。

 「慌てて点検本部を立ち上げても、根本的な解決にはなりません。そもそもマイナカードの取得は任意だったはずです。それを保険証と紐付けることで事実上、強制したことが間違いなのです。続出するトラブルは、ポイントを大盤振る舞いする一方で、保険証と一体化することでマイナカードがないと生活できない状況に国民を追い込んで普及に躍起になってきたツケですよ。

 総点検本部にしても、現行の保険証廃止ありきで、政府のメンツと利権を守るための対策でしかない。命に関わる問題なのに、国民の健康や個人情報を軽んじ過ぎています。政府がまずやるべきことは、保険証廃止の撤回でしょう」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

■政府のメンツと利権を守ろうとして自壊に向かう

 「マイナカードを取得するメリットが多ければ、強制しなくても国民は自主的に取得し、自然と普及するものです。ところが政府はメリットを明確に説明できないから、普及のためにポイント付与などで莫大な予算をつぎ込まなければならなかった。運転免許証や母子手帳、公金受取口座など何でもかんでもマイナカードに集約することで普及を進めようとしていますが、それは情報漏洩のリスクを高めることにつながり、余計に国民の不安を招いています。

 一度、個人情報が流出してしまったら取り返しがつきません。国民を騙し討ちにするような真似をしてマイナカードを強制するのは権力の横暴だし、詐欺と言ってもいい。河野大臣ご自慢の“突破力”は、政府に対する国民の信頼を破壊してしまった。それでもマイナ保険証をゴリ押しする政府は、自滅に向けて墓穴を掘っています」(五十嵐仁氏=前出)

 岸田政権の拙速な進め方には、与党内からも異論が上がり始めた。有権者の反発が思いのほか大きくてビビっているのだ。


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