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8月22日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』8月22日付に掲載されたものです。〕

*記事「菅前首相「ふるさと納税」2兆円目標ブチ上げ…歪んだ制度を“手柄”と勘違いする無知と無神経」

 一方で、都市部の自治体は住民税の減少に苦しんでいる。特に地方交付税による“補填”のない東京23区は深刻だ。昨年度の流出額が98億円と東京23区で最大の世田谷区は、老朽化した公共施設の建て替えなどへの影響を懸念している。47.9億円の減収となった杉並区は、ホームページに「ちょっとヘンだぞふるさと納税」という項目を設け、〈区の財源は減り、行政サービスの低下につながります〉〈受益と負担という税制本来の趣旨を逸脱した、地方自治の根幹を破壊するものです〉と訴えている。

 そんな現状でもお構いなしなのが菅前首相だ。2015年の制度拡充で「高所得者が優遇される」と問題点を指摘した総務官僚を左遷させたほど、「ふるさと納税」への思い入れは強い。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「菅さんは無神経のうえ無知。ふるさと納税は『地方発特売プロジェクト』に成り下がっているうえ、税構造をゆがめるさまざまな問題が出ているのを知らないのか。知ってても、自分が始めたメンツから、問題を認めたくないのでしょう。高所得者は行政サービスが低下しても困らないが、ふるさと納税とは無縁で公的サービスに依存している人にはデメリットばかり。こんな制度を『手柄』だと思っていること自体、とんだ勘違いです」

 いつまでも“手柄”に執着していないで、もう引っ込んでいたらどうか。


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