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11月18日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』11月17日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:お気楽な黒田前総裁の日経連載 異次元緩和修正ならばこれだけの出血と覚悟が必要だ

■黒田に二重三重の罪

 黒田が始めた異次元緩和が10年を超える長期になった。その結果、「金利のない世界」に慣れてしまったこの国では、インフレ下で金利が上がるという当たり前の世界が想像できなくなっている。それはマーケットも同様だ。正直、日銀も金融当局も、緩和修正の先に何が起こるのか、本当のところは分からないのではないか。

 黒田の10年は、つくづく罪つくりだ。能天気な日経連載で「後は野となれ山となれ」で自慢話に明け暮れるA級戦犯は、この落とし前をどうつけるつもりなのか。聞いてみたいものだ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「黒田バズーカの異次元緩和については、最初から出口戦略が難しいといわれてきた。結局、思い描いたようなデフレ脱却はできず、それどころか悪いインフレを招き、失敗。出口が描けない難しさも実証されました。バズーカは不発ではなく、むしろ大暴発したようなもので、日本経済をぶっ壊してしまいました。いま国民生活を苦しめている物価高は、人為的に円安誘導した結果の人為的なインフレです。15日発表された7~9月期のGDPの実質成長率は、物価高の影響などで3四半期ぶりのマイナス成長となりました。実質賃金は18カ月連続のマイナスで、個人消費は買い控えが起きている。日本経済は黒田緩和の悪循環から抜け出せないでいる。黒田氏には二重三重の罪があります」

 日経連載の後半で反省の弁や謝罪の言葉はあるのか。ま、期待するだけ無駄だろう。

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