SSブログ

7月11日(水) 納得したのなら「数字の怪」を説明できるのか [スキャンダル]

 昨日の『東京新聞』夕刊に、私のインタビューを元にした記事が出ました。昨日の朝、電話での取材に答えたものです。
 「赤城農相会見 『国民は納得しない』」「再説明かえって不信感」という見出しの下に、記事は次のように報じています。

 事務所費問題について説明した赤城農相。その内容は、実家が活動拠点であることなどをあらためて強調しただけで、識者の間からも批判や疑問の声が上がった。
 法政大学大原社会問題研究所の五十嵐仁教授(政治学)は「疑問を持たれたからには、政治資金規正法に該当しなくても政治倫理上、領収書などを示して説明すべきだ」と、赤城農相の対応を批判。「それをしなければ、うそをついていると国民に思われても仕方がない」と指摘する。
 五十嵐教授は、赤城農相の両親や講演会代表の説明について「事務所の実体がないとした最初の言葉が先入観を持たずに話しただけに、事実に近いのではないか。口裏合わせがなかったとしても、迷惑が掛かると判断して前言を撤回したのだろう」と推測。さらに、赤城農相を擁護する安倍晋三首相についても「赤城農相からどんな説明を受けて自分が納得したのか、国民に対して明らかにすべきではないか」と疑問を投げ掛ける。
 ただ、今回の問題が参院選前に出たことは「国民の判断材料になったからよかったのでは」と皮肉った。
 ……

 最後の部分は、ちょっと冗談めかして言ったのですが、それも活字になりました。でも、選挙の前で良かったというのはその通りで、後から分かっても手も足も出ません。
 今なら、この問題を含めて判断し、有権者はきっちりとした審判を下すことができます。本当だと思う人は与党に、嘘だと思う人は野党に入れればよいのですから。
 この赤城農相の説明に対して、10日の自民党役員会では、「違法ではない。しっかりと説明していけば理解される」との認識で一致したそうです。皆さんは、この説明に納得されたということです。

 昨日の『朝日新聞』夕刊には、「赤城徳彦講演会の過去10年の経常経費」の表が出ています。この表をじっくりご覧下さい。いろいろと問題意識をかきたてられること請け合いですから……。
 96年からの数字が出ていますが、このうち、総選挙があったのは、96年、2000年、03年、05年の4回です。実家が主な事務所となっていたのであれば、このような総選挙の時には、他の年より経費が増えていると思われます。

 しかし、そうなってはいません。人件費では、総選挙のない99年に1353万円もかかっているのに、総選挙のあった05年には63万円しかかかっていません。
 光熱水費も、総選挙がなかった98年に129万円、99年には131万円もかかっているのに、総選挙のあった05年には9660万円(月800円)しかかかっていないのです。備品・消耗品費は総選挙のない02年が最高の189万円で、総選挙のあった05年は172万円になっています。
 05年の備品がこんなに多いのは総選挙があったからだとすれば、事務所費が40万円しかかからず、前述のように、人件費がたったの63万円、光熱水費に至っては基本料金以下の月800円になっているのは、何故でしょうか。

 赤城さんの「拠点」である事務所は、選挙の時には活動せず、選挙以外の時に活発に活動されているようです。何故、そうなっているのか。自民党の役員の皆さんが納得されたというのであれば、是非、説明していただきたいものです。
 このように、おかしな点を上げていけばきりがありません。その疑問点の一つ一つについて、安倍首相は赤城農相に問いただしたのでしょうか。
 それに対して、赤城さんはどう説明したのでしょう。その説明に、安倍さんは納得したのでしょうか。

 まだあります。『毎日新聞』夕刊には、「『徳政会』の経常経費」の表が掲載されています。一見して、誰でも異様だと気がつくにちがいありません。数字の端数が全くないのですから……。
 1円や10円の数字がなく、全て100円単位、1000円単位になっています。消費税がかかることを考えれば、このようなことはあり得ません。この数字を見ただけでも、「これは嘘だ」と、誰だって思うでしょう。安倍首相は、「どうやったら、このようなきれいな数字になるのか」と、赤城さんに聞いたのでしょうか。
 光熱水費は、97年の14万4000円を例外として、96年から05年まで、全て12万円になっています。総選挙のあるなしにかかわらず同額になっているのは何故なのか、納得した方から説明していただきたいものです。

 実際には、この事務所は何の活動もしていなかったのではないでしょうか。ここに掲げられた数字が不自然なのは、それが何の実態も反映していないデタラメなものだからではないでしょうか。
 領収書を出せない支出を、事務所費として各費目に適当に当てはめたから、このような矛盾が出てくるのです。もともと実体のない数字ですから、不自然なのは当然で、説明できるはずがありません。

 「いや、そうじゃない」というのであれば、ここに指摘したような疑問に答えてもらいたいものです。たった1枚の領収書でも、ここに出ている数字を裏付けるような物的証拠を示せばよいのです。
 それができるのでしょうか、赤城さん。

 なお、今日の『読売新聞』に、私の娘の写真が出ていてビックリしました。政治面の4面の「参院選 新風景」。「ネットの功罪」「ブログとの距離模索」という記事です。日本版ボートマッチ「投票びったん2007」の開発者の一員である上神さんと一緒に写っています。
 「投票ぴったん」て何?と思われた方は、http://votematch.jpn.org/をクリックしてください。自分の意見とマッチする主張をしている政党が見つかるはずです。
 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0