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7月18日(水) 自民惨敗を予感させる『読売新聞』情勢調査 [参院選]

 参院選も公示から1週間が経ち、次第に選挙情勢が明らかになってきています。今日の『読売新聞』は、序盤の情勢についての世論調査の結果を報じました。

 「与党過半数割れも、民主第1党の勢い…参院選・読売調査」というこの記事は、7月14~16日に電話で実施したもので、回答率62.4%です。各選挙区の情勢については総支局の取材結果も加えられているそうです。
 これによれば、自民党は選挙区選で苦戦し、比例選でも勢いに欠け、公明党も伸び悩み、「与党は参院で過半数ラインの122議席を維持できない可能性が強い」といいます。3面には、「与党の過半数割れは避けられない。負けをいかに食い止めるかだ」という「自民党幹部」の言葉も紹介されています。
 このような情勢は、予想されたとおりのものです。すでに、公示日のブログで、私は次のように書きました。

 今回の選挙では、与党が過半数を維持できるかどうかが注目されています。しかし、真の注目点は、もはやそこにはありません。
 現在の情勢では、与党が過半数を下回ることは確実です。真の注目点は、与党の敗北ではなく、どれほど負けるかという点にあります。

 今回の『読売新聞』の情勢調査は、この指摘を裏付けたにすぎません。与党の過半数割れは確実だと言って良いでしょう。
 選挙区選で、自民党は29の1人区のうち、「群馬と山口で優位に戦いを進めている。だが、東北や四国、九州の全域など、これまで固い支持基盤を誇っていた地域で、民主党に競り負けるか、激しく追い上げられている」といいます。「14勝13敗だった3年前の参院選よりも苦しい展開」とされていますが、3面の詳報を見ると、最悪の場合、2勝27敗になる可能性があります。
 2人区、3人区では、自民党はそれぞれ1議席を確保する情勢だといいますが、「5人区の東京では2議席目を無所属候補や共産党候補と競り合っている」ようです。多分、当選は難しいでしょう。

 というのは、アナウンサー出身のこの候補は、米国から04年6月に帰国した後も今年4月20日まで転入届を提出せず、参院選の投票資格がないという驚くべき失態が明らかになったからです。自分の1票すら有効に生かすことができないような人が、他の人の1票をお願いできるのでしょうか。
 過去3年間、総選挙や都知事選などでも投票していなかったということになります。テレビのアナウンサーですから、「みなさん、選挙では投票に行きましょうね」と呼びかけることもあったでしょう。しかし、ご自分は行っていなかったということになります。
 また、住民登録をしていなかったということは、住民税を払っていなかった疑いがあるということです。もしそうなら、住民税の増税に対する有権者の怒りなど、理解できるはずがありません。

 話を元に戻しますが、自民党は比例区でも伸び悩んでいます。『読売新聞』は、「自民党は過去最低だった98年の14議席を下回ることもあり得る」というのですから、驚きです。
 このように、選挙区と比例区の両方で自民党は大苦戦しています。「このまま自民党が逆風をはね返せなければ、選挙区選と比例選の合計で40台前半となる可能性が高い」というのが、『読売新聞』の予想です。
 「40台前半」というのは、橋本首相が退陣した89年参院選のときの44議席を下回るということです。これは、暗黙のうちに安倍首相の“責任ライン”とされているものですが、『読売新聞』の予測では、それを下回る「可能性が高い」というのです。

 1面の「政党別の予想獲得議席」のグラフを見ると、自民党の赤い線は35議席くらいのところから薄くなっていて、50議席に届いていません。最悪の場合、35議席になるのではないでしょうか。
 選挙区の29ある1人区で3議席、12ある2人区で12議席、5つある3人区で5議席、東京の5人区で1議席の合計21議席、それに比例区で14議席、合わせて35議席というのが、この時点で考えられる最低ラインでしょう。
 同時に発表された安倍内閣の支持率は27.9%と3割を下回り、不支持率は51.7%と過半数を超えています。参院選の最中での内閣支持率、不支持率としては、過去最悪を更新しました。

 また、『日経新聞』が7月13~17日に実施した参院選に関する第3回ネット調査でも、民主と自民の差はさらに広がっています。比例代表の投票先は1週間前の前回調査で「自民に投票」とした人のうち、今回は8%が「民主に投票」と態度を変えましたが、民主から自民に流れたのは1%だけです。
 第1回調査からの変化では、当初は「わからない」と回答した人のうち「民主」に決めたのは22%で、「自民」に決めた8%を大きく上回っています。公示後も、自民党への逆風は収まっていないということになります。

 このような傾向が実際に投票結果として表れるかどうかは、投票率に大きく関わっています。投票率が高くなれば野党に、低くなれば与党に有利に働くものと思われます。
 おそらく、投票率が40%台であれば自民党は40議席台後半、50%台であれば40議席台前半、60%を超えれば30議席台になるのではないでしょうか。今度の参院選の投票率は、上がるのでしょうか、下がるのでしょうか。

 この点で注目されるのは、期日前投票の出足です。13~15日分の総務省の中間発表では、投票者総数(選挙区)は68万3046で、前回04年に比べて10.46%増えているといいます。
 中間発表の投票者数は32都道県で前回を上回り、しかも、投票者数が2倍以上になったのは、青森、山形、群馬、富山で、いずれも1人区だという点が注目されます。
 選挙への関心も高く、期日前投票も順調のようです。前回の04年参院選の投票率(選挙区)56.57%を超えるのではないでしょうか。

 なお、昨日、安倍首相は予定していた沖縄での参院選遊説をすべてキャンセルし、首相官邸で新潟県中越沖地震への対応にあたりました。自ら陣頭指揮にあたる首相の姿をアピールしたいということなのでしょう。
 キャンセルされた沖縄は、不人気な安倍首相が来なくてホッとしていたのではないでしょうか。このまま首相官邸にとどまっていて欲しいと、自民党の候補者の多くが思っていたかもしれません。

 ところが、安倍首相は今日になって、福岡・天神と北九州市で街頭演説を行いました。午後は大分県で演説し、明日は宮崎、鹿児島両県へ向かうそうです。
 このときの様子について、『朝日新聞』夕刊は、次のように伝えています。安倍首相の不人気は、相変わらずのようです。

 今回の選挙で首相の福岡入りは初めて。ある自民市議は05年総選挙で小泉前首相が来援した時の聴衆と比べて「5分の1だ」。首相の演説後は同行した公明の比例区候補へのコールが起きた。


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