４月７日（火）　西松建設事件の捜査についてのコメント：五十嵐仁の転成仁語：SSブログ

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４月７日（火）　西松建設事件の捜査についてのコメント　[論攷] [編集]

〔以下のコメントは、『週刊朝日』2009年４月10日号に掲載されたものです〕

職務権限大きい自民議員　捜査せねば漆間発言が的中に

　西松建設は小沢一郎氏だけでなく、二階俊博経産相など自民党議員への寄付やパーティー券の購入も行っていたと言われています。職務権限は政権与党のほうが大きいし、受けた寄付の総額も自民党議員のほうが大きいはずです。にもかかわらず、検察は小沢氏の公設秘書だけを政治資金規正法違反容疑で逮捕、起訴しました。
　このままでは、実際の指示があったのかどうかはともかく、政権交代を阻みたい与党の気持ちを忖度した検察が先走って行ったと思われてもしようがない。
　検察の捜査が政治的意図を含んでいることは、今回が初めてではありません。
　92年の東京佐川急便事件では、金丸信元自民党副総裁が闇献金を受けていたことが明らかになりながら、罰金20万円の略式命令で済ませてしまった。当時、「有力政治家には手が出せないのか」と大きな批判を浴びました。その検察は脱税容疑で金丸氏を逮捕しましたが、政治的な動きだったことは明らかです。
　今回、同じくダミー政治団体を通じて西松建設からの政治献金を受け取っていたとされる与党幹部に捜査の手をのばさなければ、漆間巌官房副長官の例の発言が、正しかったことになってしまいます。「国策捜査ではないか」との批判にも答えられず、検察の中立性に大きな疑問符がつくでしょう。
　一方で、私は小沢氏にも問題はあると考えています。小沢氏は、あくまでも「形式犯だ」と主張していますが、たとえ軽微であっても「犯」は「犯」です。
　民主党は03年の衆院選の際のマニフェストに公共事業受注企業からの献金禁止を入れていますし、小沢氏は事件後になって企業献金の廃止を訴えています。ということは、党代表自らが禁止されるべき企業献金を受けていたということになります。その責任は免れません。代表の職を辞すべきだと思います。
　今、党内からも、国民の間からも、小沢氏への批判が高まっています。この難局をどう乗り切るのか。今こそ民主党の政権担当能力が試されているのです。

2009-04-07 20:37 nice!(0) コメント(1) トラックバック(0)