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7月14日(水) 追い込まれ解散の可能性と「政治改革」の罪 [解散・総選挙]

 共同通信の調査で、菅内閣の支持率が発足当初の61.5%から36.3%へと急落したそうです。今のところ、これを逆転させるような材料はありませんから、この傾向が続けば、菅首相は衆院の解散・総選挙に追い込まれるかもしれません。

 今月末に、議院の構成を決める短期の臨時国会を開き、本格的な臨時国会は秋になりそうです。9月5日に民主党の代表選挙を実施し、その後に党役員人事や内閣の改造を行う予定だといいます。
 そのとき、内閣や民主党の支持率はどうなっているのでしょうか。もし、内閣支持率が下がり続け、3割台を下回って2割台前半にでもなれば、政権基盤は大きく揺らぎます。菅さんはすんなり再選されるのでしょうか。
 しかも、内閣支持率が下がり続ける可能性は大きいように見えます。今後、菅内閣の足を引っ張る材料は数限りなく転がっていますから……。

 菅内閣の支持率が低下し、次の解散・総選挙が近いという観測が強まれば、野党の攻勢も強まるでしょう。「部分連合」などと言っていますが、「落ち目」になった菅首相に救いの手を差し伸べる政党があるのでしょうか。
 消費増税に向けての民主・自民の大連立が囁かれていますが、恐らくその可能性は低いと思います。自民党にすれば、政権奪還のチャンスが生まれたのですから、おぼれ始めた民主党に浮き輪を投げるようなまねはしないでしょう。
 他の野党も同様でしょうから、国会運営は困難になります。民主党内での動揺や混乱も強まるでしょう。

 今回の参院選では、消費税についての菅首相の「10%発言」と、その後の発言の揺れが民主党敗北の最大の要因でした。その菅首相が続投するわけですから、窮地に追い込まれれば同じような失言や揺れを示す可能性があります。
 当然、世論の批判が強まります。さらに、内閣支持率が低下するにちがいありません。
 国会審議が滞ったり、重要法案が成立しなくなったり、野党の提案を丸呑みせざるを得なくなったりすることもあり得ます。秋の臨時国会は、菅内閣にとっての試練の場となるでしょう。

 ここを乗り切っても、来年の1月からは通常国会が始まります。予算は衆院だけでも通せますが、関連の法律はそうはいきません。
 おそらく4月以降、激しい攻防が展開されることになります。しかも、4月には統一地方選挙が予定されています。与野党の対立は、一段と強まるでしょう。
 ということを考えれば、民主党の地方議員から、「これでは選挙を戦えない。看板を変えてくれ」という悲鳴がわき起こるかもしれません。民主党の執行部は、どう対応するのでしょうか。

 このように、内閣支持率の動向は、菅内閣の前途に暗い影を投げかけています。これまでの例では、いったん低下傾向になれば、それを逆転させるのは至難の業です。
 北朝鮮の拉致問題を解決するとか、沖縄の普天間基地撤去に向けての道筋を付けるとか、世論の支持を得られるような大きな業績を挙げるしかありません。菅さんに、それができるでしょうか。
 それがムリでも、確実にできることが一つあります。それは、9月の代表選で新しい人と交代するか、再選されても、その後の適当な時期に辞任するという方法です。その場合でも、「たらい回し」批判を避けるためには、早期の解散・総選挙は避けられないでしょう。

 こうして、近い将来、解散・総選挙となる可能性が高まっています。もしそうなっても、政界再編がなければ、民主党中心の政権に代わることができるのは自民党中心の政権でしかありません。何という不毛な……。
 結局、政権をめぐって、民主と自民とのキャッチ・ボールが始まるということでしょうか。これが「政治改革」によって理想とされた「二大政党制」の現実の姿なのです。
 これこそ、政治的な閉塞状況の最たるものではありませんか。政権が民主と自民の間を行ったり来たりして、それ以外の出口が見つからないのですから……。

 こうなってしまった最大の元凶は、「政治改革」によって導入された小選挙区制にあります。まことに「政治改革」の罪は重いと、今更ながら思わざるを得ません。

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