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6月25日(土) 昨日は慌ただしい一日だった [日常]

 昨日は慌ただしい一日でした。取材やお客さんの訪問が相次いだからです。

 前日の木曜日(23日)、時事通信の記者の方から電話がありました。JR不採用問題で新しい動きがあるようだから、談話を欲しいという連絡です。
 昨日(24日)、国労組合員による三つの旧原告団はJRへの雇用確保のための交渉を断念して闘争を終えることを決めました。全動労争議団だけは、今後も闘争を継続する方針だそうです。
 苦渋の決断だったと思います。悔しかっただろうと思いますが、交渉を断念せざるを得なかった心中も良く分かります。

 電話でのインタビューとメールでのやり取りがありました。その後、次のような記事になって配信されたという連絡が入りましたので、紹介しておきます。

JRの責任問われず終結=国鉄改革「負の遺産」

 24年超にわたる長い労使紛争となったJR不採用問題は、ようやく終結した。しかし、分割・民営化時、最有力の労働組合だった国鉄労働組合に対する「組合差別」と「組合つぶし」については、実質的に国鉄を引き継いだJRの責任が問われないままで、国鉄改革の「負の遺産」は解消されずに残されることになった。
 昨年の和解決着を拒否した国労組合員が上告した訴訟で、最高裁は今月8日、上告を棄却し、旧国鉄(現鉄道建設・運輸施設整備支援機構)に1人550万円の賠償を命じた2審判決が確定。これに伴い、国労への組合差別などによる不採用の事実も確定した。
 分割・民営化では、国鉄がJRの採用候補者名簿を作り、それを基に新会社としてJRが採用を決める形をとった。人と事業のほとんどを引き継ぎながら責任が及ばない仕組みにより、JRは結局、道義的責任を取らず、逃げ切った格好だ。昨年和解した裁判で原告団長を務めた酒井直昭さんは、「闘いはこれで終わるが、JRに対する24年の悔しさは一生残る」と無念さをあらわにした。
 五十嵐仁法政大教授は「最高裁で不当労働行為が認定されながら、雇用問題が解決されないのは社会正義にもとる。国鉄の分割・民営化でJRは別会社になったが、経営者は変わっておらず、これでは不当労働行為を実行した側の〝逃げ得〟になる。政治解決を実行できなかった民主党や国土交通省の責任も大きい」と批判している。(了)

 昨日、研究所に出勤したら、『日本労働年鑑』第81集が送られてきていました。今年度版の最新刊です。間もなく、書店などにも並ぶでしょう。
 この『日本労働年鑑』では、毎年、重要なテーマを選んで特集しています。今年度版の特集の一つが、このJR不採用問題をめぐる長期の争議でした。昨年6月の政治決着によって一応の「解決」に到達していましたので、「JR不採用問題の和解と今後の課題―国鉄闘争の歴史と考察」という表題で、その経過と背景についてまとめていただいたというわけです。
 もう一つの特集は「外国人技能実習生問題の現状と課題」です。外国人研修制度の導入の経緯や研修生の導入実態、技能実習制度の意義と限界などについて考察していますので、是非、ご覧いただきたいと思います。

 真新しい『日本労働年鑑』をパラパラとめくっていたら、電話がかかってきました。『日刊サイゾー』という雑誌の記者の方だと仰います。
 雑誌の名前を聞いたことはありますが、読んだことはありません。「どのような用件でしょうか」と聞きましたら、「デモについて取材したい」ということです。
 以前、インタビューを受けた雑誌『連合』のデモについての記事を見たようで、最近の脱原発デモに触発された取材のようです。来週、お会いすることになりましたが、このような形で反原発運動の波が私の所にも及んできたということになりましょうか。

 午後になって、研究所に二組のお客さんがお見えになりました。一組は、故田沼肇法政大学社会学部教授の奥様と私の大学院の先輩2人の一行です。
 この度、田沼先生の業績を収録したDVD『田沼肇著作集』と書籍『田沼肇全活動』(共に日本評論社)が完成したということで、持参されました。これから書店でも販売され、1セット1万円、直接申し込めば1割引きだそうです。
 この仕事には私のカミさんも多少の関わりがあり、研究所の資料なども使用したということで、わざわざ挨拶に見えられたというわけです。田沼先生は大原社会問題研究所の研究員でもありましたし、私にとっては大先輩で、大学院時代にお世話になって以降、何かと親しくさせていただきました。

 もう一人は、ハーバード大学のアンドルー・ゴードン先生の教え子で、大学院生時代に客員研究員として1年間研究所に留学して論文をまとめたNさんです。この度、マサチューセッツ工科大学(MIT)の専任教員として採用が決まったということで、一時、帰国されたそうです。
 しかも、あのジョン・ダワー先生の後任として「日本史」を講義されるといいます。「プレッシャーがかかるので、あまり意識しないようにしている」と仰っていました。
 そうでしょうが、いずれにしても良かったですね。4年目と7年目に審査があるのでそれをクリアーするために本を書かなければならないそうで、前途多難なようですが、大いに期待したいと思います。

 ということで、昨晩は、就職祝いを兼ねて、Nさんたちと近くの居酒屋で一杯やって帰ってきたというわけです。帰宅したら、阪神が巨人に勝ってさい先良いスタートを切ったというニュースも飛び込んできて、大変嬉しい夜でした。
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