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11月29日(火) 大阪ダブル選挙で橋下圧勝をもたらした「改革幻想」と「変革神話」 [選挙]

 「橋下さん、あんなむちゃくちゃ言っていたのに、どうして勝ったんだろう」と、疑問に思われる方がいるかも知れません。その答えは、「堂々とむちゃくちゃ言っていたから勝ったんです」ということでしょう。

 橋下さんの「破壊力」に期待したということではないでしょうか。沈滞し行き詰まってしまった大阪を何とか変えて欲しいという願望こそが、橋下圧勝をもたらした原動力だったと思います。
 「大阪都構想」は、その破壊のシンボルとなりました。大阪府と大阪市を合体させて無くしてしまおうというのですから……。
 いや、橋下さんがそう言っていなくても、また、たとえそれが実現不可能な思いつきであったとしても、有権者はそう理解したのでしょう。「都」になれば、「府」も「市」も無くなって全く新しい未来が訪れるにちがいないと……。

 「改革幻想」に踊らされたということになります。「大阪都」という言葉は、「改革」への期待を生み出す夢となって大阪の人々を捉えました。
 たとえそれが「幻想」だったとしても、その夢にすがるほどに大阪の現実は厳しいものになっているということでしょうか。しかし、そのような厳しさは大阪だけではありません。
 日本全体に、このような「改革幻想」を生み出す余地が生じています。リアリティのない夢と「独裁」を任じて恥じない強力なリーダーシップに期待せざるを得ないほどに、政治は劣化し既存の政治勢力と政治家は無力だと見られているのです。

 このような「改革幻想」は初めてではありません。小泉構造改革に寄せられた国民の期待と裏切りの前例があります。
 日本経済の再生をもたらしてくれるのではないかという国民の期待と支持を背景に小泉さんは「改革」を進め、結局は貧困化を増大させ、格差を拡大させました。「自民党をぶっ壊す」と言って、実際にぶっ壊したのは日本の経済と社会だったのです。
 国民が小泉さんに寄せた変革の夢は「神話」にすぎませんでした。「変革神話」に騙された国民が「改革」の夢から醒めてみれば、生活の立ち行かない厳しい現実が待っていたのです。

 橋下さんを圧勝させた「改革幻想」もまた、小泉さんと同様の「変革神話」にすぎないものだということが、いずれ分かってくることでしょう。騙されたと気がついたとき、大阪の人々の前には今以上に厳しい現実が立ち現れてくるにちがいありません。

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