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11月30日(水) 政府の「本音」が出た田中沖縄防衛局長の「犯す」発言 [在日米軍]

 懇談会の席で酒を飲み、酔っぱらってしまって政府の「本音」が出たということではないでしょうか。米軍普天間飛行場移設に向けた環境影響評価書の提出時期をめぐって「犯す前に(これから)『やらせろ』とは言わない」と発言し、更迭された田中聡沖縄防衛局長です。

 田中さんは「率直なもの言いが特徴だった」(『東京新聞』)方で、「同僚らは『ざっくばらんで、人間らしい人と口をそろえる』」(『真日新聞』)そうです。「そういう人が何故?」と思う人がいるかもしれませんが、多分、そういう人だからこそ、今回のような発言が飛び出したのでしょう。
 「キャリア官僚らしくない気さくな人柄」だったところが裏目に出たということでしょうか。言ってはならない「本当のこと」をポロッと漏らしてしまったのですから……。
 沖縄防衛局長として基地行政にも精通していたといいます。だから、「率直」かつ「ざっくばらん」に、事態の本質を説明したのでしょう。

 事情を熟知していたから、日本政府と沖縄との関係が女性に対する男性のようなもので、沖縄は女性のような弱い立場にあること思っていたに違いありません。ここには、田中さんの歪んだ女性観も投影されています。
 また、政府は沖縄にむりやり言うことを聞かせるような立場にあること、そして、今回の環境影響評価書を年内に出すことについても、「犯す」ような形で強行するつもりであることも、問わず語りに表明してしまいました。だからこそ、政府は困惑し、沖縄は怒ったのです。
 政府が、慌てたのも当然でしょう。一川防衛相は、間髪を入れずに、直ちに田中防衛局長の更迭を決めました。

 しかし、このような沖縄の人々を怒らせる発言は、今回が初めてではありません。これまでも、95年にリチャード・マッキー米太平洋軍司令官が、沖縄の駐留米兵3人が起こした少女暴行事件をめぐって「犯行に使った車を借りる金があるなら、売春婦を買えたのに」と発言して司令官を辞任し、11年には米国務省のケビン・メア日本部長が米大学生らへの講義で沖縄について「ごまかしとゆすりの名人」と発言して本部長を更迭されています。
 このような発言が跡を絶たないのは、発言する人々が沖縄に対するぬぐいがたい差別意識を持っているからです。そして、そのような差別意識の背後には、そのような意識を生み出す差別の構造があります。
 沖縄の意思と願いを踏みにじり、一方的に基地負担を押しつけてきた構造自体を変えないかぎり、このような差別意識はなくなりません。本来であれば、普天間基地の国外移設を実現することで、そのような是正措置の始まりとするべきだったのです。

 そのチャンスは、訪れつつあるのではないでしょうか。先日の米豪首脳会談で、オバマ米大統領はオーストラリアのダーウィンに、新たに米海兵隊2500人を移駐すると表明しました。
 海兵隊の行き先ができたのです。ここに沖縄の普天間基地から移して欲しいと、どうして日本政府は要求しないのでしょうか。

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