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1月15日(日) 横ばいか下がってしまった野田改造内閣の支持率 [内閣]

 「野田佳彦首相の内閣改造は支持率上昇に結びつかなかった。新体制への評価は低く、首相が意欲を示す消費増税方針への理解も広がっていない。」
 これは野田改造内閣に対する世論調査への『日経新聞』の論評です。13日の金曜日のブログで、私は「今回の内閣改造が国民にどう受け止められ、このような内閣支持率の動向にどう影響するのかという点も大いに注目されます」と書きましたが、野田さんに比較的好意的な『日経新聞』ですら、こう指摘せざるを得ないような惨憺たる結果になりました。

 各社の世論調査による内閣支持率の変化は、以下のようになっています。左の数字が今回で右の数字が前回の調査ですが、大まかな傾向はほとんど同じです。

日経 37←36%
共同 35.8←35.7%
朝日 29←31%
読売 37←42%

 世論は、岡田前幹事長の副総理起用については評価しているようですが、今回の改造自体についてはほとんど評価していません。日経と共同の調査ではほぼ横ばい、朝日と読売では上がらなかっただけでなく、下がっています。
 政党支持率でも民主党への支持は増えていません。日経は「民主党が昨年9月の野田内閣発足後初めて自民党を下回った。自民党は前回より3ポイント上昇し29%、民主は前回と同じ28%だった」と書いています。
 これまでの内閣改造では、目先が変わり、多少とも支持率は上がるというのが普通でした。それが逆に下がっているわけですから、いかに世論の目が厳しいかが如実に示されています。

 なお、消費増税の政府案についても、「賛成は34%で、反対の57%を大きく下回」(朝日)り、賛否の差は拡大しつつあります。ここでも民意は明確です。国民は消費増税に賛成していません。
 日経の調査でも、消費税率引き上げ方針を打ち出した野田首相の判断について、「評価する」が42%、「評価しない」は46%となっています。「評価しない」方が多くなっているのに、日経の論評は「首相が自ら乗り出して民主党の素案をまとめた姿勢に一定の評価が集まった形だ」というものでした。
 何という牽強付会。それとも、消費増税に執念を燃やす日経らしい曲解だと言うべきでしょうか。

 なお、今回の結果について、「消費増税方針への理解も広がっていない」としているのは不正確でしょう。逆に、「消費増税方針への理解」が広がり、負担増に対する国民の不安や懸念が増大しているからこそ反対世論が増え、「消費増税シフト」のための内閣改造が評価されなかったのではないでしょうか。
 また、消費増税の前提とされている国会議員の定数削減や公務員の人件費削減についても、朝日の調査では、首相が削減を「できると思う」と答えた人は19%しかなく、「できないと思う」が67%を占めています。これについては、そもそも「国会議員」や「公務員の人件費」は「無駄」なのかという根本的な問題がありますが、その実現可能性についても信用されていないというわけです。
 さらに、同じ調査で、消費増税の際の景気については「大いに」「ある程度」を合わせて80%が「考慮する必要がある」と答えています。消費税を3%から5%に引き上げた97年以降の日本の経験やギリシアなどのように、増税が税収増に結びつかず、景気を悪化させ、かえって税収減をもたらして財政赤字を増大させる危険性についても国民は気づき始めているということでしょうか。

 昨日のテレビ東京の番組で、野田首相は一体改革について「私の政治生命をかけてやり抜く」と述べ、固い決意を示しました。そのような決意があるのなら、世論の支持が得られるようなまともな政策の実現にこそ、「政治生命」をかけてもらいたいものです。

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