SSブログ

1月24日(火) 消費増税ばかりが明確になった野田首相の施政方針演説 [首相]

 「(マニフェストに)書いてないことを平気でやる。これっておかしいと思いませんか。書いてあったことは4年間何もやらないで、書いてないことは平気でやる」
 これは、09年衆院選で野田佳彦幹事長代理(当時)が行った街頭演説だそうです。動画サイト「YouTube」で流され、話題になっているといいます。

 それから3年後の今日、野田さんは首相として通常国会に向けての施政方針演説を行い、税と社会保障の一体改革を「やり遂げなければならない大きな課題」だとして、消費増税に向けての決意を表明しました。そして、3月末までに消費増税法案を国会に提出する考えを改めて表明し、野党に事前協議に応じるよう呼びかけました。
 この時、野田さんは「(マニフェストに)書いてないことを平気でやる。これっておかしいと思いませんか」という、自らの演説を思い出すことはなかったのでしょうか。09年衆院選で掲げていた民主党のマニフェストでは、消費税について「4年間は上げない」と書かれていたのですから。
 「(マニフェストに)書いてないことを平気でやる。これっておかしいと思いませんか。書いてあったことは4年間何もやらないで、書いてないことは平気でやる」というのは、今日の民主党の姿そのものではありませんか。この点でも、自公政権と民主党政権に違いはなくなっています。

 しかも、自民党との違いがないということを、野田さん自身が施政方針演説の中で明言しました。4年前の福田首相の演説や3年前の麻生首相の演説を引用して、「私が目指すものも同じ。立場を超えて協議に応じていただきたい」と呼びかけたのですから。
 この演説を聴いて、なんのための政権交代だったのかと、空しい思いを抱いたのは私だけでしょうか。「目指すもの」が「同じ」なら、政権を交代させる必要はなかったでしょうに。
 野田さんは、マニフェストを裏切っただけではありません。自民党政治の転換を求めて政権交代に託した国民の思いを真正面から裏切ることを、国会の壇上で宣言したのです。

 そもそも、通常国会の開会に当たって「事前協議」を呼びかけることは大きな間違いです。国会は与野党が審議する場ですから、「事前協議」という名の密室審議ではなく、国会の場で堂々と審議すれば良いではありませんか。
 また、「『決められない政治』からの脱却」を掲げていますが、決めることが望まれていない課題を無理強いしようとしているから、決まらないのではありませんか。国民の6割が反対している消費増税を強行しようとしていること自体が間違いなのです。
 消費増税による増収分については、「全額を社会保障の費用に充て、国民に還元する」と約束しましたが、それでは財政の再建には1円も使わないということなのでしょうか。消費増税は社会保障のためと言ったり、財政再建のためと言ったり、年金制度の維持のためには10%では足りないと言ったり、一体、何を信じたら良いのでしょうか。

 野田首相は「決断する政治」を掲げて、消費増税を強行する姿勢を明確にしました。「決断」と「独断」の違いが、果たして分かっているのでしょうか。

nice!(1)  トラックバック(0) 

nice! 1

トラックバック 0