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6月26日(火) 消費増税法案は衆院で可決されたが反対票を投じた民主党議員は57人に上った [政局]

 本日の衆院本会議で、消費増税法案の採決が行われ、賛成363票、反対96票で可決されました。民主党議員では、小沢グループを中心に57人が反対票を投じ、欠席・棄権を含む造反者は約70人になりました。

 消費増税法案は衆院を通過し、これからは参院での審議が行われることになります。注目された民主党の造反議員の数は、衆院での与党が過半数を失う54議席を3議席上回りました。
 厳正な処分を要求する自民党に従ってこれらの造反議員を全て除名して民主党から追い出せば、与党は衆院で過半数を下回り、少数与党となります。もし、そうすれば、民主党を分裂させ、消費増税法案の参院での成立後、内閣不信任案を提出して解散・総選挙に追い込もうという自民党の狙い通りの展開になるでしょう。
 民主党の分裂回避を最優先している輿石幹事長が、このような自民党の狙いに気づかないはずがありません。それが分かっているのに、輿石さんは造反議員を処分できるでしょうか。

 しかし、消費増税に反対した57議員に「お咎めなし」ということになれば、民主党内で賛成した増税推進派は執行部を突き上げることでしょう。「党議拘束がかかる」と答弁し、厳しい処分を匂わせていた野田首相に対する求心力は急激に衰えるにちがいありません。
 もっとも、「心から、心から、心から」と3度も繰り返してお願いしたにもかかわらず、少数与党になるかもしれない57人もの造反を出してしまったのですから、野田さんの求心力はすでに低下していたということもできます。
 そのように弱体化した執行部に、強硬な手段をとる力があるでしょうか。野田さんの前には、「置き石」となった輿石さんが立ちはだかるかもしれません。

 もし、民主党の執行部が毅然とした処分を行わなければ、自民党も黙っていないでしょう。谷垣さんは、民主党が造反者に対して曖昧な対応をとれば、参院での審議には協力できないと言っていました。
 9月には、自民党も総裁選を控えていますから、谷垣さんも後がありません。自民党内でも、すでに野田政権の延命に手を貸しただけではないのかという批判の声が上がっています。
 一方で、消費増税のために参院審議で部分連立を行いながら、他方で、野田政権を解散・総選挙に追い込むという難しい対応が迫られます。党内を掌握できない野田執行部を相手に、このような「曲芸」が可能なのでしょうか。

 さて、これから先、小沢さんはどう対応するでしょうか。採決後、国会内で開いた小沢グループの会合で、小沢さんは「本来の民主党に立ち戻るための努力をこれからもしていきたい」と結束を呼びかけたといいますから、すぐに離党して新党結成という可能性はあまりないと思います。
 当面は、離党をちらつかせながら、執行部の対応を見守るのではないでしょうか。私は24日のブログで、「いずれにしても、小沢グループが消費増税関連法案に反対票を投ずることは確実であり、いずれ民主党を飛び出すことになると思います。小沢さんは、そのための最も効果的なタイミングを図っているように見えます」と書きましたが、その見方は今も変わっていません。
 約70人の造反という数の力を最大限に生かしつつ、執行部に対する揺さぶりをかけ続けるように思います。ここでも、注目されるのは輿石さんの動向です。

 造反した議員の処分は、野田首相と輿石幹事長に一任されました。野田さんの力が強ければ除名、輿石さんが押し戻せば党員権停止、というところでしょう。
 党員権停止の場合は、その期間が問題になります。造反の内容によって、1ヵ月とか2ヵ月とかの長短を付けるでしょう。
 問題は3ヵ月になる場合です。民主党代表選の9月にまで及ぶかどうかで、輿石さんがどちらを向いているかが分かるでしょう。

 ということで、「政界三国志」の戦端が開かれました。永田町も暑い夏を迎えることになりそうです。

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