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6月27日(水) マスコミは「大量のゴミ」になってしまった [マスコミ]

 消費増税を報じる昨日のニュースを見て、呆れてしまいました。「消費税の引き上げが、どうしてこの時期なんですか」「消費税が上がったからといって、価格に転化なんてできませんよ。廃業しかありませんね」という、庶民の声が報じられていたからです。
 消費増税法案が衆院を通過してから、このような庶民の声が伝えられるなんて。どうして、その前に報じなかったのでしょうか。

 その理由ははっきりしています。消費増税への反対論が強まっては困るからです。マスコミのほとんどは、消費増税に賛成しているからです。
 今回の衆院可決への民主党内の造反についても、マスコミの見通しではもっと少ないはずでした。しかし、反対票を投じたのが57人、欠席や棄権を合わせれば70人以上で、造反は民主党の4分の1に達しています。
 造反がこれほどの数になったのは、「除名しろなんていうやつこそ除名すればいい」という輿石幹事長の発言で、厳しい処分がないと受け取られたからです。それをマスコミが見誤ったのは、造反者が増えて欲しくないという願望のゆえに、現実が良く見えなかったからでしょう。

 日曜日に東京土建の幹部学校で講演しましたが、600人も集まった幹部の皆さんを前に、私はこう言いました。「今の日本で、マスコミはマスゴミになってしまった。つまり、『大量のゴミ』です」と……。
 民意を裏切り、嘘を言って、国会ではなくホテルの一室で3党だけで勝手に決めてしまった合意を「決められる政治」だなどと持ち上げるようなことは、「ゴミ」にしかできません。それを批判するどころか、焚きつけたり、評価したり。
 マニフェストは金科玉条ではない、状況に合わせて変えることもあるだろうというのはその通りですが、問題は変える方向です。政権交代時の約束や民主党の理念を生かす形で変えるのではなく、それを打ち捨てて自民党に同化するようなことは、自民党政治からの転換を求めて政権を託した国民に対する完全な裏切りではありませんか。

 二大政党制とは、本来、二つの政党が異なった選択肢を提起して国民の信を問うことでしょう。二大政党が同じことを言い出したら、二大政党制は死にます。
 今、まさに二大政党制は死に瀕しており、自民党と民主党は自民民主党という巨大政党の二大派閥に変貌しようとしています。そのお先棒を担いでいるのが、新聞やテレビの「マスゴミ」です。
 消費増税によって国民の生活と日本の経済は大打撃を受けようとしています。そして、それを「決める」プロセスによって、日本の政党制と議会制民主主義もまた、大きな打撃を受けることになりました。

 しかも、驚くべきことに、「マスゴミ」は、一方で消費増税の旗を振りながら、他方で、自分たちには税率の引き上げではなく軽減税率を適用するよう要望しています。たとえば、6月20日に超党派の国会議員で作る「活字文化議員連盟」の総会に出席した日本新聞協会会長の秋山耿太郎朝日新聞社長は「軽減税率を導入していただきたい。国の力を衰退させ、国民の活字離れが一段と進むような方向での知識課税は望ましくない」と述べ、協会副会長の白石興二郎読売新聞グループ本社代表取締役社長も「新聞は日本の文化にとってコメであると改めて訴えたい」と発言したそうです(『読売新聞』6月21日付)。
 このような要請に基づいて、「現行税率の維持を求める声明」が採択されました。その要旨は次のようなものです(6月21日時事通信社jijicom)。

 「国民の『知る権利』と議会制民主主義を支え、日本の活字文化保持の中枢の役割を果たしてきた新聞および書籍の公共性は極めて高い。しかるに、新聞・書籍に対する消費税率引き上げは、国民の活字離れを加速させ、これからの日本を支える人づくりはもちろん、地域づくりや国づくりにも悪影響を及ぼしかねない。フランスやドイツなど欧州各国では、食料品とともに新聞や書籍の税率をゼロ税率としたり、標準税率よりも低い税率を適用したりしている。新聞や出版物を民主主義のインフラとみなし、『知識課税は避ける』という理念と伝統を持つ欧州の事例は大いに参考にすべきだ。新聞や書籍の税率引き上げは文字・活字文化振興法の趣旨にも背く。日本の文化と民主主義の基盤を守るため、新聞および出版物の消費税率引き上げには断固として反対し、現行税率の維持を求める」

 これを身勝手といわずして、何と言ったらよいのでしょうか。さんざん消費増税を煽りたててきたのは新聞ではありませんか。
 その先頭に立ってきた『朝日新聞』や『読売新聞』のトップが、国会議員に「消費税アップを適用しないで欲しい」とお願いしているわけです。「大量のゴミ」と化してしまったマスコミの一端が、ここにも示されていると言えるのではないでしょうか。
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