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9月21日(金) 国民の願いに反して「原発ゼロ方針」の閣議決定を回避した野田首相 [首相]

 これが「ぶれない姿勢」で、「決められる政治」なのでしょうか。この言葉を看板にしている野田首相は、「原発ゼロ方針」の閣議決定を回避してしまいました。

 政府は19日、「2030年代に原発ゼロ」をめざすとした「革新的エネルギー・環境戦略」に関して、参考文書にとどめて閣議決定を見送りました。これに代わって閣議決定されたのは、「今後のエネルギー・環境政策について」という一文で、その内容は「革新的エネルギー・環境戦略を踏まえて、関係自治体や国際社会などと責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行する」というものです。

 これについて古川元久国家戦略担当相は、「過去に同様の方法で閣議決定された政府方針もあるが、政策の方向性は変えていない」と弁解しています。それならどうして、閣議決定を回避したのでしょうか。
 これで「原発ゼロ」方針があいまいになり、骨抜きにされる心配があるとされています。実際には、曖昧にして骨抜きするために、閣議で決定しなかったのではないでしょうか。
 閣議決定とは、内閣の意思を決めることです。これが決められなかったということは、内閣が替われば方針を変更することができ、今後の政権の都合でどのように変更しても「閣議決定」違反ではないということになります。

 「原発ゼロ」はパブリック・コメントなどでも示された国民の願いでした。野田首相は代表選などへの思惑もあって、不十分ながらもその願いに応えようとする姿勢があったように見えます。
 しかし、これに対して猛烈な巻き返しが生じました。アメリカ、経団連や日商などの財界、経産省などの官界、原発の立地自治体、労働組合の連合などが、この方針に強い懸念と反対を表明したからです。
 その風圧に耐えることができなかったのでしょう。野田首相は妥協を重ね、「一応、回避できた」(米倉弘昌経団連会長)、「(見送りは)我々としては歓迎すべきだ」(岡村正日本商工会議所会頭)などと財界から評価されるところまで後退してしまいました。

 原発の再稼働、消費増税やオスプレイの強行配備に続いて、またもや野田首相は国民の願いを踏みにじることになったわけです。「嘘とペテンの政治」もここに極まれり、と言いたくなります。
 それにもかかわらず、民主党の代表選では野田首相の再選は確実と報道されています。このことは、国民の声に応える力も、それに沿った政策転換をめざす動きも、民主党内からは出てこないということ、たとえあったとしても、もはや多数派にはなれないということを示しています。

 すでに民主党の再生は無理になっているということでしょう。解党して、出直した方が良いのではないでしょうか。


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